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2022-01-09
あああ、もうこれは「読め!」と言うしかない。いくつか都合よすぎる気もするけど、ちゃんとそこにも自覚的で素晴らしい。
特に最終章の章タイトルみた時は、震えた。これはカンニングせずに読み進めてきたからこそ。
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何も言うことはない。下巻も面白くて一気読みしてしまった。結末も、思いきり笑顔になれました。なにやら映画化が予定されているそうですが、これは期待外れになったとしても、世界観を楽しみに観に行きたいです!
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これってフラグだよね? とか、残りこれだけだけどこのまますんなり展開するはずあるか……?などと余計なことを考えつつ、はらはらしつつ、それでもときどき爆笑しつつ、そしてたまにうるっとしつつ。味わったことのない読み心地だー。
すばらしい。しあわせ! しあわせ!
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〈タウ・セチ〉の現場に出来るだけ長く一緒にいたかったので、読み出したら止まらなくなるのを抑えて、下巻は無理にペースを落として読むのに苦労した。
現実の科学技術は進み、星の彼方に夢をはせることも今は少なくなり、フィクションの世界でも、一般の小説にもSFチックなものが多くなって所謂 “サイエンスフィクション” は影が薄くなったと感じていたが、この時代でもこんなに面白くて感動できる『空想科学小説』が読めるということを、今はただ素直に喜びたい。
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(盛大に内容に触れています。ご注意ください)
面白かった~。「火星の人」再びのサバイバルものかと思ったら、今度は加えてなんとファーストコンタクトものでもあり、そしてそしてバディものでもあるのだった。どの要素もすこぶる魅力的だが、ワタシはなんといっても三つ目のやつに琴線がかき鳴らされまくり。いやあ良かった!
構成がうまい。現在の宇宙船パートと、過去の地上パートが並行して進むのだが、それにちゃんと理由があって、主人公グレースとともに「そうだったのか」と思いながら読んでいくことになる。引きこまれずにはいられない書き方だ。グレースは「火星の人」のワトニーと同様へこたれないキャラだけど、ちょっと弱め。そこがいい。奮闘する姿にハラハラする。
ピンチは再三訪れる。が、ワトニーと違ってグレースには、途中から強力な助っ人がいるのだ。異星人と力を合わせてサバイバルしミッションを遂行しようとする。まったく、こんな筋書きにのめり込むことができるなんて。ずーっと前に「ソラリスの陽のもとに」を読んで以来、人間とコミュニケーションがとれる異星人なんて、怪獣がなぜかウルトラマンと似たような体格であることと同様のファンタジーだと思ってきた。でも、この設定ならアリかも、と思わせられる。
とにかくこの二人(?)の掛け合いが楽しいのなんの。地球とはまったく異なる環境を持つ星エリダニからやってきたロッキー。当然姿形も持てる力も文化も人間とは大きく異なる。それでも様々なアイディアをひねり出して意思疎通できるようになり、共に難局を乗り越えるなかで「ともだち」になっていく。もうここがね、ぐっときます。「よい!よい!」「しあわせ!しあわせ!」ロッキーの言葉を真似したくなる。
「二人」がついに地球とエリダニを救うものを手に入れたとき、グレースは船にあったウォッカのグラスを掲げて乾杯する。その時、正装したロッキーは、グレースの真似をしてそばにあるレンチをつかんで高々と掲げる。このシーンがすごく好き。
そして、成功の後には別れがある。
「『時間だ』と彼が言う。『ぼくらはこれから故郷の惑星を救いに行く』『ああ』『君の顔に漏れがある』目をぬぐう。『人間の事情だ。気にしないでくれ』」
「漏れやすい」人間である私の顔にも漏れが発生した。(でもこれで終わらないんだよねー)
胸の熱くなる場面は随所にあるけれど、笑える箇所もたくさんある。地上パートで、軽口を叩くグレースに、プロジェクトの責任者ストラットが「お黙り!」と言うところがお気に入り。一番ニヤニヤしてしまったのは、マーティン・デュポアとアニー・シャピロの登場場面。超真面目なデュポアとあっけらかんとした「シャピロ博士」、とてもいいペアなのにその後二人は…。
地上パートの登場人物は誰もがとても個性的だが、私はやっぱりストラットが断然いい(映画化が決まっているそうだけど、誰が彼女をやるのか、興味津々)。温暖化を防ごうと努力してきた気候学者のルクレールが、地球をあたためるため南極の氷河に核爆弾を撃ち込む場面。顔をおおって泣く彼にストラットは言う。
「わたしたちはみんなしなければならないことをしているのよ」
そう、これは「しなければならないこと」を全力で成し遂げようとする人たちのお話で、その熱に降参しました。
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最初からすごく引き込まれる書き方!最後まで予想ができないワクワクしっぱなしの読書でした。
最初は何の予備知識もなくKindleのお試しを読んで、冷凍睡眠から目覚めた男の話かと思ったら違い、うっかり下巻の帯にネタバレされた「ファーストコンタクト」とは微生物のことかと思ってたら、それも違い(ロッキーとの出会い、ここはめちゃくちゃ興奮した!) 記憶障害の原因も私の予想を遥かに超え、ラストの展開もまた予想外(でもとても好き)。そしてあたたかな気持ちになる最後の場面に私の顔にも洩れがありました。ほんとに次々と波のように驚きがやってくるお話しで、お腹いっぱい大満足です。
発生する問題をどんどん解決していく爽快さに、科学と数学ってこんなにカッコいいんだ〜と再認識。中学の頃にこの本を読んだら、もっと興味を持って勉強できたかも(笑)
地球の人たちもきっと科学を駆使して、頑張って生きたんだと思うと希望を感じられる。よい、よい。
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『火星の人』のアンディ・ウィアーがお送りする、人類滅亡を阻止するための手掛かりを探すため、遥か宇宙の果てに送られた一人の男の挑戦、後編。
上巻は、記憶を失った状態で目覚めた男が、記憶を取り戻しながら現状を把握していく内容(読者への背景設定の説明)がメインで、本書下巻は、人類滅亡を阻止するための方策を本格的に検討、実行に移していく内容となっている。
「これまでの培ってきた知識や経験、人類の叡智(機器、理論...etc)を駆使して、極限のミッションに挑む」という著者の作風はそのままだが、今回は異星人との遭遇という「ファーストコンタクトSF」の要素が追加されている。これまで現代の科学技術のみをベースに描いてきた著者にとっては、新たな試みであったのではないかと思われる。(とはいえ、異星人の超高度テクノロジーが解決してしまうという展開はなく、用いられるのはあくまで現代の科学技術的アプローチ。)
同じく滅亡の危機に瀕している同族を救うため、孤独に宇宙を彷徨う異星人と協力して検証を重ねていき、友情の絆を深めていく―――著者の過去作にはなかった心温まるストーリーが非常に心地良い。(クライマックスは、非常に心が揺さぶられる。)現代SFの名作として推すことが出来る一作。
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上下巻一気読みして大満足の宇宙SF。各種トラブルに科学知で対応する、というスキームは作者の第一作『火星の人』と同じだが、楽しいので無問題。もともと科学への信頼が高い人ならより楽しく、ラストはなおさら顔から水が洩れる。
Netflixの映画『ドント・ルックアップ』ももちろん良作だが、こちらのほうが科学とか人間への信頼性が高い分、鑑賞中の気持ちはぐっと安らか…でも現実はドント・ルックアップ寄りなんだろうな…ロシアはきっとこのプロジェクトには参加できないでしょう…そのような現実へのリフレクションがあるところも◎。
映画では『あなたの人生の物語』のような言語SFの要素がもっと際立ってくることを期待。
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アンディ・ウィアー最高!
ネタバレになるので内容はほぼ触れないが、そう来たか。科学についてはハードだが、愛すべきキャラと設定の巧みでぐいぐい読める。
『火星の人』もだけど、ヒーローじゃないが頭脳と体力を駆使してめげないユーモア精神でなんとか乗り切っていく主人公…いつもオーウェン・ウィルソンを頭に描いているので、どう考えたってサバイブするだろな『オデッセイ』のマット・デイモンは(タイトルも含めて)ブッブー。で、今回はライアン・ゴズリング?んーまあ、許すw
物語も見事。私の文系脳でも、ほほーう目がなければ相対性理論は発達しないのかとか、いろいろ腑に落ちたり学んだり。アレ系はアボット&コステロ必須かと笑ったり。
そしてストラットのその後も気になるけど、バディが最高でしたね。ちょっと『オリュンポス』のイオのオルフみたい…すべてをダン・シモンズで語る病。
あのシーンの「きみの顔に漏れがある」には、私の顔にも漏れが生じました。
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久しぶりにはまった小説。随所に緻密な科学的考証があり引き込まれた。ハラハラドキドキが止まらない展開で上下巻を一気に読み終えた。SF好きにはたまらない小説だと思う。紙の本はなかなか買えない状況なのか、メルカリとかでは定価以上で売れてる。。
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研究のプロセスだけでもとんでもなく面白いのに、バディものとしてこんなに盛り上がるとは…!手探りのコミュニケーションの段階は『メッセージ』のようにワクワクしたが、軌道に乗ってからはまた新たな段階の幸福感に包まれて、地球に戻らなくてもいいような理由付けがあるのも上手い。やりとりひとつひとつが愛しい。
グレース博士が天職とする仕事に戻るのも良かった。望まぬ方向に連れ込まれても、前向きに、自分に誠実に頑張れば道は開けるという人間讃歌。仕事がんばろ…!
映画『オデッセイ』も大好きだったが、『火星の人』も読みたくなってきた!
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生涯ベスト級の一冊。
未知の物に対して観察→推論→仮説→検証→考察という科学のプロセスを畳み掛けるストーリーテリングの面白さがヤバイ。元素記号もまともに覚えていないゴリゴリの文系のワイでも当たり前に楽しめる。
人類が辿り着いた科学、そして人類の善性への信頼と讃歌。
主人公と異星人ロッキーのバディものとして最高で、最後の再会のシーンは涙無しには読めない。
クソみたいな状況を科学とユーモアで切り抜ける主人公というのは、『オデッセイ』原作の『火星の人』からこの作者の持ち味なんだろうなぁ。なんでこんなに面白いのが書けるんだろうなぁ。すごいなぁ。すごいなぁ……。
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上巻後半の展開から期待して読み始めました。
記憶が徐々に蘇る流れは、記憶がヒントになってどんどん話が進んで行く様子が心地よいなぁという感じだったんですが、ここにも驚きが隠されてましたね。そんな経緯でこうなってしまったのか…と。彼は元々は勇敢な科学者ではなかった。もちろん最終的には間違いなく勇敢な科学者でした。
二人の星を超えた信頼関係が気持ちよくて、最後の8割を超えたあたりの展開は目頭がグッと熱くなりました。物語がハッピーエンドに向かいつつ、残るページ数に不安を感じて…あぁ、やっぱり!と。
終わりもこれはハッピーエンドといえるでしょう。
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文句なしに面白かった。読者が主人公と一緒に物語を体験する仕掛けになっているので、可能な限り予備知識を入れずに読み始めるのが正解だと思う。ともかく騙されたと思って読むべき。夢中になって読破してしまうこと請け合い。
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初のSF小説に挑戦。科学の知識が乏しいわたしはなかなか時間がかかったけど、映画化される前に結末まで辿り着けて良かった!全くの予想外の展開と結末…
科学的なことはわたしには難解で詳細わからず、ざっくり読み飛ばしてしまった部分も多々、その当たりは映画化も決定してるらしいので、映像で楽しみたい。