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リヒテンベルクの手帖 1 みんなのレビュー
- ゲオルク・クリストフ・リヒテンベルク (著), 吉用 宣二 (訳)
- 税込価格:8,580円(78pt)
- 出版社:鳥影社
- 発売日:2021/10/26
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紙の本
翻訳が稚拙、おすすめしません
2022/06/15 11:35
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:世界の尻尾 - この投稿者のレビュー一覧を見る
文意を理解していない逐語的な直訳、単語や科学的用語に関する無知、どこをとっても読み辛く、翻訳の質は最低である。参考のため、原文が同一であろう一節を抜粋して「リヒテンベルクの雑記帳」(作品社)と比較してみよう。
「リンネが動物界で行ったように、観念界においても『カオス』と呼べるような分類項目を作れるかもしれない。ここに分類されるのは、太陽のちりばめられた空間という計り知れない全体をともなった、万有引力や銀河についての大いなる思考というより、むしろ小さな微生物的観念群であるだろう。それは繊毛や鞭毛であらゆるものに付着し、そしてしばしばもっとも大いなる諸観念の精液の中に生息している。どんな人間も、静かに座していると、そういった百万もの観念が脳の中を通り過ぎていくのを目の当たりにするはずだ。」(作品社)
「リンネが動物の王国にしたように人は、理念の王国の中にも、人がカオスと名づける階級を作ることができるだろう。そこには普遍的な重力の大きな考え、計り知れない全体の太陽の粉を振りかけられた空間を持った恒星ー埃よりはむしろ、小さな繊毛虫(Infusion)ー理念が属している。これらの繊毛虫理念は小さな尾でもってすべてのものにくっつき、しばしばもっと大きな理念の種の中で生きる、そしてそれらの繊毛虫理念の数百万を人間は、彼が座っているならば、彼の頭を通して通過させるのである。」(鳥影社)
後者はどう見ても意味不明である。「全訳完全版」を謳っているが、理解不能なものはそもそも翻訳と呼ぶに値しない。謳い文句に釣られて本文を確認せずに購入したことを後悔している。
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