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仏教の誕生から部派仏教、大乗仏教の流れ、東アジアへの伝播の様子が素人にも分かりやすく書かれている。日本の仏教の展開についてやや端折り気味なのは紙幅の都合上仕方なしか。
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文化としての仏教
仏教の成立:
開祖ゴータマ
悟りを開く
ブッダとしての教化活動
ゴータマの説法
部派仏教の展開:
ゴータマの死
弟子たちの詩
結集と根本分裂
諸部派の形成
有部における「法」
無我と輪廻の問題
仏教の革新──大乗仏教:
概観
般若経と維摩経
法華経
十地経
浄土経典
中観派とその思想:
ナーガールジュナと『中論頌』
アーリヤデーヴァ
その後の中観派
スワータントリカ派
ディグナーガの論理学
瑜伽行派の形成と展開:
第二期の大乗経典
「総合経典」の編纂──華厳経と大般若経
大般涅槃経と勝鬘経──如来蔵系の諸経典
解深密経
瑜伽行派の成立
アサンガとその思想──アーラヤ識と三性
ヴァスバンドゥ──唯識説の大成
ヴァスバンドゥ以後
ダルマパーラの役割
大乗から密教へ:
如来蔵思想の大成──宝性論
密教の起源
大乗仏教と呪文
密教の伝承
密教の特徴
密教の経典
密教経典の思想──大日経と金剛頂経
理趣経について
密教は大乗か
チベット仏教のあゆみ
仏教の伝来と定着
チベット大蔵経の特徴と意義
テーラヴァーダ仏教の伝統:
テーラヴァーダの意味
僧のすがた
ウポーサタの現状
スリランカ仏教の歴史
タイ仏教の歴史
ブッダゴーサとその思想
仏教東漸──中国仏教の形成:
伝来に関する諸伝説
仏教信仰のすがた
仏典翻訳の開始
「文」派と「質」派
『理惑論』について
仏教の人生観はどう見られたか
仏教倫理の問題
『理惑論』の輪廻思想
「新仏教」の展開:
基盤と背景
天台宗とその教学
智顗の『摩訶止観』
華厳宗とその教学
法蔵の思想
法蔵以後の華厳教学
浄土系の仏教
禅宗の誕生
禅宗の分立──北宗と南宗
民衆の仏教
総括と展望
韓国(朝鮮)の仏教:
仏教の伝来と定着
ウォンガンの五戒
新羅の護国仏教
ウォンヒョとその思想
ウイサンとその思想
その他の仏教者
禅宗の伝来と分派
チヌルとその思想
ウイチョンとキュンニョ
李朝の仏教
日本仏教の濫觴:
仏教の伝来
崇仏か排仏か
最初期の日本仏教と尼僧の誕生
聖徳太子と仏教
律令体制の確立へ
南都六宗
三論宗
法相宗
華厳宗
律宗
その他の諸宗
無常感の広まり
平安仏教の形成と展開:
奈良から平安へ
日本天台宗の成立
空海と真言宗
東密と台密
本覚思想の形成
日本浄土教の萌芽
空也の念仏
源信と『往生要集』
貴族社会の変化と浄土信仰
神仏習合思想の展開
「鎌倉新仏教」の出現:
法然と浄土宗の開創
法然の門弟たち
親鸞の生涯と思想
浄土真宗の展開
一遍の念仏��想
禅の諸宗
栄西と臨済宗
道元と曹洞宗
日蓮と日蓮宗
伝統仏教の変革
近世・近代の日本仏教:
中世から近世へ
徳川幕府の宗教政策──寺院法度など
宗学の発達
諸教との論争
世俗倫理としての仏教
自由と反骨の仏教者
近代仏教の夜明け
仏教界の内部改革
仏教の現在と未来:
日本仏教の現状
諸宗派の発生と展開
シンクレティズムと太子信仰
「神仏習合」のあゆみ
本覚思想の定着過程
仏教の世界性と多様性
仏教研究の発展とその危機
「共生」の基本問題
共生の場の捉え方
縁成の理念
共生から共成へ
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仏教教説の歴史的な解説は、結構難解。
ただ、仏教創成期の流れ、日本仏教の歴史を知るうえではとても参考になります。
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図書館で借りたが読み進められずあとがきのみ。
本書は放送大学テキスト「仏教の思想」(2005年)を元にしている。そのため15章構成となっている。原著と対照していないが、補筆すると共にふりがなを多めに付けた、とのこと。「『座右の書』の一冊に、ぜひ加えていただきたいとの願い」があるとのこと。
ザザっと読んだだけだが、購入に値する本と思われる。いずれ入手したい。
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少し難しかった。
でも、客観的な記述で、偏っていない点がテキストとして優れていると思う。何回か読まないと内容が良く理解できないと思う。また読もう。
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仏教の歴史的展開を新書一冊にまとめて解説している本です。
釈尊による仏教の創唱から、大乗仏教の誕生、密教とチベット仏教の形成、スリランカや東南アジアなどにひろがっていった部派仏教の展開を概観し、さらに中国、朝鮮半島、日本における仏教の受容とそれぞれの特質が説明されています。さらに最終章では、「共生」というテーマを中心に、現代において仏教思想がもつ意義についての著者自身の考えが示されています。
「あとがき」には、著者の放送大学の講義テキストである『仏教の思想』(2005年、放送大学教育振興会)をもとに加筆をおこなったとあり、比較的すくない紙幅に多くの項目を盛り込んだ教科書的な叙述に感じられます。けっして通説をまとめたものではなく、著者自身の仏教思想史の見かたが随所に反映されているようですが、それぞれの論点について踏み込んだ説明はなされていないようにも思えます。
それでも、初学者にとっても、仏教思想史についてある程度学んだことのある読者にとっても得るものがある内容となっているのではないでしょうか。
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仏教の歴史と広がりが概説されておりわかりやすい。仏教と一口にいってもさまざまであることがよくわかる。例えば空海が広めた密教の経典は釈迦の教えではなく大日如来の教説との事など、あまり一般には広く知られていないのではと思う。
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世界三大宗教の1つに数えられる仏教。その成立から、宗派への分裂、アジア諸国への広がり、そして近現代の状況に至るまで、仏教の全貌をわかりやすく解説する書籍。
仏教は、約2500年前の北インドで、ゴータマ・シッダッタが開いた教えである。彼は29歳で出家し、35歳の時に悟りを開く。以後、人々にブッダと呼ばれた彼は、説法の旅を始める。
ゴータマの死後、弟子たちは、教団の統合を維持するため「結集」と呼ばれる集会をもつ。だが、一部が独自のグループを結成し、仏教教団は二分された。これを「根本分裂」という。
紀元前1世紀頃、「大乗仏教運動」が起こる。その最初期では、「布施」(執着心を離れて財物を与えること)をはじめ6つの波羅蜜(究極的実践)の実践が掲げられたと思われる。
現代の仏教は、ゴータマ以来の伝統を大切にする保守派の「テーラヴァーダ系」と、「大乗系」の2種類に大別できる。
仏教は中国、さらに東アジアへと広まった。中国へ伝来した仏教は、中国の思想・文化と衝突し変容して「中国仏教」となり、東アジアでは独自の「東アジア仏教」が現れる。
日本で本格的な仏教の学習・研究が開始されたのは、聖徳太子の時代である。その後、着実に社会に浸透した仏教は、平安末期の社会の変化に対応し、「鎌倉新仏教」が出現する。
仏教は、安土桃山時代以後、政治権力の統制下に置かれる。そして、慶応4年(1868)には神仏分離令が出され、廃仏運動が起こる。これに危機を感じた仏教界は、改革に取り組む。
現在、タイや韓国などの仏教国に多くの宗派はない。一方、日本の仏教界は、多数の諸宗派に分かれて活動している。