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それぞれの生き物にとってはそれがフツーなのですが。
2022/06/19 21:34
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の長年の研究をわかりやすい形でまとめた、というところ。
導入は基本の生物学。それに少々回顧録的な部分と、著者の研究。
内容は多岐にわたっていて丁寧だが浅く、広くに終わっている感じ。
タイトル程には「すごい」というより「それぞれにとってはフツーなんだよね」と思いました。
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なぜエビは跳びはね、カニは横歩きするのか。何百キロも渡りをするエビ、プラズマを発生させて獲物を倒すカニなど、驚きの生態を紹介
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第1章 エビ・カニとはどのような生き物なのか?
1 分類と進化
エビ・カニの祖先と進化
エビ・カニとヤドカリ・シャコはどう違うのか
大陸移動の証しとなるエビたち
日本列島のなりたちの証しとなるカニたち
2 体の構造
体の外部構造
体の内部構造
横歩きし、ハサミを開閉し、歩脚を曲げ伸ばしするしくみ
歩脚の自切と再生のしくみ
跳ねるエビと横走りの力ニの体の構造と筋肉の違い
3 脱皮
成長に欠かせない脱皮のしくみ
外骨格の構造
脱皮を制御するホルモン
脱皮に及ぼすさまざまな要因
第2章 エビ・カニの五感と生殖
1 視覚・嗅覚・味覚・痛覚・聴覚
視覚
匂いと味に対する感覚
エビ・カニは痛みを感じるのか
聴覚と平衡感覚
2 血液と栄養
血液の機能
浸透圧調整システム
摂餌と消化
性成熟に必要な栄捉索
3 生術のしくみ
種を維持するために必要な生殖のしくみ
卵の数と大きさ
性フェロモンの慟き
第3章 さまざまなエビたちの生態と不思議な行動
日本を代表する美しいクルマエビの生態
磯の王者の風格を持つイセエビの生態
駿河湾の深海に棲む海の宝石サクラエビの生態
魚と了解し合って体を掃除する「海の掃除屋」クリーナーシュリンプ
越冬と産卵のために片道800kmの距離を泳いで渡りをするコウライエビ
コウライエビはなぜ渡りをするのか
縦一列の数珠繋ぎで渡りをするフロリダロブスター
渡りをするためのフロリダロブスターの能力とは
テッポウエビは閃光を放つ強い音圧の衝隈波を使って獲物を狩る
毒針を持つファイヤーワームからイソギンチャクを守るテッボウエビ
テッポウエビがパチンと鳴らすスナップ音はサンゴの幼生を呼び寄せる
酸性化する海水とテッボウエビ成長の途中で性を換えるホッコクアカエビ
性を換える特別なメリットとは
暗黒の深海で微かな光を察知する光受容器官を発達させた新種の小エビ
第4章 さまざまなカニたちの生態と不思議な行動
日本浦の冬の味党を代表するズワイガニの生態
ズワイガニの雄は雌を挟んで確保する
夏の夜の面を遊泳するガザミの生態
川と海を往来するモクズガニの生態
渓流で終生暮らすサワガニの生態
イソギンチャクのクローンを複製して身を守るキンチャクガニ
イソギンチャクをめぐる死闘
第5章 エビ・カニの外骨格の秘密
1 長い脚で爪先立って歩く本当の理山
先端が尖った脚を使って爪先立って歩くエビ・カニ
エビ・カニの殻は、悔水にいる細歯によって分解されやすい
エビは腹部の下側面に構造的な弱点を持っている
カニは頭胸部の服側面を覆う外骨格が薄くそれほど硬くない弱点を持っている
長い脚を持ち、爪先立って歩く本当の理由
2 ダイナミックな物質の動きを見せる外骨格
強靭性と柔軟性を併せ持つ外骨格
浮力のある水底を歩行するために石灰化して、外骨格の比重を海水の比重よりも大きくする
沈沿するカルンウムは常に出入りしダイナミックな動きをしている
外骨格は飢餓に備えての栄放物質の貯蔵と供給も兼ね備えている
3 月夜の蟹のミステリー
「月夜の蟹」の言い伝えは、今に残されたミステリー
月夜の蟹の言い伝えの襄偽を検証した二人の研究者
古代のカニ漁はどのように行われたの
古代では、満月にカニ漁をすると身入りの少ないカニを捕獲することになる
第6章 エビ研究の最前線から―交尾と生殖の解明
1 クリスマスイブの贈り物
ハワイにある海洋研究所での新たな研究のはじまり
誰も見たことがないホワイトシュリンプの交尾
クリスマスイプの日にはじめて観察
陽気な飼育スタッフが交尾を抑制していた
2 クルマエビの卵黄タンパク質はどこで合成されるのか
卵黄タンパク質はどこで合成されているのか
卵黄タンパク質合成器官の解明に必要なもの
卵巣がビテロジェニンを合成していることを確認
卵黄タンパク質を合成する細胞と刺激するホルモン
第7章 赤い色を隠すエビ・カニたち
目立つ赤い色は危険な色である
赤い光が散乱する40m以浅の海
体色を変えるクルマエビ
タンパク質との結合によってアスクキサンチンの赤い色を隠す
茄でると赤くなるのはなぜか
アスタキサンチンの体内での役割を調べる
体色の発現にだけでなく、免疫ンステムの活性化にも働くアスタキサンチン
ヒトと異なる免疫システム
エビは「夏バテ」していたのか
摂取した自然の餌にはカロテノイドが含まれている
第8章 私が愛したエビ・カニたち
1 不思議なしぐさをするモクズガニ
大型水槽を使ったモクズガニの飼育
隠れているカニを追い出そうとする稚ガ
争わずすぐに逃げる稚ガニ
折檻される小ガニ
ハサミを失うとひたすら逃げる
遊びが大好きなモクズガニ
水草を根こそぎ切ったのは怒ったすえの腹いせか
感情を持つカニ
2 死んだふりをするクルマエビ
死んだふりをするエビがなぜ発見されなかったのか
体を横に倒してくの字に曲げるしぐさは死んだふり
死んだふりは太古のなごりか
第9章 エビ・カニの肉質の特徴と食文化
エビ肉のプリプリの食感と線維を感じるカニ肉の特徴
エビ・カニの甘みの成分
エビ・カニには健康に大切な機能成分が多く含まれている
エビ・カニアレルギーの特徴と要因
新鮮で美味しく身の詰まったエビ・カニの簡単な見分け方
日本の食文化の歴史
江戸前のエビ・カニたち
エビ・カニ食文化のさらなる発展と普及
日本各地のエビ・カニの食文化
世界の食文化
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エビカニ愛がさく裂してる。駄々洩れである。飼ったら情が移る話は最後だけれど、一つ一つ(失礼ながら)どうでもよさそうなところをきっちり詰めていく感じとか、微妙に甲殻類的な人格を感じる。長く研究している人って、何となく対象に近い感じがしてくる人が多い気がする。
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いやあ、面白いわ。こう言うのを読むと、つくづく生物のグランドデザインを司る存在があるのでは?と愚想(妄想)してしまう。特に、第1触角の基部に「エビ・カニが自身でハサミを使って挿入した数個の砂粒が置かれている」くだり等を読むと、尚更。