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「犯人役を演じてもらいたい」と、メガロドンソフトの椋田千景(39)から依頼を受け、ゲームディレクターの十文字海斗(37)の協力のもと、VRミステリゲームのイベント監修を請け負った加茂冬馬。
会場であるメガロドン荘に集ったのは8名の『素人探偵』。コメンテーターの六本木至道(74)、探偵事務所所長の不破紳一朗(56)、元犯罪者で自称万屋の未知千明(37)、市民病院の事務員の東(アズマ)柚葉(35)、高校二年生の乾山(ケンザン)涼平(17)、自称放浪者の棟方希(ノゾミ)(25)。そしてミステリ作家青葉遊奇こと竜泉佑樹。
しかしイベントは、探偵とその人質の命を懸けた殺戮ゲームへと変貌を遂げる。生き延びるには、VR空間と現実世界の両方で起きる殺人事件を解き明かすしかない。失敗すれば待つのは死。
VR空間での「犯行」と、現実世界の犯罪の二本立てでややこしい。設定を飲みこむのに時間がかかってしまった。物理トリックは相変わらず「そうなんだ~」ですます不甲斐ない読者。
動機があまりにも八つ当たりの逆恨みで、成功した、いい年した大人がやることかと思ってしまう。特に、ある素人探偵殺害の話は、何がしたいのかと。それでタガが外れたところもあるのだろうが、ほんとに何がしたかったのか。被害者側がけっこうまともなので、犯人側の狂気が目立つ。
マイスター・ホラがいる理由は、今後につながるのだろうな。興味深い。
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VRと現実を行ったり来たり! 最新の推理VRで生死を賭ける理不尽ゲームが面白いっ #名探偵に甘美なる死を
過去に様々な事件解決に携わった素人の探偵と称した者たちが、クローズドな孤島で新作VRゲームに挑む。VRでは犯人役と探偵役がゲームを行う予定であったが、参加者たちは人質を取られてしまい、強制的な殺人ゲームに巻き込まれてしまう。特殊設定ミステリー、竜泉家の一族シリーズの第三弾。
この作品は難しいっ でもそこが面白い!
VRとリアルで次々発生する事件、練りに練った組み立てが凄すぎて、ザ・本格特殊設定ミステリーといった感じです。読了後はがっつりミステリーを読みました感で満足度は100点です!
トリックもVRならでは大仕掛けがいっぱいで、さすがにここまでの突飛な発想は浮かびませんよ。すごすぎる!
ただアンフェアとは思わないけど、ギリギリだなぁーという気はした。これ以上は本格としては楽しめなくなりそうでバランスが難しいですね。また犯行現場の描写よりもルールや状況説明が複雑で、設定理解するのに苦慮するところが少し残念でした。
しかし本シリーズは、本格ミステリーと特殊設定によって、本気で読者を楽しませようとしてくれる「魂」を感じます。
注目の作家だと思うので、ミステリー好きは絶対読んでおくべき作品だと思いました。今後も期待いたします!
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"加茂は倉庫にあったロープを掴むと、彼女の首に巻きつけて締め上げる。ぐぎりと鈍く潰れるような音がし、犠牲者の身体に短い痙攣が走った。
どのくらいそうしていただろう、耳元で囁く声がした。
『また犠牲者が一人』
(p.11)"
本書は、autumn522akiさんのレビューで知りました。ありがとうございます。
VRミステリーゲームの試遊会のため、孤島に集められた8人の素人探偵たち。彼らは家族を人質にとられ、命を懸けた「ゲーム」に参加せざるを得なくなってしまう。「ゲーム」から解放されるには、VR空間と現実世界の両方で起きる殺人事件の謎を解き明かすしかない。果たして彼らは、タイムリミットまでに真相に辿り着けるのか・・・?
本書の特徴は、何といっても「VR技術」をモチーフにしていることだろう。命を懸けた二重の推理ゲームという設定を実現させるための小道具に留まらず、VRの本質(つまり、仮想世界は現実と「重なる」部分もあるが、人の手で「書き換えられる」)を十全に活かす尖ったトリックには一読の価値がある。著者の前2作で見られた古式ゆかしき「読者への挑戦状」は本作でも健在なので、本書をこれから読もうという腕自慢の「素人探偵」の方々は想像力を働かせて挑戦してみてはいかがだろうか?・・・ちなみに、僕は30分考えて敢え無くギブアップした(笑)
仕方がないとはいえ、作中での推理ゲーム(と読者に対する犯人当て)をフェアに成立させるためルールの説明パートがやや重く、理解するのに少々苦労した。また、登場人物の心理面に些か納得できないところがある。ムチャクチャな犯行動機に突っ込まれるのは作者も承知の上だろうからその判断を尊重するとして、不破が犯人の誘いに敢えて乗ったのは解せない。別の、より自然な持って行き方はなかったのだろうか。
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VRゲームと現実世界。複雑で少し難解だったけど面白かった。
読みはじめてからシリーズものだと気付いたので順番通りに読んでいたらもっと楽しめたかも。
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シリーズ三作目。クローズドサークルで館というだけでワクワクするのに、そこでVRと現実での殺人がクロスで起こる。間に挟まる二枚の挑戦状。二枚の見取り図にあることを見つけてニヤリとしながらもそれで何かわかるはずもなく、また会話文の一つ一つがすべて伏線だと気付きながらも繋がりが予測できず次々ページをめくる。引っかかっていたピースそれぞれがどれだけ重要だったのかわかるたび息をのむ。全く隙のない伏線と回収が、好きすぎて泣きそう。そうだった、これぞ本格の醍醐味。こういう読書だけしていたい。現実に戻りたくない。
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ゲームをしないのでVRの想像が追いつかないが、探偵役も犯人役も両方割り振られて大忙しの中、世界規模の殺人まで救うという盛り沢山な内容だった。
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竜泉家シリーズ3
『新作の試遊会』と銘打ち、ゲーム会社の所有する孤島の保養施設に招かれた竜泉祐樹、加茂冬馬ら探偵達
実は開発者の私怨で仕掛けられた『本物のデスゲーム』だった…!
交錯するVR空間と現実世界で、探偵の巧妙なトリックを看破することが出来るのか?!
クローズドサークル本格ミステリー
かなりじっくり取り組みましたが、薄っぺらい知識ではやっぱり全然解らない〜笑
『特殊設定』というトンデモ空間を生み出すこのシリーズお気に入りです
続きもありそうですね
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竜泉家シリーズ3作目。
新作VRゲームのイベントで集められた8人の素人探偵達。
穏やかな始まりから一転、館に到着した探偵達は仮想と現実で交互に起こる殺戮ゲームの謎を解く羽目に……。
1作目の主人公である加茂大活躍で楽しい。ラストがまた良き。→
1.2作目を読んでいるとニヤリとできる箇所がちらほらあるけど、ここから読んでも楽しめそう。
今作は本格館ミステリーやし、クローズドサークル好きさんにはたまらんのではないかと。
てか、このシリーズはラストがほっこりするからいい。終わり方が優しい。
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特殊設定ミステリー
竜泉家シリーズ三作目
過去二作の主人公が登場し、素人探偵を集めたデスゲームに巻き込まれる。
監禁された館&VRの館という二重に構造が物語の構造にもつながり
全てが見えてきた時に三作目まで読んで良かったと思えた。
加茂さんが頑張ってる中ユウキくんが
積極的に推理する気なさげ
なのが不穏で良かったです。
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何とか今月に読了です。シリーズで1番読みたかった作品です。
とてもとても面白かったです!50ページ過ぎたあたり…クローズドサークルが出来上がった辺りからもう面白くて面白くて、ページをめくる手が全然止まりませんでした。設定もやや難しかったですが、何故か理解出来たのと読みやすい文体で、前の2作より読みやすかったです。
設定は理解出来ても犯人は一切わからなかったので、第三者立場で読みました。推理を完全放棄してても面白かった…。
個人的に気になっていた1作目に出てくるある方のその後が知れて、テンションがかなり上がりました。『時空旅行者の砂時計』とか『孤島の来訪者』に出てきた方のその後が見れて楽しかったです。
次回作ありそうなのでソワソワ...ヽ( ´_つ`)ノ
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2022/06/19 読了。
図書館から。
竜泉シリーズ3巻目。加茂さんと佑樹君が揃っている―。
お互いになにがあったか、それとなくは知ってるけど、
仲良くはないってとこがいい関係性ですね。
それでいて、いざとなったらノンタイムで同じ方向に動けるっていう。
また考えつかないような殺人事件と反証と・・・
正直犯人が気になって読み進めた感じで、トリックがちゃんと消化できてない気もする。
続けるにしたら今度は何が来るんだろう…。
もっとホラさんに会いたいねー。
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ただただ複雑。一応最後まで目は通したが思考はギブアップ。VRゲームでの殺人事件とリンクする現実での殺人事件。2つの世界の真の仕掛け人は誰だ?.....VRにはまったく興味がなく、今でもスーパーファミコンをエンジョイプレイしている私。とにかくこのバーチャルゲームの後出し設定がエグすぎてついていけず。特に「何でもあり」なVR設定なのにこちらの推理にロジカルさを求められるギャップが苦しかった。シリーズものとは知らずいきなり挑戦したのは無謀だったかも。
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最先端のVR機器を使用した殺戮劇。
ゲーム空間らしいなんでもアリ感の中でも見劣りしない大技もキメて、贅沢にアイデアてんこ盛り。
方丈さんのトリックメイカーな一面が見れた。
ゲームらしい探偵×犯人の攻防も僕の好きな本格ミステリの毛色で。
Among UsのVR不可能犯罪縛り版だ!
スリルを感じづらい設定だったと思うけど、終盤のスケールアップの部分なんかはそれまでの描写がコミカルなほど効き目があったのかも知れない。
このシリーズには探偵役が2人いるのも良いなあ。
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「時空旅行者の砂時計」、「孤島の来訪者」に続く、<竜泉家の一族>シリーズの第3弾。今回もクローズドサークルの館もの。前二作で探偵役の加茂冬馬と竜泉佑樹が登場する。それからあの方(?)も。
ゲーム会社から「犯人役を演じてもらいたい」と依頼を受けて、VRミステリーゲームのイベント監修を依頼された加茂冬馬。そして会場である保養所に集った8名の素人探偵。そこにはミステリ作家となった竜泉佑樹も参加していた。しかし、なんとそのイベントは、探偵役と人質になったその家族や恋人の命がかかったデスゲームとなってしまう。そしてVR空間と現実世界の両方で殺人事件が起きる。この謎を解き明かさなくてならない。
前二作と比べると、VR空間と現実空間という二重の設定となっており、読者にとっては複雑で、わかりにくい。しかし、ここが謎を解くカギとなっているのでしょうがない。あとVRゲームのガジェット(バイザー、グローブ等)についても説明不足と感じた。なじみのない人にはわかりにくいだろう。文庫化される機会があれば、修正してしてほしい。
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シリーズ3作目なので、前の2つを読んでいると人物と過去の話題については理解しやすいが、今回の事件とは別物なので読んでいなくても大丈夫。VR空間と現実世界の両方で起こる事件。この特殊設定ならではのものと言えるトリック。個人的にVRに詳しくないが、今のVRの技術よりもさらに進んだ未来のVRのような機能を感じるので、そこがよりわかりにくいのかもしれない。そうは言っても、数ある可能性を一つずつつぶしながら真相に近づいていく過程に引き込まれてしまう。