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序章 社会的インフラが命を救う
ばらばらになる社会
道徳的な警告は役に立たない
人々の行動を変えるインフラ
今すぐ取り組むべき課題
第1章 図書館という宮殿
経営難にあえぐ地域社会の要
子育ての孤独を癒やす
さらば、ひとりぼっちのボウリング
託児所から生まれる助けあい
若者も物理的な場を求めている
民主主義の実験場所
スワードパーク図書館の魅力
カーネギーが建てた「人々のための宮殿」
第2章 犯罪を減らすインフラ
割れ窓の前に空き家があった
空き地を整備すると犯罪が減る
警察活動よりも大きな予防効果
高級住宅街化のプラスとマイナス
刑務所よりも緑が必要な理由
第3章 学びを促すデザイン
マンモス校分割で進学率が上昇
異種交流を促すキャンパス
フラタニティーという分断的インフラ
大学と地域社会の緊張関係
オンライン大学の大きな課題
人生の基礎をつくる図書館157
第4章 健康なコミュニティ
都会の真ん中にある食の砂漠
緑地の驚くべき健康増進効果
高齢者を外出させるしくみ
子どもが公園で学ぶ民主主義
拡大する環境格差
第5章 違いを忘れられる場所
「裸のつきあい」が生む絆
黒人理髪店の養う絆
立ち上がる町内会
運動場で見つける生涯の友
インターネットがもたらす出会い
第6章 次の嵐が来る前に
大型ハリケーンはもっと増える
被災時に活躍する水平的な組織
気候変動に適応するインフラ
ロウワーマンハッタン復興の試み
壁を立てても水の浸入は防げない
広がる車を使わない街づくり
終章 宮殿を守る
自分勝手なテクノロジー企業
リアルに集まれる場所としての図書館
もう先延ばしにはできない
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オープンで災害に強い民主主義国家の未来は、文化的側面だけではなく、社会的インフラ、つまり私たちの交流の形や暮らしの質を左右する物理的な場によって決まると主張した図書。社会的インフラとは主に、図書館、公園、学校、運動場などの物理的な場で各章で事例が紹介されている。物理的なインフラがないと、人は孤立し、災害時の助け合いやお互いの生活をよりよくするような地域づくりが行えなくなる。特に物理的な集まる場がないと犯罪が起こりやすいというのも興味深かった。また図書館がコミュニティの場として非常に期待されていることを知った。やはり今後の社会においては「集まる場所が必要だ」。
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社会における、コミュニティーというものの大切さ。
…それをわかっている人は多いと思う。けど、この本は、コミュニティーを作るのは概念的なものではなく、「物理的に」作ることが大事だと言っている。
わたし個人的にも、人が集まる場所、第3の居場所、コミュニティー、というものをつくりたいと考えていたことがあるけど、建物の形や置くもの(またはなくさなければいけないもの)、雰囲気づくりなどをこんなに具体的に、問題の改善にダイレクトに繋がる対策が、まさかこんなに物理的なものだとは思ってもなかった。
それと、図書館好きな者として、図書館の重要性を感じられたのは、なんだか嬉しかった。図書館は、万人にとってスーパーみたいに生活に欠かせないわけではないかもしれないし、病院みたいに必要不可欠な場所ではないかもしれない。でも、やっぱり、図書館はわたしにとってももちろんだし、社会にとってもなくてはならないものだと思う。むしろ、そういう文化的な場所があるからこそ、ひととして楽しく生きられるのだと感じるし、健康的に過ごしていけるのだろうな。
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5月27日新着図書
【1995年に起こったシカゴの熱波で生死をわけたのは、社会的インフラの違いが影響したと著者。現代社会では図書館や公園、遊び場、学校など集団生活を条件づける社会的インフラが正当な評価を受けていないことを主張し、重要な役割をもっていると説く。公衆衛生や気候変動など現代の課題と社会的インフラの関係を示す。】
タイトル : 集まる場所が必要だ : 孤立を防ぎ、暮らしを守る「開かれた場」の社会学
請求記号 361.7 : Kl
https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28198979
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人と繋がることよってもたらされる様々な利点と、それを可能にする社会的インフラとはどのようなものなのか書かれた本
時には図書館、時には地域の農園、時には医療施設
ただ、そこで人の繋がりが生まれるために必要な具体的な活動や形についてはまだここから明らかにしていくところといった感じかな。
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主張はわりと明快で、コミュニケーションがコミュニティをレ理事遠渡にするから、仕掛けとして集まる場所を整備せよ、図書館とかちょっとした溜まりとか。こすとてきにみあいますよ。だそうで。なんだけど。なんか続かなくてつまみ読みになってしまった。文章との相性なんだろうか。たまに起きる。こちら側の問題か。
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インフラには物理的(橋や道路、電力、通信など)と社会的(図書館、学校、公園など)に分けられ、本書では後者の、人々の交流を生む場である『社会的インフラ』の重要性について論じられている。
社会的インフラが衰えると、人々が公共の場で過ごさなくなり、自宅に籠る時間が増え、社会的ネットワークが弱くなる。犯罪が増える。高齢者や病人の孤立。若者の違法薬物使用。社会に対する不信感、などにつながるとのこと。
これは社会的インフラにあたるのかな?と身の回りで、置き換えて考えてみると面白い。生身の人間関係は億劫だと感じていたけど、無意識のうちに癒されたり、人との会話が心の健康に繋がっている感もある。
興味深い点
●図書館がいかに可能性に満ちている場所か
●植物(緑)や景観が犯罪を抑止する効果があるという様々な研究結果
●歴史的な人種問題の影響、映画バーバーショップの話(P225)
●人間関係の構築には基本的には、物理的空間における繰り返しの関わりが必須だが、使い方によってはインターネットはマイノリティ同士の結束や、本来なら分断されるかもしれない人同士の架け橋になる側面もある(P243)
●子どもが公園で学ぶ民主主義(P195)
社会的インフラの例
・図書館、学校、公園、教会、地下鉄
・学校、託児所の送り迎えの保護者やりとり
・ビアガーデン(ドイツ)、カフェ(フランス)、居酒屋、カラオケバー(日本)、温泉(アイスランド)
・サッカーの少年クラブなど家族ぐるみ
・様々な市民活動のコミュニティ
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孤立を防ぎ、暮らしを守る「開かれた場」の社会学
Palaces for the People: How To Build a More Equal and United Society
http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2307
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日本は遅れていると感じる社会的インフラの整備。
社会的孤独は言葉では表しにく、数値にしにくいために、論じにくい。作者は非常事態や極度の貧困層がターゲットであるが、うまく言葉にして述べている点で、この本は素晴らしいと思う。
日本ではどのような社会的インフラの整備が進められるべきか。考えるきっかけになった。
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集まる場所を求めてるからこの本を読みました。
最初に取り扱ってる研究が地域比較研究で、調査方法も結果もきっぱりしていてよかった。
孤立と災害のときの生存率とか精神的/身体的な健康とか犯罪率とかと比べられることは多くて、人と会うことが大事っていう結論にだいたいなるけど、この本は誰もが孤立せず集まるために必要な地域の施設(=社会的インフラ)が大事って言ってる。
図書館とか公園とか河川敷とか、私も社会的インフラの恩恵を受けてるなって思いました。
自分でも何かそういう場所を作ったり運営したりできないかな。
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タイトルと装丁に惹かれて購入。
取り上げた事例は多いけど、ただ羅列しただけの印象。中身にもう少し深みが欲しかった。
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必然的に未来の伸びしろが大きい子どもたちに対して、本書で提言されている社会インフラの拡大と利活用の広まりはやはり重要だと感じた。
図書館に関する話題については自分も大半はAgreeなのだが、時代の移ろいと共に既存の形で非常に厳しいのではないだろうかと強く感じた。
だからこそ…とも思うが、とにかく新しいイノベーションでそうしたところも新時代的なものになって、重要な社会インフラの復権となると意義は大きいと思う。
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以前から漠然と感じていた「貧困地区は一律リスクあるのか?」という疑問が、スッキリ解決しました。コミュニティを作るための環境を作るのは大事。自分も何らかお役に立ちたい。。