投稿元:
レビューを見る
無気力に生きている時に突如として現れた少女・ナナミ。
難病でもうすぐ死ぬから、恋人ごっこしない?
初対面での突然の告白に戸惑う樹。いつしか、会う回数が増えていくうちにナナミのことを意識するようになった。
しかし、樹はある事実を知るようになった。ナナミの難病は嘘で、樹の方が難病だった。それは、ある事故の影響で、記憶できる時間が少なくなっていくというものだった。
突然現れた見知らぬ少女から、恋人ごっこするという変な展開から始まりますが、その後二転三転する展開に驚きや哀しみ、初々しさなどが入り混じってました。
始めは、モノクロのような世界にいるかのような心を持った主人公が、段々とカラーになっていくかのようにナナミと出会ったことで、変わっていく姿に羨ましいと思いましたし、良かったねとも思いました。
そういった状態でのナナミの嘘にガクンと落ちる樹。こちらまで、裏切られた気持ちになりました。
ただ、徐々にわかってくる樹の過去と症状。これで終わりかと思いきや、さらに上を行く衝撃の事実に、もうかわいそうで見ていられませんでした。とにかく切なかったです。
二人それぞれが抱える、ある出来事による贖罪。徐々に衰えていく樹。そして・・。樹とナナミの心理描写に胸アツでした。
もう一つ印象的だったのが、本の表紙に映るネモフィラです。物語では、茨城県のひたちなか海浜公園にあるネモフィラ畑が登場します。個人的に行ったことがあるのですが、水玉模様の青の絨毯を敷いているかのように、壮大で素晴らしかったです。動画サイトでも見れるので、気になった方は調べてみてください。今のご時世、終息したら、再度行ってみたいと思います。
ネモフィラが物語の後半で、重要な役割を果たしています。半ば強引な展開なのですが、二人がどうなっていくのか?
良い展開に、頑張っていただきたいです。