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本書では世界経済を取り巻く3つの目がトレンド「人口構造の変化」、「地球温暖化対策によるグリーン化」、「テクノロジーの進歩」を膨大なデータをもとに説明し、これらの潮流に後れを見せている日本に対し、「再生への提言」を述べています。
率直な感想として、惜しい書だと思いました。
前段のメガトレンドをデータをもとに語る章は濃密です。日本のデータだけではなく、世界のデータと比較をして日本を見つめる構成もとっていることからかなりの情報量があります。
しかしそこから「日本再生への提言」に至る過程で徐々に論理が不明瞭になり、提言内容自体も「え?たったそれだけ?」という感がぬぐえません。
典型的な「前半に飛ばしすぎて後半にガス欠」タイプの内容構成のように感じました。
前段では上記メガトレンドの影響を多岐の分野にわたってデータを交えて解説するものの、後段の提言においてはなぜか「労働」に絞って議論が進められます。
議論を「労働」に絞った理由も当然語られますが、前段がこれをターゲットに議論されていたわけではないだけに違和感がぬぐえません。
そしてさらに話はチープとなり、日本経済再生のためには労働流動性(まあこれはわからんでもありませんが)、個人のスキルアップ、ジェンダーフリーや外国人労働者受入態勢整備が必要、とフタを開ければ巷でよく聞くリベラルな論理が展開され、かなり残念な状態。これらとメガトレンドの関係性も不明瞭であるように感じました。
個人的な感想を言えば、出始めから香る「日本は世界に比べたらこんなに遅れている!」というありきたりな論理にモヤモヤしますし、データの用い方が恣意的であったり、結論ありきと感じる箇所も散見されます。
前段のデータについては参考になる点は多いものの、全体としては平凡であるし論理展開は(前段と後段のギャップが際立っているという意味で)むしろまずさが目立つように感じました。
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<目次>
はじめに
第1章 世界経済を取り巻く3つのメガトレンド
第2章 メガトレンドが影響を及ぼす7つの分野(前半)
第3章 メガトレンドが影響を及ぼす7つの分野(後半)
第4章 日本再生の鍵を握る「労働の未来」
第5章 日本経済再生への提言
<内容>
まあ、それなりにわかりやすいが、4,5章は総論的な内容か。こう少し具体的な提言が欲しかった。
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p137 手術用ロボット ダビンチ
川崎重工業とシスメックス hinotori サージカルロボットシステム
p162 代替肉 伊藤ハム まるでお肉!シリーズ 日本ハム ナチュミート お肉を使用しないハムタイプ モスバーガ グリーンバーガー
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基本的に悲観的な未来が書いてある。
そして、こうしていったらよくなるよ!という希望的な意見もほぼない。笑
日本の未来は良くないんだなあ。
借金まみれの経済、介護医療など高齢化、人口、気候変動と肉、公的投資の低い教育、空き家、雇用
留学して、税収をあげて、企業でヘルスケアに取り組んで、農業のテクノロジー化を進める。
「朝、目が覚めたら、世界が自分を見ていることを思い起こし、今日は何をしでかそうかと考えてほしい」p10
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ブクログで他の方が書いているように、確かに知っていることは多いが、データを使ってしっかり整理いただいた印象。自分が関心あるからかもしれないが、特に日本の労働環境についてはとても為になった。皆さんの評価が2点台だったことに少々ビックリ。
※これを書いた時点の話で、あくまで主観です。
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世界経済を取り巻く3つのメガトレンドの変化(①人口構造の変化②地球温暖化対策によるグリーン化③テクノロジーの進化)を日本がいろいろな分野でどう捉え、どうすれば経済再生に結びつけられるかについて解説する。
日本は、世界で最も高齢化が進み、経済や雇用のシステムは旧態依然、労働市場も硬直的なままで課題が山積している。
本書はメガトレンドが影響を及ぼす7つの分野(経済成長、財政、医療・健康、農業・食料、教育、エネルギー、地方・住宅問題)ごとに日本の現状と課題、対処のしかたを論じている。
どちらかというと、現状を憂えるスタンスから書かれており、大風呂敷を広げ大胆な提案をする内容ではない。また、論点は新聞や他の書物で既に述べられているものが多い。一方で、知識の整理や再認識ができる堅実なコンテンツが詰まった本といえる。
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目がトレンドについて、根拠となるデータを他国との比較など周辺の情報とともに示してくださっている。
一般的な本よりも具体的であり、学ぶところが多い。
そのデータの詳細さから故、特に具体的な対策案など提示してくださるにつけて未来を明るく感じられない気持ちになってしまう。
日本においてはプレゼンスを高めること、個人においては日本にとどめず広く学ぶことだなと。
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現在から近い将来に向かう過程で日本が直面する諸問題について実証的に説明を加えている。少子高齢化、DX 高度化、気候変動、財政破綻。また、これらの根本的な問題から引き起こされる食の問題、農業問題、年金問題、地方の過疎化等々課題は山積していく。もう既に色々な局面で話題になっている諸課題。それらの認識の整理にはなったと思う。これらの問題は既に顕在化している。
これらの諸問題に対する、我々でも実践できる処方箋が見たくてこの本を手にしたのだが、ページの大半は課題の分析に費やされて処方箋のページはほとんどなかった。
労働市場の改革、教育の改革、技術革新に対するイニシアチブ等々。もっともなことだと思う。でも、かなり現実の政治の状況からはかけ離れており、自分たちができることは限られている。時間も相当にかかるだろう。難しい問題だ。私が実践できるような明確で実践的な処方箋は見つけることができなかった。
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世界情勢の激変具合をメガトレンドと呼んでいる3つの変化を軸にわかりやすく説明されていて参考になった。
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内容はよくある表層的な話ばかりで、テレビや新聞、財務省が喜ぶ事ばかりが並べられている。とにかく少子高齢化と財政危機と環境問題でいかに日本がダメかという事が並べられている。
データの使い方も自分に都合のいいものだけを取り上げているように感じる。個人的に国の財政を家計に置きかえる詭弁を使う人は信用できないが、筆者は典型的な例。負債ばかりを責め、資産や国債の内訳などにはほとんど触れず、30年間経済が成長していない事に対する考察もうやむや。
どの分野もほとんど批判ばかりで改善策の提示は少ないが、結局1番言いたかったのは消費税増税のようで、しかも30%まで狙ってる。国民負担率の話もしないし、この筆者がメディアに出てたら要注意。
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様々なデータをもとにした日本の未来予測についての本。
どっちかというと日本の未来は暗いのだろうなと思った。
高齢化率とか本当、高い。今でも国民の3.5人に1人が高齢者(65歳以上)と書いてあって、そんなに多いのかと驚いた。街中歩いていてもそんなにいるようには思えないけど、高齢者は外に出づらいのかな。
それにしても、2045年には秋田県では50%が高齢者という推定って…。半分が高齢者だと、どういう街並みになるのだろう…。
借金が多いのもいろいろ意見あるだろうけど、決してよくはない状況なんだろうなと思う。お金を彫ればいいだけとか、国民からの借金なので問題ないとか聞くけど、いずれ返す必要はあるだろうし、お金を彫ったら円安になるだろうし。
日本は人口当たりの病床数がかなり多いというのは初めて知った。コロナ禍で入院できる病院がないと言われていたけど、日本はもしかしてマシなほうだったんだろうか。
まあ、医者自体は不足しているので、ベッドが多くても入院日数まで長くなってしまってるみたいだけど…。
それにしても、ここ20年での農業従事者数の減少がやばい。2020年で136.3万人だそうだけど、2000年は240万人だったので、100万人も減ってるらしい。しかも、そのうちの約7割が高齢者だという…。
農業従事者が少なくても、一人当たりが扱える面積が増えてるなら問題ないような気もするのだけど、どうなんだろう。さすがにこの減り方は大変な状況なんじゃないかと思えてきた。
教育への投資が少ないのも、日本の問題だよなと思う。大学の学費だって、昔と比べて高くなってるようだし。
なお、生産関係における男女の補完関係には、同性2人で仕事をする場合よりも、男女ペアで仕事をしたほうがより多くの付加価値を生み出すとのこと。うちの会社、男ばっかりなのだけど、もっと女性社員がいたら、売上はあがるのだろうか…。本当、去年も今年も新入社員が男だけで、いったいどれだけ女性に選ばれない会社になってるんだよと思ったりする。