紙の本
それぞれのお家への思い
2022/05/03 21:43
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの作品は、こんなお家でうまれたのかとか、こういうお家で大きくなった人が描いたのかとか、いろいろ思いながら一気に読みました。
電子書籍
漫画家
2022/03/13 16:56
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタばれあり。
家の履歴書の少女漫画家の回ばかりを集めたもの。
池野恋さんがずーっと実家暮らしなの衝撃w
有吉京子さんの2千坪の敷地の家ってのもすごい。
100坪4LDKで机二つ置いたらパンパンってどんな間取りなんだろう。
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【あの傑作は、こんな「家」から生まれた! 少女漫画家12人が明かす、家族・仲間との忘れえぬ日々】豪華12人の少女漫画家が、家族や仲間たちと過ごした親密な空間。私たちを惹きつけてやまない、あの傑作の舞台裏が今明かされる!
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「週刊文春」の人気連載「新・家の履歴書」から主に70年代から80年代に活躍した少女漫画家の登場回をまとめた本。
取り上げられてる作家は水野英子からいくえみ綾まで幅広いがいずれもいずれも誰もがその名を一度は聞いたことがあるだろう大御所揃い。流石文春といったところか。
内容は「家」をテーマに自分の過去を振り返るというもの。庄司陽子、「生徒諸君」でめちゃくちゃ儲けてたんだなとかいろいろ興味深いが、池野恋が岩手県花巻の生家で未だに暮らしてるというのに吃驚。生まれた時から孫のいる現在までずっと同じ家に暮らしているとのこと。
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これは面白い。登場する12人の作家のうち、昭和20年代生まれの女性作家が大半で、エネルギッシュな方々が多い。
家の話といいつつ、キャリア論としても大変面白い作品でした。
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星3.5。
すごく面白いテーマだなぁと思いながら手を伸ばし、あっという間に読み終わった。
一言で言えば、漫画家の履歴書。
キレイにまとまりすぎている気がする。
もっと深く、長くツッコんで読みたかった。
よく知っている方もいれば、お名前だけの方もいるが皆さんマンガへの想いが深く熱い人々だった。
仕事にやる気がどうしても出ない時や、
何が読みたい漫画を探したい時に参考にしようと思う。
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暮らした、過ごした、選んだ「家」から語られる、
少女漫画家たちの生い立ちや家族、仲間、仕事の履歴書。
水野英子 青池保子 一条ゆかり 美内すずえ
庄司陽子 山岸涼子 木原敏江 有吉京子
くらもちふさこ 魔夜峰央 池野恋 いくえみ綾
その「家」での暮らしや家族は、どのように少女漫画家たちに
影響を与え、その仕事へ向かわせていったのか。
生い立ちも、暮らしも、家族関係も、様々な彼ら。
少女漫画家になるきっかけも様々だけど、
彼らに共通するのはマンガへの想いと熱情。
マンガに親しみ、マンガを描き、苦難があっても虎視眈々と、
この道こそが我が道と、突っ走る姿の潔いこと。
そして「家」の重要なこと、大事なこと。
思い出の間取りと共に語られる「家」は、
家族との関係や思い出が詰まった「家」。
夢を追い求めるきっかけが詰まった「家」。
夢の、理想の「家」の追求や暮らしやすさを求めての
引っ越しの数々。人気漫画家の収入、恐るべし!
山岸涼子の「家」は『ケサラン・パサラン』の元ネタだなぁ。
また、池野恋のように、その地の「家」に留まり、
家族との繋がりを大事にして暮らす、姿もあります。
なによりも皆さん、元気で精力的に活動しているところが、
さすがだなぁ。いや、羨ましい限りです。
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『週刊文春』の連載「新・家の履歴書」
その中から少女漫画家をとり上げた回を
まとめた本です。
トキワ荘に住んでいたこともある
水野英子から始まって
地元で暮らし続ける、いくえみ綾まで。
漫画家さんって、昔は売れると上京して
仕事部屋でアシスタントさんと
飲食共に頑張る!
みたいな感じだと思っていましたが
池野恋がずーっと岩手から出たことないって
はじめて知りました。
締切とか守るタイプじゃないと無理そう…。
それぞれの思い出の家の間取りも楽しかったです。
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水野英子、一条ゆかり、池野恋、美内すずえなど少女漫画黄金期に活躍し、今も名をはす少女漫画家12人の「家」を通して、作品がどのような環境で生まれたか知ることができた。そして妄想した。
すべての方を知っているわけではないのですが、彼女(彼)らの作品に夢中になって少女時代を過ごしたので、お宝のような一冊でした。驚いたのが20代前半で、家やマンションを買ったり別荘を買ったりしていること。そういう時代だったのかな? 特に一条ゆかりさんの話が面白かったです。
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時代的に貧しい幼少期から
ハングリーな気持ちをもって
漫画家を目指し そして成功した大先生も多く
家にかける力も半端ない
豪華に立てたり 別荘をもったり
夢を実現してますね
すべて 各先生方の手によって
お家のスケッチが入るのが嬉しい
往年の名作を読み返したくなること間違いなし
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少女漫画家たちの住んできた家、作品が生み出された背景が聞き書きでまとめられていて、興味深い。子どもの頃から楽しませてもらって、絵も描けてお話もつくれるなんてすごい!と尊敬してきた方々の素顔がのぞけて、ファン冥利につきる。女性が働いて自分で家を建てるってかっこいいなー、という感想も。
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姉に教えてもらって即購入。知らない先生もいるが面白かった。もっと私の知ってる先生たちのものを読みたい
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どれも昔読んだことのある、かつ半分くらいは持っている、時代を作ってきた少女漫画家たちの「家」にまつわる話。時代もあるけどなかなか壮絶だったり、逆にこんな家だったらと思ったり。作風にその人それぞれの履歴、出るよね
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週刊文集の連載「作家の履歴書」のうち、少女漫画の黄金期である、1970年代までにデビューした12名の少女漫画家の記事を編んだもの。1950年代までは少女漫画の多くを男性漫画家が手がけていたらしい。
水野英子。1939年生まれ。「 星のたてごと」。両親は満州で出会って結婚、母は日本へ帰ってきたが父が行方不明になっている。手塚漫画に強い衝撃を受けデビュー。工場勤めと兼業で漫画家に。赤塚不二夫・石ノ森章太郎との合作のためにトキワ荘に入居する。トキワ荘で唯一の女性だった。当時漫画家は男という時代、雑誌で書く女性は長谷川町子さん一人くらいだった。アシスタントを雇えるぐらいの頃、ハマった音楽はジミヘンドリックスやジャニスジョプリン。今でも知られているロックシンガーがこの頃にいたんだと驚く。ロックを舞台にした作品を書くために全米一周というのは時代を考えて考えるとだいぶ行動的だなと思う。取材した結果、人気は出ていたけれども漫画は打ち切られた。その理由が、他の女性漫画家さんたちを誘って漫画に対する著作権の勉強会をやったから。出版社に睨まれた。さらに水野英子はシングルマザーだったというのも時代より進んでいるなと思った。 全体的に先駆者という感じ。
青池保子。「 エロイカより愛をこめて」という題名だけ知っている。異例のスパイコメディらしい。表紙しか見たことなかったのでコメディだとは知らなかった。
実家は土木建設会社。作業場と同じ敷地に住んでいた。938平米メートルの土地。両親と7人兄弟の家族。青池さんは末っ子。厳しいけれども子煩悩な父、親代わりの兄弟という社会で育った。漫画家デビューは15歳。先ほど出てきた水野英子さんに編集者を紹介された。同期には里中満智子さんもいて、人材が豊かな時代だったんだなぁと思う。19歳で上京。25歳で講談社との専属契約を終了。不安は大きかったが、結果的には他社からの依頼が相次ぎ、現在でも50年以上にわたるキャリアが続いている。
一条ゆかり。しょっぱなから一条節が炸裂していた。「私が住む土地は栄えるらしい。 逆に私が捨てた街は寂れるらしい」のだそう。言うことが桁外れてるなあと思う。1949年6人兄弟の末っ子。 実家は造船関係の家でお金持ちだったが、父親が没落させた。一条さん自身は豊かな時代を知らない。良家に育った母親は経済力のない父親に代わり仕事をしていた。一条作品で女性がめちゃめちゃ強いのはここら辺にも理由はあるんじゃないだろうか。一方母は昔気質で兄達に家事をさせなかったそうで、一条作品でマメな男性が多い理由かな。子供ながらに貧乏がとても嫌だったこともバブリーな一条作品に表れれてるなあと思う。 気が強かったから勉強もスポーツも漫画も1番を狙っていた。上京してからも大家さんが気に食わない時や、文句言われた時にはその都度引っ越した。
田舎に63坪の土地を購入して自分の考えた家を建てたり、吉祥寺に洋館立てたり、麻布十番で遊んだり。合間に結婚と離婚をしたり、ニューヨークのコンドミニアム買ったり もう生き方が 漫画の通りだなーと思う。
美内すずえ「ガラスの仮面」。40年以上にわたって連載が続いている。両親は理髪師で大阪府西区に住んでいた。貸本屋がある時代。高校卒業と同時に上京。 9年ぐらい缶詰旅館にほぼはいりっぱなしで仕事をしていた。アシスタントと 合宿みたいなノリで漫画を作っていた。劇中劇を書く際は初めから最後まで全部台本を書いている。連載当初はお芝居について詳しい知識や関心があったわけではなく、主人公北島マヤと一緒に勉強していけばいいやと思っていた。初めのきっかけってそういう軽いノリなんだな 。実際連載してからは趣味と実益を兼ねて舞台によく見に行くことになった。現在は吉祥寺に住んで40年。
庄司陽子「生徒諸君」。両親は満州からの引揚者、四人姉妹の末っ子。父親が定年退職になり 生活自体が苦しくなった。 デビューしてからのエピソードで印象に残ったのは、マンションのローンを返すために、20代前半から編集部と戦い続けて、原稿料を数倍、専属料を数十倍にあげたというところ。他の漫画家のためのためにもやったことだったっぽい。 1977年からの10年間は少女漫画バブルだったので、連載を持った人はみんなコミックスの印税で家が建てられていたそうだ 。だから庄司陽子さんも三十歳で「生徒諸君御殿」と呼ばれる7LDK の一軒家を横浜に建てることができた。この当時は編集者と不倫関係になっていて、23歳から36歳までの一番いい時期をドブに捨てたらしい。
稼ぐ分、出て行く方も桁違いで、他にもヒット作が生まれたが、経理を任せていたアシスタントに8千万円使い込みされた。 母介護では住み込みシッターさんに2年間で700万円払った。
山岸涼子「テレプシコーラ舞姫」 バレエ漫画だけど結構不気味だったなと覚えている。他の代表作としては聖徳太子の知られざる怖さに焦点を当てた「日出づる処の天子」というのがあるらしい。全体的にこの人のエピソードは全部がホラー。初めから鬼門とか凶相とか出ている。建て替えた家はありとあらゆる鬼門を塞いで設計したからか怪奇ものが書けなくなったらしい。小学3年生の時の社宅はボロボロで、入ったとたん母が大病を患い、入院生活を経て亡くなった。父親は母親の死後盛り塩をしていた。家の中でも兄が怪奇現象に見舞われる出来事があった。漫画家としてデビューし上京。同郷では大和和紀がいた。売れっ子になるとアシスタントが8人ぐらい家に来て缶詰になり騒がしくなってしまうため家を建てた。当時の家も不思議なことがいっぱい起こる家で、電気機器が故障したり、何かが通り過ぎるようなこともあったそう。リフォームすると途端に運が良くなった。ほぼ現在まで活躍されているというバイタリティよりも、歴代の家々の不思議な出来事が印象に残った。
くらもちふさこ。「天然コケッコー」に興味持った。読んでみたいなあ。東京生まれ。 自宅は裕福だったみたい。後に日本製紙の初代会長を務める父と開業医の娘の間に生まれる。駒込の社宅で、近所には幼稚園中学高校があって、吹奏楽部の音や子供たちの声が聞こえる場所だった。 自宅では漫画の本がぎっしりで、同じアパートの子供たちが勝手に読みに来るような場所だった。実は妹はくらもちふさこさんより早く13歳でデビューしている。 デビューして売れ出すが、うつ病の症状が出て数年は情緒不安定と自律神経失調症に苦しみながら仕事を続ける。転機となったのが「 天然コ��ッコー」。中高生たちののんびりとした日常の話だったので、くらもちさん自身にもいいリハビリになった。
魔夜峰央「パタリロ」「 翔んで埼玉」。意外にも埼玉の地を踏んだのは26歳。「 空の青と一面に広がるネギ畑の緑が印象的」だった。生まれは新潟県。父親は会社で横領のような罪を被って仕事を辞めた。高校2年の時になぜか漫画家になりたいとひらめいた。その頃好きだったのは、ハリウッドの姪っ子役と呼ばれたシャーリーテンプルがおとぎ話をテレビ仕立てで演じる番組。漫画家としてデビューしてからも仕事がなかなか来ないので気持ちばかりが焦り、描けないならと古本屋や図書館で外国の推理小説やSFなど半年で800冊は読んだ。やはり苦しい時には読書などで勉強するのがいいんだろう。後々の財産になるんだと思う。 仕事が軌道に乗り始め、上京する際、編集者から便利なところだからと勧められたのが埼玉県の所沢。なぜ便利なのかと言うと編集長と編集部長が近所で原稿を回収するのに便利だから。結婚後、冬の時代と呼ぶ収入的に厳しい時期が11年から始まった。しかし2015年、「 月曜から夜ふかし」という番組で埼玉の諸問題をおもしろおかしくレポートするコーナーで取り上げられ、漫画が再び注目された。
池野恋。「ときめきトゥナイト」生まれた時から住んでいる土地で今も暮らしている。岩手県。一人っ子。実家は1階で商店・雑貨店をやっていた。家の裏手では養豚もやっていて、逃げた豚を家族みんなで探しに行った思い出もある。父と祖父が家で働き、母は近所の洋裁屋さんで講師として働いた。祖母は集落の婦人会の会長やっていたので、女性が外にいる印象だった。 一人っ子だったせいか自分の気持ちを溜め込んで、人に見せないタイプ。だから漫画にのめり込んだ。溜め込んだ気持ちを漫画の登場人物にたくして発散させたそう。 ペンネームは高校2年の頃ダジャレで決めた。ずっと岩手県に住んでいるけれども、アシスタントはどうしていたんだろう。全部自分でやっていたのかな。お見合いで結婚し夫は婿として家に入った。二人の息子の子育てをしながら、漫画の連載も続けることができたのは、祖母や母が家事を引き受け、父が経理を担当してくれたから。現在は生家のあった土地に新居を建て、母・夫・長男夫婦と孫で暮らす。なんとなくときめきトゥナイトとその続編の家族が一緒に暮らしてる様子、ほんわかした家族の様子っていうのがこの作者の生き方によるものだと思った。
いくえみ綾「あなたのことはそれほど」など人気作は多数。中学3年生でデビューしてから他の仕事をしたことがない。そもそも働いている意識もなくて漫画を書いてる。40年以上にわたるキャリアの持ち主。出身・現在も北海道。父親は道職員で転勤族。度重なる転校に苦労し、幼い頃から状況を冷静に見るような鋭さがあった。中学校は進学校として知られる学校へ転校した。中学校で進学校でどういう学校なんだろう。ずっと北海道でも不自由なく仕事ができるのは札幌まで担当さんが打ち合わせに来てくれるからだそう。
高校生ではもう漫画家として活躍しているので、基本的に学校は休みたかった。絶対に単位を落とせない授業のためだけにタクシーで学校に行って、1時間後またタクシーで帰ったということがあるらし��。おそらく連載を持っていたのでお金持ちの生活になったんだろう。 二十歳の時には市内にマンションを購入し仕事部屋にする。25歳では家族と暮らすマンションも購入した。その後は仕事場に出勤するスタイルに落ち着き、洗濯や食事は母まかせ、父親には雑用を手伝ってもらったりと家族総出で支えてもらった。30歳の時には札幌市内に、現在まで暮らす3階建ての家を建てる。2004年には別冊マーガレットの専属作家を卒業。それ以降様々な雑誌で引っ張りだこになった。 これこそ人気作家の人生という感じで、ハタチの頃から家を買うなんてバブリーな生き方をしていたんだな。10代から漫画家のみの生活で、これほど読者たちに共感を得られる作品を作れるって、才能があったんだと思う。
この本に載っている漫画家の方々は、ちょうど漫画の黄金期で、それこそ連載を持っていれば家が建つくらいの時代の人たち。どんどんお金を使って自分の財産にしてそれを漫画に還元・昇華させるエネルギーが凄いなあと思う。家をモチーフに書かれているけれども、なんとなくその人たちの生き方が漫画に投影されている気がして、なんか納得できて面白かった。
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家の記憶はその人の育った環境で、その人の根幹となる部分が形成されていった過程といえるかもしれません。本書の少女漫画家さんは多少なりとも作品を読んだことがある方々ばかりで、家についてのエピソードはとても興味深かったです。水野英子さんはトキワ荘にいたことがあったのですね。短い間とはいえ濃密な時間だったでしょうね。山岸さんの社宅エピソードは怖かったです。気にしなければそれまでですが、悪い事が起こる場所ってやはり何かあるのかもしれません。