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著者自身が体験してきたプロサッカーの不条理や葛藤を構造化しながら、一般的な事例や学問を添えることによって、人間社会に転用可能なエッセンスにしていく本。
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メモ
・何かを決める時、その困難に価値があるなら、困難な方を選んだ方が良い。賢い生き方をすると直感のようなものは退化する。バランスが大事。
・身体性成長と打たれ強さや我慢強さが従来伸びると言われている。本当は、リーダーシップとか思考力とか、段取り力とか。色々な非認知能力が伸びるはず。ビジネスでも局所最適化になっていないか常に検討化が必要だが、スポーツでも同じ。
・自分にとっての他者とは誰か、そしてその他者とどのような関係性を築くのかという[他者観]を、可能な限り自分自身で発見しなければならない
・人間力戦略研究会報告書。サッカーだけしていてはダメだ、はサッカー選手として?セカンドキャリアへの影響を考えて?サッカー以外のことがサッカー選手として必要だから、であれば納得感がある。
そもそもセカンドキャリア問題はない。現実を受け入れることは、誰もがやっていることだから。
・人間力が低い、人間性が悪いという評価を受ける人たちは自分以外のひとたちへの好奇心が不足している。他者感がないのでメタ思考で、俯瞰して最適な行動を取れない。
・人間的成長を求めてスポーツをするということは、決して成立し得ない。
・夢に対しては人ぞれぞれのレンジがあって、夢物語だったり、近い目標だったり。
射程距離に届くけど遠いものが一番良いが、夢物語を射程距離に入れる作業も大事。
・戦略は戦略を立てようと思って立てるのではなく、自分が何に迫られているのか、を知ることが重要。
・何かを決めるにあたり、大事なのは議論が盛り上がること。そうすると参加する気持ちが高まり、みんなで決めたという気がしてくる。
・アンコントローラブルということを前提に、好き勝手やってもリーダーがまとめるよという器を持つこと。
また、好き勝手できる分野とそうでない分野の線引きを明らかにすること。
自律分散型組織と思わせることができればよい。
・消費社会は人と人とがつながることを促す。
広告もメディアも、映画もすべては人と人がつながることを推奨している。
サッカーもスポーツも同様。
人と人が深く関係しあい、複雑な物事によって自分や社会が存在しているという事実を、サッカー(スポーツ)は強烈に僕たちに伝えてくれます。
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第1章 Jリーガーのセカンドキャリアは不幸か?
1 頼むから静かにしてくれ
2 ギャンブルへの自覚
3 職業であなたは説明されない
4 なぜ、転職は難しいか
第2章 夢/やりたいことがないとダメか?
1 Jリーガーは夢を叶えたのか
2 やりたいことなんてない!
3 愛とは何か
4 困難=不幸ではないいくつかの理由
第3章 利他的なスポーツはあり得るか?
1 消失するモチベーション
2 他者観の欠如
3 安定とレバレッジ
第4章 クソ人間でも上手ければ許されるか?
1 つまらない言葉
2 ゲームとメタゲーム/木と森
3 うんこが漏れそうかどうか
第5章 グレートなチームは存在するのか?
1 チームスポーツの現実
2 裏切りについて
3 議論は何かを決めるためのものではない
第6章 スポーツに価値はあるか?
1 意味と勝利
2 お掃除的スポーツ
3 可視化される社会、そして共感
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Jリーガーのセカンドキャリアは不幸か
物心がつく前からサッカーという金より夢を追いかけてきた世界だからこそ
お金を稼ぐことに抵抗をもつ
今の日本なら、高校、大学卒業のタイミングでそれが来るけど、それを先延ばししたから、余計に悩むだけ
周りもずっと夢追い人でいてほしいと勝手に期待している
職業なだけで、アイデンティティでも自分をすべて指す言葉でもない
夢/やりたいことがないとダメか
夢を諦める前に夢がかなった
努力しないとかなわないけど、努力してもかなわないことはある。
半分は運である。特に幼少期から始めたことは環境が大きい
普通の職業だってやれることから、やりたいことを探している。本当にやりたいなら、整形してでもイケメン俳優をやるけど、そうしないのはできる可能性のある中でやりたいことを探すから
足の遅さはサッカー選手としては弱点だけど、そこを隠しながらプレーする。そういう判断でいい
覚悟とは、不確実で曖昧な未来に対して、どうなっても絶対に後悔しないこと
実行の最中に選択の後悔が発生すると失敗する
選択肢は多いほどいいのは資本主義の考え方、けっきょくは出来ることは限られている
その中で覚悟を持って選択し、正しく苦労する
ガゼルはチーターから逃げるために自分の最高速度も出ないけど、逃げられる確率の高いジグザグ走行選ぶ
そういう結果の伴なう苦労
メモをつけつつ読んだのはここまで
面白いけど、なんか後半は入ってこなかった
自分の仕事が忙しくなったせい
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サッカーを通した哲学
無秩序→一瞬の秩序→無秩序を繰り返す刹那的なスポーツを我々はどう捉えて、何を期待して、そこから何を学ぶのか
■概要
スポーツの世界にとどまらず、個人の生き方や組織のあり方など人生におけるあらゆる観点について、サッカーを通して見えた課題や体験を交えながら筆者が論じる。
「勝つことが大事」「スポーツは人間性を成長させる」こんな単純な見方ではなく、スポーツの刹那性とそこから対比される(逆に共通項も含めて)社会生活を含めた議論から様々な示唆を得られる。
■所感
具体的な結論や問題提起があるわけではなく、抽象的な社会科学の本を読んでいる感覚であるものの、内容は本質的であり共感できる。また元サッカー選手としての単なる経験だけでなく、その時の思考の解像度が大変高いため、抽象論を補完する具体に刺さるものがある。
社会学や哲学書からの引用も多く、それがスポーツと紐づけられるから面白いし、考えさせられる。私はスポーツが「好き」、する・みるともにであるが、勝利至上主義やスポーツを通した教育論の様な一義的な見方に懐疑的であった。筆者の問題提起と必ずしも一致するものではなないもの、かなり納得・共感できる部分がある。
この考え方を100%とは行かないまでも部分的に理解できる人はスポーツ界に居てはるはず。ただまだまだマイノリティなのかもしれないし、特にノンプロだけど真剣にやってきた層なんかは、「自分の不可能性」と向き合ってきていない分、反発することはおおいにありえるだろう。
それでもそこに一石投じたという意味では、スポーツ界においてEpoch makingな一冊と思う。
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シンプルに面白い!!
そう思いました。
著者の知性が素晴らしく、きちんと自分を俯瞰で見た上で、意見が書いてある。
今後の人生の糧にしたいと思います
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サッカー選手でありながら、いろいろなことを考えて生活していたんだろうなぁ。
スポーツであってもビジネスであっても、自分自身で考えて自分自身で決断したことを、人のせいにしないこと。
世の中は多くの物事が絡み合う複雑なものばかりであるからこそ、自分自身で柔軟に感じること。
未来は複雑で偶然だ。
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アスリートのセカンドキャリア、というものに興味があり手に取りました。しかしその内容は、アスリートだけでなく私のような平凡な会社員にも響く内容でした。
どこの島で暮らすか、ではなく流れ着いた島でできるだけ幸せに暮らすことが大切、という一説にはなぜだか随分と心をうたれました。