紙の本
クライムミステリー完結
2022/06/30 12:48
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
父の惨殺事件の真相を刑事としてではなく娘として追及するクライムミステリー下巻。
被害者と近い存在だからこそ意識が向かない登場人物たちの心理を利用し、巧妙に鏤めた糸口から目を逸らすよう誘導する展開に何度も裏切られる。
色んな出来事が絶妙にシンクロしてる所が面白い反面、全てが少し物足りなくも感じた
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久々に、シリーズの次作を読みたいと思うキャラ、ケイト。スコットランドヤードの刑事なんてどんなエリートかと思うのに、そこでのおちこぼれという…。対人ダメダメで恋人も友人もおらず、自己評価も低い。なんだか身につまされ、どう生きていくのかと気になる。
ケイレブも、アルコールのせいというもっともらしい理由はあるものの、これだけ悪い予感や悪い徴があるのに、鈍すぎないかい?
2つの事件の関わりが若干薄いように思うが、着地に生かされてると思えば、報われるというもの。
ページは捲らされ続け、カレーが食べたくなりました。
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CL 2022.8.21-2022.8.22
主人公のケイトのみならず誰もが皆それぞれに苦しい事情を抱えていて、生きていくのが簡単ではない人ばかり。その人物描写も、後半の怒涛の展開も秀逸。
ただ、どうしてもメリッサ•クーパーの息子に引っかかる。事件と大筋では関係がないとは言え。
メリッサ•クーパーの息子が、不倫相手が奥さんと別れなかったからと言って恨むのは筋違いでは?そもそも悪いのはそっちなのに。しかもその娘に恨み言を吐き、惨殺されたことを気分が良かったと言うなんて、この息子、バカか。相手の家庭を壊して自分の母親さえ幸せになれればそれでよかったわけ?なんと身勝手なと思っていたらこの真相。諸悪の根源が自分たちの母親だとわかってどう思うんだろうね。いくつもの家庭、命を犠牲にした。一度殺されただけでは追いつかないくらいなんじゃないの?二人の息子は一生ディランの面倒見ろよ、と思ってしまう。
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とある人物の存在がわかってから怒涛の展開。スリルが素晴らしいです。事実が分かると、確かに酷い!と思いますね。のうのうとしてられるの?レベルです。圧倒的な筆致、今回も楽しませていただきました。スーパーじゃない主人公にも好感持てます。
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凄惨な殺人事件。その被害者は元警部でその娘はスコットランドヤードの刑事ケイト。このケイトの造形がとてもいい。孤独で同僚とも打ち解けることが出来ず落ちこぼれのように思われている。そのケイトの父が殺害されたことで地元警察に協力する。でもそこでもなかなか上手くいかない。次第に見えてくる父の秘密と殺人が終わらない事件。捜査で出会う刑事たちとの微妙な距離感。派手さはないけれどとても緊迫感のある展開と事件の奥にある被害者や関係者の人生の秘密や裏切り。冒頭から強く惹きつけられる力のある作品。シリーズ第二作の刊行も決まっているということもとても嬉しい。
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今年読んだ中では最大のヒット、いやー面白かった!
上下巻ありながら一気読み。
登場人物みんないろんな事情を抱えてるしそれが全て解決したわけではないし、今後もそれぞれがその重荷を背負って生きていかないと行けないんだろう。そこまでは作品内では描かれてはないので想像するしかないけど。シリーズ化してるそうなのでその辺も描かれてるのか期待。
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後半からどんどん面白くなった。家族、同僚も知らないまま抱えてる秘密に怯える様子が上手く描いてあった。上巻のプロローグ的な場面の回収が全てをまとめていた。
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100ページも残して真相がわかってしまうのはどうかなで、そして、ちょっと、というよりかなりスッキリしない結末。
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父親の元警部のことで話があると、ケイトに謎の電話をかけてきた女性は誰か? その頃、ロンドンのシナリオライターが、バーンアウト寸前でヨークシャーの人里離れた農場に妻子とともにこもることにした。養子の五歳の息子の生みの母が突然、現在の恋人という得体の知れない男と現われるが、彼の正体は? 浮上するケイトの父親殺しと彼の関係……。
初めて読む作家。なかなかのページターナーでした。
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著者シャルロッテ・リンクは1963年フランクフルト生まれ。原文はもちろんながらドイツ語だろう。ドイツ生まれドイツ在住の作家が何故イギリスを舞台に? 先に読んだ「ドーキョーキル」「ジャパンタウン」の作者は25年日本に住み、日本を知ってもらいたくて小説という形で作品を書いたとあったが。
翻訳者の浅井晶子さんのページ(翻訳ミステリーjp)
2017.1.24
https://honyakumystery.jp/1485215480
2015発表 ミュンヘン Blanvalet社より
2022.6.30初版
web本の雑誌 2022.9月号
https://www.webdoku.jp/mettakuta/yoshino_jin/20220919080000.html
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ドイツの作家のベストセラー後半。
舞台はイギリスのヨークシャーです。
退職した警部だった父が殺され、休暇を取って故郷へ戻ってきたケイト。
スコットランド・ヤードの刑事だが、自分に自信がなく、周りにも溶け込めないでいた。
だが、誇りに思っていた父親の事件を放っておくことは出来ず、独自に動き出す。
事件を担当する警部のケイレブはアルコール中毒という問題を抱えている。
どの人物も、人に言えない秘密や重い気持ちを抱えていて、それが次第に絡み合っていく‥
リーダビリティはさすがで、その過程で少しずつだけどケイトが優秀さを発揮し、成長していくのが読みどころ。
これまでに「姉妹の家」「沈黙の果て」「失踪者」を読んでいます。
この濃さと人間味あふれるドラマチックさ。
ロマンスの要素もミステリの要素もあるが、どちらの定型でもない。
よどむほどの暗さに一時おおわれるが、ややこしい絡み合いが、いずれは一気に見えてくる。
そういう読み応えですね。
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上巻の感想で「サミーが可愛くない」と書いたけど下巻では思わず涙がにじむほど頑張っていて愛しく思えた。けれどやはりそこまで心に残る話ではなかった。
真犯人は私が考えてたひとと違った。
上巻のはじめに事件の場面は書かれているが、かなり終盤にならないとその事実はほとんど出てこないので、考えてもまずわからないようになってる。
真相はよくできているけれど、それまでの前置きやミスリードが多すぎる。そして登場人物のほぼ全員がそれぞれ問題を抱えているけれどそれについては何も解決してないような…
全てしっかり明かされたのに、気分的にはいまいちすっきりしない。現地でこれがそこまで売れた理由もわからなかった。翻訳のせいなのかな。
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恋人や友人もおらず、仕事も上手くいっていない39歳独身女性ケイト。ここまで自己肯定感が低い人物が主人公なのも珍しい。読み進めるうちに、彼女だけでなく、誰もが表向きの人格とは別に、孤独や闇を抱えていることが分かっていく。人の温もりを欲しているくせに、己れの醜い心まで覗いて欲しいわけではない臆病な気持ちは、共感しかなかった。
途中で話が繋がっていくステラのパートは、不穏過ぎて、ちょっと読み飛ばしてしまった。小さな子供がいると辛い。すべての人が傷つく結果になってしまったが、終わってほっとした。ケイトは少しだけ未来が見えたのか。シリーズものらしいので、次が楽しみ。
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各キャラクターの性格・背景、最後まで引っ張り切るプロット、全てが素晴らしい。文句なし。早く次作が読みたい!
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上下巻に分かれているので、まとまった時間が取れないと読めないなぁと暫く積読になってた本作、漸く読めました。
もっと早く読めばよかったと後悔するくらい面白かったです!
ドイツの作者さんとのことですが、舞台はイギリス。ヨーロッパの作品らしく、全体的にどこか湿っぽいミステリーに仕上がってます。
ケイトという39歳独身女性が主人公。夫も彼氏も友達もいなくて、仕事でも評価されないという設定。卑屈な設定に聞こえるけど、こういう人っていっぱいいると思います(かくゆう私も主人公の設定に大体当てはまっているひとり笑)。事件そのものもスピード感・意外性があって面白いのだけど、主人公や犯人役はもちろん、脇役の人たちもキャラ設定がちゃんとされていて、尚且つほとんどのキャラに感情移入できるところがこの作品のすごいところかなと。
叙述ミステリーという訳ではありませんが、大分最後の方まで犯人が誰か分からず、ドキドキしながら読めました。
本作がケイトシリーズの第一弾のようですが、第二弾の「誘拐犯」も読んでみようと思います!