紙の本
霜月騒動、面白いのだが
2022/07/03 19:06
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
元寇は鎌倉幕府が元を実力で追い出したのではなく、突然の神風でラッキー勝利と言われてしまって、執権の時宗は誠にお気の毒。安達泰盛と平頼綱が闘った霜月騒動は面白い権力争いなのだが、資料が少なくて残念
紙の本
弘安徳政
2022/07/26 15:28
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投稿者:mt - この投稿者のレビュー一覧を見る
北条時宗と安達泰盛を軸に、元寇前後の鎌倉政治史を描く。読みどころは、やはり泰盛の行った「弘安徳政」に関する論考。同時期に行われた亀山院の公家徳政への影響にも触れており、短いながらもその改革の意義がよくわかる。本筋とは関係ないが、本書では文庫化に合わせた増補として「大河ドラマ『北条時宗』はファンタジー」「大河ドラマあやかり本はでたらめばかり」というパンチの聞いた小文が。ちなみに原著はNHK出版から2001年刊。さすが大物研究者は忖度などしないのである。
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2001年刊行本の文庫版。時宗の誕生から霜月騒動までを対象に、蒙古襲来前後の権力構造の変質と政治改革の挫折の過程を描く内容。禅宗系史料から見る時宗の人物像や、泰盛の目指した体制の考察など興味深い内容だった。
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元寇の際の鎌倉幕府執権の座にあったことで有名な北条時宗であるが、実はそのひととなりを物語る史料が極端に少なく、具体的な人物像を描くことは難しいとのことである。
そのような中ではあるが、様々な史料を博捜して時宗の人物像に迫ろうとしたのが本書の特徴である。あわせて、時宗を支えたものの時宗死後、いわゆる霜月騒動で落命した安達泰盛にも焦点を当てて、将軍権力と北条得宗体制との桎梏、元寇後の政治改革の在り様等が論じられる。
元寇については関係書籍も読みある程度の知識は持っていたが、霜月騒動のことは御内人と安達氏の争いといったことくらいしか知らなかったので、本書を読んで、背景にある対立の所在について一定の理解を得ることができた。
しかし、弘安徳政と称される重要事項である鎮西神領興行・名主職安堵令について結構詳しく内容紹介はされているのだが、予備知識が少ない一般読者にとっては、その意義がなかなか分かりづらいのではないだろうか。その辺りが少し不満である。
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プロローグ 若君誕生
第1章 時宗誕生前後の幕府政治
垸飯にみる幕政の推移
政変と深秘沙汰・寄合
京都・鎌倉の身体性
第2章 北条得宗と御家人安達氏
執権への道
二月騒動
第3章 蒙古襲来のなかで
海の帝国をめざすモンゴル
異国警固と国制改革
文永の役と異国征伐
弘安の役と神風
第4章 絵にみる時宗時代
時宗の肖像をもとめて
第5章 時宗と日中禅宗世界
北条氏と仏教諸宗派
無学租元と元寇
中国禅宗界と時宗
第6章 時宗死後の政治改革
御家人拡大路線の波紋
公武手をたずさえて
霜月騒動
エピローグ 記憶のなかで
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学術書。最近でた学術好きは ほう となるような発見があったりするもの。この本は大河ドラマの時期に出版され、最近の発見をふまえ少し改稿されたもの。わかるのは権力の継承はスムーズになされなかったことぐらいか。
※評価はすべて3にしています
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時宗の誕生から霜月騒動までを対象に、幕府が構造的に抱えていた限界を改革しようとした状況が書かれています。
絵巻や彫刻、宗教など多様な視点を取り入れてるのは興味深かったです。