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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代を舞台にした
たしかに「いる」短編集。
表題作の「化物蝋燭」がいちばん端的だけれど、
人の思いにこの世だけでは説明できないような出来事が合わさって
物語が深まっていく。
どの短編も読みやすくて面白かったのだけれど、
特に「幼馴染み」は結末まで含めて出色。
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江戸の怪奇譚。
と、いいながら人が幽霊や化物が出てくるばかりではなく、一番怖かったのが、『幼馴染』だという(;^_^A
そして、文体がいいのです。次の作品も楽しみ(*^^*)
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江戸の不思議なお話の短編集。
「幼馴染み」という一編がとにかく怖かった。
脳内では山岸涼子さんの絵で再生。サイコホラー。
不思議で怖い話と、不思議でほのぼのする話、どちらも良いバランスで飽きずに楽しめた。
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江戸物短編集
この世のものとあの世のものとどちらのものともわからない者たちのおはなし。
木内さんの作品はいつも情景と人々が生き生きと描きかれていて、その景色、町の色やにおいまで細かに想像させてくれる。
どのお話も心にしみる。
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江戸を舞台にした奇譚集だが、何だか一話完結の短編で終わらせるのがもったいないような、物語の魅力をぎゅっと濃縮した7篇が収録されている。
例えばラストの「夜番」は、憑き物を見ることができるすっとぼけた感じの主人公の男と、一膳飯屋のお運びをする肝っ玉姐さんのキャラクターが印象的だ。掛け合い漫才のようなやり取りも楽しいし、どこか江戸っ子の人情を感じることができる展開もいい。この二人が様々な事件を解決していく形の連作短編にでもすれば、楽勝で一冊本ができそうなほど面白い設定なのに、惜しげもなく一本の短編でスパッと完結させているところが実に潔いと思った。
個人的には読後の切なさが際立つ「蛼橋」が一番好きだけど、どの作品も高いレベルでハズレは無い。途中までは何となく市井の人々の人情を味わう趣向なのかなと読者に思わせておいて、「幼馴染み」のようなちょっとテイストの異なる一篇をスパイスのように効かせているあたりも上手いなあと。
本作と似たような奇譚集としては戦前を舞台にした『よこまち余話』があるけど、一篇一篇の密度の濃さとバラエティの豊かさから、個人的にはこちらのほうが好みかな。
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この世には、見えないけれど、存在する者がいる。
未練を残した者、恨みや妬みを抱えた者。
江戸時代の長屋暮らしの人々。
それぞれの生活にひっそりと忍び寄る見えない存在。
7編の話しの中で、
「むらさき」に出てくるお庸さんが、供えた福寿草。
心がほっこりと温かくなった。
「幼馴染み」では、
生きている人が一番、怖いとしみじみ思った。
夏の大人の怪談として、楽しめる。