『逆境を楽しむ力』
2022/05/23 20:30
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学選手権9連覇後に「低迷」した帝京大学ラグビー部
優勝どころか決勝にも残れなかった3年間を経て2021年度に4年ぶりに復活優勝をとげるまでに何があったのか
〈今振り返ると、「低迷」の原因は9連覇の真っ最中、つまり最盛期に芽生えていました。「栄華の絶頂期」が衰退の始まりだったわけです。〉──「はじめに」より
1年生を雑務から解放する「逆ピラミッド型」の部の運営にあった誤算
「脱・体育会系組織」にあった落とし穴とは
転機は2019年度のチームに
最新の心理学、行動経済学、組織マネジメント論などの成果を駆使して部をよみがえらせV10を達成した岩出式「人を動かす心理術」の極意を語る
〈ビジネスに速攻役立つ 超・実践心理学!〉──帯のコピー
優勝をのがした3年間の歴代キャプテン、メンバーの顔を思い浮かべながら読むと感慨もひとしお
巻末に現東京サントリーサンゴリアスの流大(ながれ ゆたか)との対談(V9を達成した2018年におこなわれたもの)を収録
26年間率いた監督を勇退、2022年度から帝京大学スポーツ局長に就任した著者の4冊目の著書、2022年5月刊
帝京ファンだけでなく、ラグビーファン必読の一冊
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リーダーシップ系の本を探していて、偶然見つけたこちらの本。
帝京大学でラグビー大学選手権で9連覇を達成した著者(監督)のリーダーシップ論。
といっても、私はラグビーのルールもよく知らないですし、
帝京大学が強かったことも知りませんでした。
ザ・体育会?という印象を持っていた私ですが、
著者は全く異なるチームマネジメントを行っていたようです。
ザ・体育会的な組織で、雑用を1年生から取り上げ、
4年生が引き取るという中々、イノベーティブな取り組みを行い、
チームの中に心理的安全性を確保し、
チーム改革を行ったそうです。
そこでV9を達成し、大成功する訳ですが、
また一時期、低迷してしまうのです。
(低迷と言っても、優勝できないだけで、
十分強豪チームの仲間入りはしています。)
何が悪かったのか?
チームの中に培った心理的安全性が高い目標を設定することを阻害してしまったと。
う~む、つくづくチーム作り(組織作り)は、
生き物を扱う如くで難しいと感じさせられます。
著者の素晴らしい点は、それを自分の責任であると
自分に矢を向け、さらにチーム改革を進め、
復活の優勝を遂げたところ。
さらに、著者は心理学系の理論をご自身で勉強されているようで、
自分の実践と理論の繋がりをしっかり言語化できている点が
中々体育会系の監督にはないスタイルなように見えました。
ビジネスの出会でも十分役立つ考え(理論)と実践だと思います。
ちなみに、「王者の食ノート」という本も合わせて読むと、
帝京大の成功が多面的に理解できると思います。
(ただし、こちらの本には、組織的な話や
リーダーシップについては出てこないので、
悪しからず。。)
※王者の食ノート
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4093882193#comment
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第1章 連覇はなぜ途切れたのか
第2章 Z世代とは何者か?
第3章 コロナ禍と逆境からの組織再生
第4章 Z世代のモチベーション・マネジメント
第5章 逆境に負けない心のつくり方
第6章 令和のリーダーの条件
第7章 これからの日本を担う若い世代に伝えたいこと
第8章 逆境に勝つ―岩出式「心理マネジメント」九つの要諦
第9章 逆境を楽しめるリーダーが最後に笑う―対談‐岩出雅之×流大(帝京大学ラグビー部OB、東京サントリーサンゴリアス)
調心・調体・調息
優勝するまでは、辞めたいという言葉は二度と口に出さない
自己満足のために勝とうとしていたのかもしれない
選手に勝たせてあげたい
これまでのやり方を根本から変え、自分自身を変える
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本の内容よりまず指導者とはどういうものか、指導者の力を感じることができる。
心理的安全性を重視した成功談とその後陥った仲良しクラブ化、z世代の特徴(損失回避傾向、承認欲求が強い、他への貢献心も強い)は有用な内容。
心理的安全性+高い目標、強い責任感→ 成長する環境
心理的安全性+低い目標 → ヌルい環境
心理的安全性なく+高い目標 → ブラックな環境
心理的安全性なく+低い目標 → 不条理な環境
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最近自分の心に余裕が無いのは、失敗したくないという感情が強かったからだったのかなと。もう少し視野を広くして、自分を客観的に見つめ直したい。
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できる監督というのは勉強している。一流のスポーツ選手が勉強しているのと同じ。どうしたら自分の状態をフローにもっていけるかということについてとても参考になった。
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スポーツ界も、普通の会社員にも通ずる所に着目して、所々共感しながら読みました。
著者の生い立ちについて、覚悟を持ち逆境を乗り越えて来られた凄さに感服した。
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「逆ピラミッド」構造で選手たちをマネジメントした内容に関して、これを取り入れた著者もそうだがそれを受け入れた生徒たちが素晴らしいと感じた。
特に受け入れて実践した4年生に賞賛を送りたい。
辛い1・2年の下積み時代からようやく3・4年になって自分たちの時代になったと思ったら自分たちが1年の頃にやっていた後片付けなどをやる羽目になる。
不満や憤りを感じたと思うけど、もう一度優勝すると言う1つの目的に向かって対応することができたのではと感じる。
指導者が変われば組織は変わるけど、その一人ひとりのメンバーの資質も非常に高かったのだと思う。
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ジャンル:リーダーシップ・マネジメント
出版社:日経BP
定価:1,870円(税込)
出版日:2022年05月23日
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岩出雅之(いわで まさゆき)
帝京大学スポーツ局長、スポーツ医科学センター教授。1958年和歌山県新宮市生まれ。1976年和歌山県立新宮高校卒業、1980年日本体育大学卒業。大学時代、ラグビー部でフランカーとして活躍し、1978年度全国大学ラグビーフットボール選手権大会で優勝の原動力になり、翌年度、主将を務めた。教員となり、滋賀県教育委員会、公立中学、高校に勤務。滋賀県立八幡工業高校では、ラグビー部監督として同校を7年連続で花園(全国高等学校ラグビーフットボール大会)出場に導いた。高校日本代表コーチ、同監督を歴任後、1996年より帝京大学ラグビー部監督。2009年度全国大学ラグビーフットボール選手権大会で創部40年目に初優勝。以来、2017年度まで前人未到の9連覇を記録。2021年度に同大会で優勝しV10を達成後、26年続けたラグビー部監督を勇退。現在は、帝京大学スポーツ局長として、同大学のスポーツ関係を総括する。著書に『負けない作法』(共著、集英社)、『常勝集団のプリンシプル』(日経BP)がある。
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flier要約
https://www.flierinc.com/summary/3131
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心理的安全性や、リフレクション、禅の発想など、自分が関心ある分野を実践しており、非常に参考となる。「知っている・わかっている」と「出来る」は違うが、著者はこうした分野を実際に「出来る」レベルで再現していると感じた。
だからこそ、これまでの帝京大学での業績に繋がっているのかと気付かされた。
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スポーツもビジネスもチームビルディングにおいては共通点が多くある。
今時のマネジメント、仕組み作りなど、学びは多い。活用していきたい。
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20221221
前著に続いて2冊目。
連続優勝を逃すようになり、体育会系の逆ピラミッドなど、前著の時よりも改善したところがあった。
Z世代の分析、扱い方、コロナ対策など、メディアに影響されてる感じがしたかな。
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負けない作法からアップデートされた内容が載っていて、今後の自分に活かせていくために必要なことが多く書かれていた。自分と違う最近の世代に対して気をつけるべきことなどが参考になった。
特に心に残ったフレーズ
p.90 体験を経験に昇華できるかどうかで変わる。
p.159 真面目はすぐに飽きられる。真面目なリーダーは都合のいい存在になりがち。真面目だけでなく個性や人間的魅力が大事。
p.166 話あってみてという問いかけしている。
あるテーマについて分かった気になっても理解が浅かったり全く分かってなかったりする。説明するうちに整理されたり言語化されたりする。
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<目次>
プロローグ
はじめに
第1章連覇はなぜ途切れたのか
第2章Z世代とは何者か
第3章コロナ禍と逆境からの組織再生
第4章z世代のモチベーション・マネジメント
第5章逆境に負けない心のつくり方
第6章令和のリーダーの条件
第7章これからの日本を担う若い世代に伝えたいこと
第8章逆境に勝つ
第9章逆境を楽しめるリーダーが最後に笑うx流大氏
おわりに
2022/523発行本、新聞広告を見てアマゾンで購入。
本屋で見たら、買わなかった。
経営学部初年度の大学生が勉強するよような経営理論の
詳しい説明が、本の大部分を占めていて、全く面白く
ない。出版社の編集者とゴーストライター(多分)の
大失敗作と思う。
もっと、学生ラグビーの現場の具体的な出来事・事例を
ちゃんと記し、仮に経営学のフレームに当てはめるなら
その紹介は最低限にすべきだった。事例9:紹介1くらいに。
残念だ。
重ねて言うが、悪いのは編集者だと思う。
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前著も良かったが、期待通り今回も良かった。
失礼すぎる言い方をすると、
「大学9連覇はダテじゃない」ですね。
でも、今回のは、いったんそれが途切れて、
と同時にコロナ禍にもなって、
そこからの復活の話、その学びですから。
さらに参考になる事ばかりでした。
特にZ世代と向き合う人は必読、お勧めです。
血の通った心理的安全性の話です!