紙の本
魔界転生でお馴染みの山田風太郎が
2023/05/01 17:04
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
「死者の呼び声 」のような探偵ものにチャレンジしていて驚きです。SF界の第一人者、小松左京が残したハードボイルド「共喰い」も貴重です。
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ミステリ方面には今一つ疎いので本格/変格の差異も理解してるとは言えないのだが、「変格ミステリ」とは即ち、こういう作品群を指すのだろう、と。前半はミステリというより怪奇、猟奇味の濃い作品が並び、後半は陳舜臣「方壺園」のように後の新本格に繋がるような作品(選評の受け売りそのままw)、その合間に大坪砂男「天狗」や土屋隆夫「経営学入門」など(敬意を込めて)バカミスと呼びたくなるヘンテコな作品が収められている。600㌻余りある本書の1/3を占めるボリュームの中篇、橘外男「陰獣トリステサ」のインパクトはこの現代でも強烈だけれど、つとに有名なエログロ猟奇そのものの主題よりも、ラスト2㌻の皮肉極まりない展開が個人的に印象に残る。小松左京「共喰い―ホロスコープ誘拐事件」は何となく筒井康隆のスラップスティック短篇を思わせる。ひょっとしたら麻雀や酒宴の席とかで筒井さんに対し、小松さんが放った「お前のドタバタ作品みたいなの、俺だって書ける」みたいな軽口がきっかけだったり……と妄想(一応合理的に着地するのがこの人の作品なのだけれど)。
最も色々と厭な味なのは戸川昌子「塩の羊」。WW2の疵がまだ色濃く残る時代であったが故の作品だけに、描かれる悲劇、否惨劇はただ重苦しい……と同時に、登場するチーズやヨーグルトの味は……想像したくない。
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竹本健治が選者を務める変格ミステリのアンソロジー。戦前編に続く戦後篇の前編。終戦から1975年までの作品を集めたもの。
戦前編はいかにも変格というラインナップだったが、本格vs変格という対立が過去のものとなった戦後だと変格というより異端・異色であったり、周縁作的な作品を寄ったバラエティに富んだラインナップになっている。
収録作の中では大坪砂男の「天狗」が良い。また小松左京の「共食い—ホロスコープ誘拐事件」は後の西澤保彦の先駆けともいえる奇想とナンセンスが面白い。
あと、中井英夫の「空しい音—愛読者を探す登場人物」は「虚無への供物」の登場人物が喋くるだけの短編で「虚無への供物」を読んでない人間にはさっぱり判らんが、読んでる人間にはニヤリとできる怪作。
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変格だけあって普通のミステリとは違う。
印象に残ったのは
『陰獣トリステサ』
『方壺園』
『塩の羊』