紙の本
いまいち
2023/10/16 11:59
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
設定はおもしろいと思うけど。
小説として面白く読めるかというと、それほどでもなかったかな。
タイトルもいまいちだと思う。
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元麻酔科医の伝城英二32歳は時間と共に感情が失われていく病<情無>「アエルズ」に罹ります。
英二はアエルズ患者8名が共同生活を送る<情無連盟>
の国木田紘子61歳から加入の勧誘を受け、千葉県のD町に見学に行くと、そこで情無の一人、乾が殺されるという第一の事件が起こります。
何も欲求を持たず、怒りも悲しみも感じない<情無>。
英二は国木田から事件の推理を頼まれます。
英二は8人の中に情無とは症状の違うサイコパスが隠れていることに気が付きます。
そんな中、第二、第三の殺人が起こります。
<理佐殺し>、<D町四住人殺害事件>です。
残された情無は二人。
後半は英二の推理がさえわたり、情無とサイコパスの違いを指摘しながらの本格医療ミステリーです。
本格物は、私は時々途中で推理がわからなくなってくることがあるのですが、この推理は非常にわかりやすく面白かったです。
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感情が失われていく病の後天性情動喪失症候群、通称アエルズ。アエルズに侵され徐々に感情を失いつつある伝城英二は、アエルズ患者のみで共同生活を行う情無連盟に誘われる。感情の無いアエルズなのになぜか事件が発生する。
理屈のみで動くという設定が面白い。「人間の感情は役割を終えた」という話にも共感を覚える。人類全てがそうなれば戦争などは起こらない。何のための生かという目的は失われるが、其れこそ人類AI化計画といったところだろう。SFとしての題材としても面白そうではある。
あとがきにあるが、アエルズはフィクションらしい。本当にあるのかと思いネット検索したが出てこなかった。まぁ症状から考えると鬱病と診断されそうだが、近い将来に出てくるかもしれない。
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感情を失った
疑う心も無い、理さえ通れば受け入れる
死の恐怖すら無い
事件が起きてから大半のシーンが探偵役の伝城による仮説と検証
と言っても一人で考え込んでる訳ではなく他の人と話しながら推理を組み立てていくスタイル
感情が無いから犯行動機が不明
考えるべきは事件のトリックのみってのが良いよね
個人的には連盟の1人が病気になったときの会議が1番の見どころ
もう終わりだよこの集団って言いたくなるはず
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感情が徐々に失われていく『アエルズ』を患った主人公と同じ病気の『情無』達が集まった屋敷での殺人事件のお話です。( 説明下手 )
思ったよりも面白かったです。あらすじからホワイダニットかな〜と思っていましたが違いました。
感情がない方がほぼで淡々と進みます。もうほぼほぼ感情の起伏がない描写でした。
稀に『アエルズ』を患ってない方々( 主治医など )が出てくるのですがあまり出番がなく…それが少し残念でした。
それでも設定はとても面白く、『感情がない=怒ることも恐怖も不安も喜びも感じない=動機がない』というのはトリックから推理するしかなく、全然わかりませんでした。ハウダニット全振りのお話は難しい…。
話が変わりますが、自分が飲んでる薬の成分の名前が冒頭で出てきて「おお、珍しいな」となりました。
若干、続編が出てもおかしくない終わり方ではあったので、もし出たら読みたいです。
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設定的に目新しく、感情がなくなった人間が犯罪を起こす動機などを考えるのは面白かった。真の意味での論理的な思考を持った情無達。その思考に寄り添うのがなかなか難しく、種明かしをされても、登場人物がそういう風に考え、行動するかどうか、本当のところは分からないんじゃないかなあなんて思いもした。
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徐々に感情が失われ、最後には「情無」になってしまうという架空の病「アエルズ」。アエルズに罹患した者たちが共同生活を送る情無連盟で起きた殺人事件。
現役医師コンビの手による一風変わった設定のミステリということで興味を持って読んだけど、面白くなかった。
まず、アエルズの設定を説明するのに3分の1を費やし、なかなか事件が起きない展開に退屈。事件の密室トリックも情無患者の特性?を利用した偶然の産物的なものだったり、論理的でなくなると思考力低下を起こすという都合のいい設定とか、読んでいて白けてくる。
続編を書くための布石なのか、ラストも収まりが悪くスッキリしないし、犯人の動機も今ひとつ納得できない。
要するに、ミステリとして満足のいくものではないかな。人間の感情というものについての考察という面では少し面白かったから星2つ。
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AELSと呼ばれる疾患により感情やあらゆる欲求が失われた人達。
理にのみ従い行動する彼らが築いた共同体〈情無連盟〉の棲家で起こった不合理な殺人。
特殊設定のホワイダニットものかと思いきや意外にも硬派なフーダニットで、設定ゆえの振り切ったロジックが次々と繰り出される。
感情に支配されず生きられる存在として描かれた情無たちがけっきょくは理に支配されていたような展開が哀しい皮肉として効いてくる。
ミステリでしばしば言われる人物の記号化、いわゆる人間が描けてないってやつを逆手に取ったような物語で愉しかったな。
微かな情動が尊いものとして際立つ。
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徐々に感情が失われてゆく病に罹患した人々が共同生活を送る家で起こった殺人。
感情がほぼ失われた主人公の視点なので淡々と物語がすすむが、感情や欲求が失われても生存欲求はあり、合理的に生き続ける人々の生活が興味深い。そしてそのような人間が犯罪を起こす動機は、という考察も面白かった。人間とは、と考えさせられる特殊設定だが、犯人の思想はいまいちよくわからなかった。
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表紙の挿絵がなんとなくミステリアスで気になって読んでみた。
情無が存在する世界はファンタジーだけどユニークで、なんだか読んでると自分も情無になってくる気がするから不思議。
ミステリーとしてはうーんな感じだった。設定は面白いけど、そもそも感情がないから誰にも共感できないしする物でもない、だからどうしても没入できないのが諸刃の剣かも。感情がないから可能性をつぶしていくミステリーだけど、個人的には合わなかったのね。