電子書籍
入門書として
2023/11/01 09:32
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
幕末以降の日本史の入門書の一冊としてなかなかいい作品だと思う。江戸時代の水戸学の影響で「大日本帝国は世界でただ一つの神国である」という考えに染まってしまった人々が政治軍事の中枢にいて、国の運営を誤ってしまった ということがよく分かる。水戸学の始祖である徳川光圀 水戸黄門さんも罪作りなことをしたもんだ。絵柄はかなり写実的でしっかりとしている。コミックとしては地の文が多いが、本書の性格上やむを得ないと思う。
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【漫画界のレジェンドが新解釈で描く運命の24時間】聖断によるポツダム宣言の受諾、終戦の詔書の録音、宮城事件の勃発。降伏か本土決戦か、天皇と軍部との8・15を巡る攻防が始まる!
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群像劇的な淡々とした筆致が終戦の日の激動を緊迫感を表している。「尊皇」と「攘夷」を伏流した切り口にも惹かれるものがある。
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上下巻。映画と違い、昭和天皇を主役に据えている。こんな題材にも星野之宣ならではifがちりばめられているのが面白い。
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<目次>
略
<内容>
終戦前夜の「宮城事件」。つまらぬ思想にこだわる人間が権力を握った結果。人が人らしく生きるためには、まず目の前の人を感じられるかなのだろう。今も昔も政治家にその感覚があったのか…
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原作は高校時代に読んだ大宅壮一編『日本のいちばん長い日』(現在は半藤利一著となっている)。これをSF・伝奇漫画の巨匠星野之宣がコミカライズしたというので早速拝読した。原作はドキュメンタリータッチだが、星野作品はそれを踏襲しつつも独自の視点を加味する。すなわち「尊王攘夷思想」と「南朝正統論」の影響である。クーデターの首謀者である畑中健二少佐は吉田松陰に私淑し、畑中を含む首謀者の多くは南朝正統論を唱える歴史学者平泉澄の塾生であった(昭和天皇は北朝の末裔である)。彼らが絶対視する天皇とは連綿たる皇統の継承者たる抽象的な天皇であり、もし具体的な天皇が意見を異にすればその変更を求め、場合によっては別の正統な天皇に挿げ替えることさえ辞さない。これでこそ、『昭和天皇独白録』の次のお言葉が信憑性を帯びてくるのである。
「陸海軍の兵力の極度に弱つた終戦の時に於てすら無条件降伏に対し『クーデター』様のものが起つたのだから、若し開戦の閣議決定に対し私が『ベトー』を行つたとしたならば、(略)国内は必ず大内乱となり、私の信頼する周囲の者は殺され、私の生命も保証出来ない、それは良いとしても結局狂暴な戦争が展開され云々」
そのほか興味深い「漫画家の想像」が散りばめられているが、最後に触れておきたいのは鈴木貫太郎首相が自決をしない理由として挙げている「恩人」のことである。その恩人は二・二六事件で鈴木を襲撃し重傷を負わせながら、とどめをさすことをしなかった。作品中に名前はでてこないが、もちろん歩兵第三聯隊第二大隊第六中隊長安藤輝三大尉である。しかしその恩人さえ、昭和天皇を廃し敬愛する秩父宮殿下を奉戴することを夢見ていた。歴史はなんとも複雑なものである。
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玉音放送が行われる前後に、このようなことが起こっていたことを初めて知りました。
日本は、敗戦が濃厚となる中、広島、長崎に原爆が落とされ、即座に敗戦を認めたとばっかり思っていましたが、裏ではこんな動きや駆け引きがあっていたとは驚きです。
フィクションとノンフィクションが混ざり合った作品だと思いますが、クーデターが成功していた場合、現在の日本とは違った悲惨な未来があったのかもしれません。
当時の日本陸軍の思想は、現在では、考えられないような思想でありますが、時代や、人間の欲、所属する組織を守らんがための狂った思想があったことが良くわかりました。
戦争ことを再度考え直すために、一読することをおすすめします。
特に、戦争を知らない世代の方々に読んでいただきたい本です。
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宮城事件を描いた作品。登場人物は善悪分かりやすく描かれている。鈴木貫太郎に興味が湧いた。記念館は閉館中なのね。