紙の本
強烈でリアルで、いとおしい
2023/01/31 23:59
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投稿者:sakuraんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
猫でも犬でも、しっかり向き合って飼うとリアルで生々しい感情がわくもの
しかしヤギとの生活は、想像以上にパッションだった
がっぷり四つに組んだ、という表現がふさわしい
噛み応えのある一冊です
紙の本
かわいいだけじゃない
2023/01/12 16:38
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投稿者:302 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔からヤギを飼いたいと思っていた。
タイトルと装丁を見て、わくわくして読んだ。
最初はカヨのかわいさにニヤニヤしていたが、発情期の壮絶さや多頭飼いの大変な状況を詳しく知れば知るほど「これは無理だな…」という気持ちに。
避妊手術についても深く考えさせられた。
読了後は疲労感(笑)
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表紙のスペイン語を見て、あっ『プラテーロとわたし』ね!とすぐにわかった。(私が読んだのははるか昔岩波少年文庫の『プラテーロとぼく』だったが。)
カヨが発情期を迎える前の内澤さんとの濃密な時間の描写にうっとり。『ストーカーとの七〇〇日戦争』が非常にヘビーだったので、こういう幸せな時間を過ごす内澤さんもいたのだとほっとする。
人とヤギという種の垣根を超えて、生きもの同士のふれあい。
内澤さんはいつもキリッとした文章を書く人なのに、この部分はもうメロメロで、いつもの理知的な内澤さんとは違う部分を見ることができるのも嬉ししかった。特にカヨが椿を食べる「椿のフルコース」は素晴らしく、椿がすごく美味しそうに思えてしまう。何度も読み返した。
カヨが発情期を迎え、度々出産する後半になると、人間もちょっと前まではこうだったろうな、と感じずにはいられなかった。
本能のおもむくまま子を産み(産みたくなかろうが妊娠してしまうんだから仕方ない)、育ててヘトヘトになる。妊娠出産子育てを繰り返して身体はボロボロになる。(時にはそれが原因で命を落とす。)でもまた妊娠してしまう。何人かは死に、何人かは生き残る。気のいい子もいれば乱暴者もいる。幼いうちは自分が食べなくても子には食べさせ、手を離れてしまえば他人とそう変わらない。そういう生き方をしなくなっているのですっかり忘れているが、人間も同じだ。
私たち人間は、そういう動物本来の生き方からペットを解放してはいるが、それが彼らにとって本当に幸せかはわからない。内澤さんの葛藤もよく分かる。
ネットなんかで「猫の下僕」なんて自分のことを言う人もいるけど、そんなことはありえない。内澤さんも書いているように、動物のわがままをきくのは「日常の細かなことであって、住む場所とか、頭数とか、大きなことは、飼い主の私が決めているってこと、カヨはちゃんとわかっている。ヤギは人間の都合で動かねばならない。それがヤギにとって理不尽なことであっても従うしかないということも。」(P100)
そして、やっぱり思うのは、動物が人間を許してくれているから成り立つ関係なのだということ。(P105)
カヨと内澤さんだけだったら、プラテーロとヒメネスのように、一匹の猫や犬と暮らす人のように、一対一の濃密な時間が続いただろう。しかし、ヤギが増えたことで、ヤギの社会ができ、内澤さんは(深い愛情はあるものの)人間としてヤギたちと接することができるようになる。
『世界屠畜紀行』からのファンとしては、もう海外に行かないのかなあと思っていたがその辺りの心境についても巻末で書かれていて、納得した。
内澤さんの描いたヤギたちの絵も素晴らしかった。写真よりカヨの魅力、美しさが伝わった。
内澤さん自身が身体を壊さないように、心から祈っています。どうかヤギたちとの幸せな時間が続きますように。
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カヨと私と言う、表題と表紙のヤギの絵にひかれて読んでみた。
犬や猫を飼っている話しは良く見るが、家畜の
ヤギをペットとして飼っている事にまず
驚いた。
ヤギの名がカヨなのも気に入って読み進めると
ツンデレなカヨと飼い主の私、小豆島の青い海
を眺める2人の姿はほのぼのとして美しくもある。
カヨは本能のままに生きていて、人間の様に
嘘はない。
カヨを含めたヤギたちとの苦労もありながら
パートナーとして対等に生きている姿も
カヨも私も生き生きしていてその関係も
羨ましい。
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こんな風に動物と付き合えたらいいのにな。人間相手でなくてもいいから心を開く相手をつくってほしい。は泣けてきた。
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小豆島でカヨと名付けた白いヤギと暮らし始める私.二人の会話が語りかける様子が微笑ましい.だんだん増えていくカヨの家族と関係を結び世話をし悩みつつ楽しく奮闘している.そして人間と関わる動物に対する在り方について,考えさせられもする.
絵がまた素晴らしく,カヨをはじめとしてカヨの子のヤギたちの姿が特徴を捉えていて見るのが楽しみだった.
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烏骨鶏と3羽室内飼いしています。
飼う前は家の残飯を何でも食べるものだと思いこんでいましたが、、カヨ同様、選り好みます。わざわざ小松菜を買ってやり、しなびてしまったら人間が食べる日々です(笑)家畜と呼ぶ動物たちも繊細で賢くて尊い。
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児童書かと思って手にしましたが違ったようです。『プラテーロとわたし』に憧れ、小豆島でヤギのカヨと暮らすようになた著者。最初は“2人”の生活だったけれどカヨの発情に伴いオスをあてがいどんどん増えていく。著者、カヨ、カヨの子供、里子に出した先の先住ヤギなどの関係を見ていると、ヤギにも当然ですが個性があり、嫉妬したり、愛情を求めたり、憎みあったりもする。家畜として飼い始めたカヨだけど、それ以上の関係何だろうな。でも、動物を飼育するのには覚悟がいる。
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シートン動物記「狼王ロボ」で勇敢なヤギに驚き。
ゴヤの「魔女の夜宴」でヤギは悪魔の象徴?
と恐れおののき。
鳥取の小林先生の「ヤギ部」でヤギの勉強をしてからの「カヨと私」
ヤギと人間の牧歌的な話しなのかなぁ~?
と読みはじめて、ちょっと、違うかな?
なんだろう?どこが引っかかるの?
と思い続けて読みました。
ハイジとゆきちゃんには感じない、コレって何?
と思いながら読みました。
で、よくわかんない~。まま読み終わりました。
椿って、そんなに美味しいの?
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内澤さんが小豆島でヤギを飼っている様子は、ツイッターで見たことがある。てっきり本書はその紙版で、お笑いをまじえたドキュメンタリータッチで書かれたものだと思って読み出したら、あらら?冒頭からなんだか雰囲気が違う。あの内澤さんがこんな風に書くなんて、ちょっと驚き。
自分の乳癌手術やストーカーとの闘いもいたってクールに綴っていた内澤さんだが、本書の筆致は、何と言いますかもう、ベタベタのメロメロ。ヤギのカヨに注ぐあふれんばかりの愛情、そこから来る悩み不安葛藤を、マジもマジ正面から吐露しまくっている。くり返すけど、内澤さんがこんなことを書くとは。その熱さにやられて一気に読んでしまった。
うーん、このせわしない心の動き、覚えがあるぞ。自分も愛着のあるものにおぼれやすい体質だという自覚がある。以前飼っていた猫やジュウシマツやハムスター、かわいくてかわいくて、その分心配で仕方がなくて、死なれるとダメージが強烈で、だからもう何も飼うまいと決めている。子供(人間の)の場合は、なけなしの自制心がどうにか働いて、溺愛とまではいかなかった(と思う、思いたい)が、動物だと「愛したい、可愛がりたい」衝動が全開になりそう。
内澤さんはカヨとは話ができると書いている。そうですか~。見事な開放ぶりで、清々しい気さえする。しかし、愛情の対象が子供や犬猫などではなく「ヤギ」というところが、やはり内澤さんだなあと妙な感心もしたりして。
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あとがきの『カヨと私とプラテーロ』を読んで著者がカヨと暮らすようになった経緯がうかがえる。ヤギではなくカヨと生活することは困難さが山ほどあっても心地よさが感じられ、読みながらその波がこちらにも及ばれそう。気持ち良い風を感じる。
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初めての作者さん。予備知識なく、表紙の白ヤギの絵と、センスの良い装丁が目に入り手に取った。
一人で移り住んだ小豆島で、白ヤギのカヨと暮らすことにした作者。ヤギのお世話をするのは初めてで、始めの頃はカヨと二人だけで濃密な時間を過ごしていたけれど、カヨが子を産んで家族が増えていく。
ヤギといえば、メェ〜と鳴き、草食で大人しい、そして、のほほんとしてずっとぼーっとそそこに居るというイメージしかなかった。よく考えてみればそんなはずはないんだけれど…。
この本を読んでヤギがとてもユーモラスで活動的で、そしてとってもお世話が大変だと知った。今すぐヤギのあるどこかに行って、ずっと見ていたくなった。
女性が一人で生きて行くこと、動物の発情と出産のこと、ヤギの多頭飼いで、それぞれのヤギの性格に応じて対処していく難しさ、ヤギのためにこうしてあげたいという思いと現実的に難しいという葛藤、島民の方の助け、など様々な話題に触れられていた。
一番印象的だったのは、発情の問題。発情すると本能のまま突き進むヤギ。その姿を見ていると、その衝動や欲望を、そして、子を産むということを叶えたあげたいと飼い主は思う。発情や、出産で動物の行動はかなり変わってきて、読んでいる私でさえかなり狼狽えてしまったのだから、飼い主はもっとだろう。去勢や避妊に対する考え方も改めて問われた。人間の発情に関しては、色々と醜聞を耳にするけれど、それでもまだ統制されているのだなぁなんて妙に感心したり…
読んでいて、作者はとても強い人だと感じていた。自分でできる限界を超えていそうなことも何とかやってのけ切り抜けていく。そして、とてもヤギに愛情深い。ただ、その他のことがあまりイメージできなかったので、ネットで検索して作者の写真など見てみると…身体は細いけれど、想像以上にめちゃくちゃ強そうな人だった!写真からもピリッとしたものが伝わってくる。この方がヤギに愛情を注ぎ、お世話に四苦八苦しているという絵があまり浮かばなかった。そして、この方だからこそ、感情的になり過ぎずにヤギ達の問題に立ち向かい、それを書けたのだと少し勝手に納得した。
ヤギにあまり興味がなかった私でも、興味深く面白く読めた。そして、読後、いい本だなぁとため息が出た。読まずとも本を手に取ってみるだけでも、ヤギへの愛情が伝わってくる宝物のような不思議な一冊だ。
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小豆島でヤギと暮らし始めた著者の随筆。文章はもちろんのこと、著者自身による挿絵の優しさ、装丁の美しさ。何もかもが丁寧に作られていることがわかる一冊。ちなみに、栞が2本ついているのはなぜと思ったが、良く見れば黒と茶の2本。タメとチャメなのではないか。
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今年の二月二日に
飼っていたマサタロー(山羊)が亡くなった
春になり、クズの新芽が出てくると
あぁ この新芽が大好きだったなぁ
冬の食料用の草集めもようやくだなぁ
夏になると
昼間はいつもあの木陰で寝そべっていたなぁ
ノイバラが色濃くなってくると
そりゃあ凄い勢いで 食べてたなぁ
という感じ…
はい 完全なペットロスでありました
秋風が 吹き始めて
ようやく ちょっと マシになたころに
行きつけの図書館にて
「カヨと私」の表紙を見かけてしまいました
はい むさぼるように 読み始めました
読んでいる 途中は
なんども 「マサタローと私」を
重ねておりました
山羊との生活は
犬とも 猫とも 違う
それこそ
山羊であるからこその生活が
存在するのです
全国の 山羊飼いの皆さんに
読み継がれていく一冊に
なるでしょうね
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飼って見たいけど飼った事が無いヤギと暮らして見たいけど暮らした事が無い島暮らし、両方堪能一気読み。カヨちゃん❣