私はとても癒やされた☆
2022/09/02 13:01
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投稿者:もも - この投稿者のレビュー一覧を見る
書店で直感で選んだ本です。最初の方を少し読んで見ると、「人見知り」
というワードがあったので、私も人見知りなので読んでみたくなったという感じ。
ちょっと変わった作者がどことなく自分に似ていると思った。性格、考え方など。
年代はだいぶ違うのに、内容にわかる〜というものが多々あって読後感は、
穏やかな気持ちになり、私は私のままでいいんだ〜と思えました。
やはり、直感というのは大事で、本の中でも「直感」について触れています。
この本を選んで良かった。
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恥ずかしながら著者のことを存じ上げず、たまたま本屋で気になったので読んだ。
著者が今まで生きてきて得た知識や、経験などを書いたエッセイとなっている。内容としても難しすぎずスルスル読める。
特に、子を産む/育てるなどのエネルギーを多く投資する性別の方が相手を厳しく選ぶ、著者が紹介している高橋淳教授の「免疫が祭りで作られる」とする説など、著者の専門である動物行動学の知識も満載で、動物行動学にも興味を持った。これらの知識が私たち人間のこういう部分と通じている、といった、専門外の人間でもわかりやすく書かれている。
著者の失敗体験なども具体的に書かれており、タイトル通り「著者」という人間が読み解かれていた。
他にも動物行動学に関する本を読んでみたいと思う。
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最後の不妊に悩まないでは良かった。迷い犬とケーキ屋のエピソードは共感した。この人のこと好きじゃないから好きになれるかなって思って読んでみるけどやっぱり好きになれない。嫌い。何か変。
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人も動物なんだよね。ということが、竹内さんの人生の経験を絡めて、人の行動からわかりやすく説明してある本だと思った。
彼女の年齢で小学生の時にとった行動はたいそう風変わりに先生には思われたでしょうね。漢字の書き順にも意味があるとわかっておもしろいと感じた。というところも、学ぶってこうゆうところから広がっていくんだろうな。と子育てにも大事にしたいエピソードだと思った。
私は考察編もあるある。なお話がたくさんでおもしろく読めた。他の著書も読んでみたい!
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動物行動学で有名な竹内久美子さんの自伝というか振り返りの著書。
きっと傍目には「変わった人」と思われるような方なんだろうなぁ。
男女のこと、遺伝のことなどを知りたいと思ったら、やはり竹内久美子さんの初期の著書が良いと思いました。
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京都大学大学院理学部卒業 竹内久美子さんの作品
66歳、動物行動学研究家。
ようやく「自分」という動物のことがわかってきた。
ちょっと長いタイトルですが、とても興味をかき立てられました。
先ず、【動物行動学】とはどのような学問なのか?
次に、自分を「人間」ではなく【動物】と定義していること。
最後に、66歳、ようやく「自分」が【わかってきた】ということ。
まず、本書は読み物として非常に面白いと同時に、「人間も動物」なんだなと改めて納得させられました。
また、上記の【 】についてもある程度理解出来ましたし、読んで良かったと思います。
ちょっと長くなりますが、とりわけ「なるほど」と感じたいくつかの文章を抜粋します。
・よりエネルギーを使い、拘束時間も長い、つまり1回の繁殖に対する投資が多いほうの性が、相手を選ぶ
自分が女に生まれたことを悔しく思い、「何で女なんかに生まれたのだろう。男ならもっと何でも自由に選択できるのに」と悔やむ一方だった。
ところが、少しばかり世間を観察してみると正反対なのだ。この世を動かしているのは女のほう。男に従うかのように見せて、しっかりと実権を握っている。
・・・
大学院に進学し、動物行動学を学んでみてわかったのは、メスがオスを選ぶのが動物の基本であるということだった。
哺乳類であれば、メスは一度妊娠すると、妊娠期間、出産、授乳、その後の子育て、とスケジュールが目白押しであり、次の子を得るチャンスは何年も先というのが普通である。片やオスは一度射精したなら、次の子を得るチャンスは、精子が回復したとき。・・・
このようにメスには繁殖のチャンスが少ないことと、子を産み育てるための多大なエネルギーを必要とするということから、どうせ産むのなら、できるだけ質のよいオスの子を得たいと、オスを厳しく選ぶようになる。よって、メスがオスを選ぶことが原則になるのだ。
・言語能力や知能が発達してきたのは、夫婦がお互いの浮気に探りを入れるため
哺乳類というのは、夫婦の関係があったなら、ずっと一緒に行動するものである。そうでないと、メスが他のオスにとられるか、妊娠させられるからだ。
ところが、人間はしょっちゅう夫婦が別行動をする。狩猟採集生活の頃も、現代のように昼は会社で働き、夜に合流するという夫婦の形でもだ。ということは人間の夫婦は別行動の間の出来事、つまりは浮気が最大の特徴となる。
よって浮気していないか夫婦が互いに探りを入れることや、話の矛盾に気づくといったことが重要となり、その過程を通じて言語能力や知能が発達してきたのではないだろうか、と考えたわけである。
・利己的な遺伝子
我々は遺伝子が時間の旅をするための乗り物であり、遺伝子は自身のコピーをできるだけ増やすという論理のもとにのみある。利己的とは、我がままとか、自分しか考えないという意味ではなく、自身のコピーを増やすという点においてのみ利己的だという意味である。
・いかにも賢���うにしゃべる人には期待しないほうがいい
彼らにとっては、いかにも賢そうにしゃべるだけでほぼ商売は成立するのであり、本当に賢い必要はない。仮に相手がその真実に気づいたとしても、それまでに十分な利益を得ているし、まだその真相に気づいていない連中をターゲットにすればよいだけの話なのだ。
司馬遼太郎さんの本を読んでいて、最高レベルに賢い人はバカに見える、という格言「大賢は愚なるが如し」を知った。11~12世紀の中国の政治家兼文豪の蘇軾の言葉で、蘇軾は詩人、蘇東坡(そ とうば)の本名である。
あまりにも賢い人はその能力をひけらかさないので一見、愚かに見えるという意味で、「能ある鷹は爪を隠す」とほぼ同義だ。
・男の嫉妬と女の嫉妬
男のほうが嫉妬が強いと思う、・・女を巡って男が争うという構図から浮かび上がるだろう。
動物の原則としてメスがオスを選ぶというものがある。それはメスのほうが1回の繁殖でより多くの投資をし、拘束時間が長いからだ。
・・・次なる繁殖には年単位となる。よってメスは慎重に相手を選ぶ。
しかしオスは1回射精したなら次なる繁殖は精子が回復したとき。・・チャンスだけはいくらでもある。よって数打ちゃ当たる式にメスにどんどん挑むことになる。その際、メスを巡って多数のライバルオスと争うことになるだろう。こうしてしょっちゅう嫉妬の情も生まれ、嫉妬心自体も強まっていくと思われるのだ。
・本能に従うのは低俗だからではない
においのよい男を選び、よくない男は避ける・・・。何とも本能的で原始的な方法だ。いいのか、そんなことで?
・・・
このような本能的な行いに対し、人は眉をひそめることが多い。本能に従う人間は、あたかも低俗であるといわんばかりだ。
しかし人間、特に女が相手を選ぶ際に、・・・何と言っても大事なのは肉体そのものではないだろうか。
実は、においや性的満足といった、肉体そのものであり、本能的部分での好き嫌いの感情こそが大事。それらは免疫的な問題と直に関わりがあるのである。
・・・
女が自分と同じMHC(遺伝子)の型を持っている男を選ぶと、相手との間に生まれた子が、型を重複して持つ可能性が高くなる。型はバクテリアやウィルスと戦う際の切り札のようものであるから、同じ切り札を重複して持っても意味がない。できるだけ切り札のバリエーションをつけたい。
だから型の重なりの多い相手はよいにおいと感じず、避ける。そして重なりの少ない相手はよいにおいと感じて選びたくなってしまう、という心理が我々には備わっているわけである。
この応用版が、年頃の娘が父親のにおいを臭いと感じる理由である。
以上、本書は私のような素人にも理解できるように、多少砕けた文章で書かれていることもあり、ついつい笑い声が出てしまうこともありましたが、上記のように非常に納得できる内容がいくつも書かれている「良書」だと思いました。