離縁前提で嫁いだのにいつの間にか旦那様に愛されていました みんなのレビュー

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投稿者：S910　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

伯爵令嬢だがぬいぐるみ作りが好きすぎてぬいぐるみ作家として有名にまでなったため結婚にも興味がないヒロイン。
しかし7度も離婚している女嫌いの公爵令息に嫁ぐことに。
どうせすぐ離縁されるだろうと受け入れ、態度の悪い旦那様をそのうち別れるからと受け流しているうちに段々互いの良いところを知るようになり惹かれ合っていく話。

顔に惹かれて言い寄ってくる肉食系女が嫌いだったけど、自分に興味がないから適切な距離をとってくれるヒロインに興味を持って～という女嫌いヒーロー王道ストーリー。
気付いたら好きになってしまったヒロインに、今まで勝手に言い寄られてきたせいで女の扱いに不得手なヒーローというド定番の展開が非常に美味しくて良かった。
しかもちゃんとヒロインの姉を訪ねてアドバイスを求める辺り、頭が働くなぁと感心したわ。

二人が打ち解けていく中盤までは楽しく読んだのだが、終盤のすれ違いに関してはヒーローがボロクソ言われすぎて同情した。
実際心ない言葉を投げて傷つけたことは反省するべきだけど、ヒロインは反省すべき点を反省しないままだったので、ちゃんと謝ったヒーローのが好感度高い。
そもそも既婚女性への距離感を弁えてない隣国王子が無礼だったのは間違いないし、ヒロインも相手が王族で強く出られないし懐かしい友達だからと受け入れてしまわずに、自分はもう結婚したから適切な距離をとってほしいと言うべきだったと思うんだよね。
それに、ぬいぐるみ作りよりも好きになったヒーローと離縁の危機で傷心のわりに隣国王子への礼節を欠くわけには、と気を回す程度には心の余裕があったし。
ヒーローのデレだけ聞こえない突発性難聴の鈍感ヒロインで、終盤の展開さえなければ文句なしの良作なのにと残念に思う。