紙の本
若干消化不良...
2023/03/23 09:43
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
真保裕一さんは「ホワイトアウト」から四半世紀に亘って読んでいる作家です。本作も著者の「定番」ともいうべき、普通の人が意図せず事件に巻き込まれて戸惑いながらも真相を追う展開で、時が経過して困難な「過去の出来事を紐解き」が見どころでしょうか?昭和・平成・令和を貫く展開は読み応えがありましたが、最終盤があっさりしてしまった感がありました。大雨に乗じた戸籍取得の件は、中居正広さん版の「砂の器」と同じようなエピソードでしたし...。
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自分だけ実は父の子ではなく、他に本当の父親があるいる事を告げられた英美。その父とは大手ホールディングスの創始者・南郷英雄で、何者かに射殺された。
コロナ禍で実家の居酒屋の資金繰りが上手くいかず、英美はその父の遺産配分の権利があると言われ、心が揺れた。
父・英雄のルーツを知るべく、英美は英雄の過去を調べ始める…
英雄と言う人物のカリスマ性に驚きでした。
戦後まもなくの時代からの這い上がり、そして経営手腕は勿論の事、人を見る目が確かで名前の通りでした。
英雄を殺した犯人も意外で、やるせない事情で何とも言えませんでした。
英雄から受け継いだ会社を守るべく前へ進む英美の今後に期待です。
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主人公の植松英美は、中学生の頃に母親から突然出生の秘密を告げられる。
英美の父親は、弟と妹たちの父親とは異なる事実を教えられる。
実父がどのような人だったのかは母親は硬く口を閉ざして語らず、具体的には全く教えてもらえなかった。
英美の出生の事実を告げた数年の後、母親は亡くなり、父親について知る術を失ってしまう。
成長した英美は流通業に勤務し、数店のスーパーマーケットの管理を任され、忙しく過ごしていた。
弟の正貴は生活に荒れていた頃もあったが、今では定食を提供するはる屋を伯母と二人で営んでいる。
そんな日常の夜半、突如二人の刑事が訪れ、英美の素性と家族の様子を聴取される。
そして大企業の山藤ホールディングスの創業者である南郷英雄が、何者かに射殺されたと告げる。
その南郷氏が、英美の実父だという事実も知らされる。
英美は相続そのものへの関心よりも、相続権を遺してくれた父親とはどのような人物だったのか、昔の関係者を辿って父親である南郷の実像を知ろうとする。
昔に南郷と関係していた人物たちと出会う度に、父親の実像が徐々に見えてくる。
南郷を射殺した犯人は何者なのかも関心事となるのだが、警察はなかなか犯人に辿り着けないでいた。
戦後間もない混乱の時期から、どのような道を辿って大企業のオーナーにまでなったのか、ページのほとんどが南郷の歴史を振り返る物語が綴られる。
読み進んでいてもなかなか物語の結末が想像できないでいると、残り80ページ程から俄然核心に迫って行く展開となる。
南郷と一緒に起業し、企業を育ててきた田代諭という人物に英美は逢うことになる。
その田代が南郷と体験したこれまでの変遷を伝えられ、何故に南郷が射殺されたのか、その理由を明確に掴むことになる。
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『英雄』真保裕一氏
ミステリー★★★★
ビジネス ★★★★
相続 ★★★★★
【購読動機】
帯「圧巻の読み応えにページをめくる手が止まらない。心震わす壮絶な人間ドラマがここにある! 昭和、平成、令和を書く傑作長編サスペンス」。
購読動機は、これです。
【テーマ】
★のとおり、ミステリー、ビジネスそして相続の3つの要素があります。読者はそれぞれの視点から楽しむことができるのではないでしょうか?
私は、ビジネス的な側面から解釈しました。
【主人公と物語】
3名が物語の中核を担います。
1) 上場企業社長。創業者。年齢80代
2) 創業メンバーナンバー2。現在は退職。年齢80代。
3) 会社員女性。30代手前。
物語は1)が何者かに?殺害されて始まります。1年が経過しても犯人が見つかりません。殺人とともに別の問題が発生していました。それは、彼自身が所有する会社の株式や資産の相続です。
前妻(すでに逝去)の子供、現在の妻の子供に相続権が発生します。
しかし・・・認知していない子供の存在が明らかになりました。
それが3)です。
彼女は、相続する意思を固めるとともに、亡くなった父の履歴をたどります。あわせて、父を殺害した犯人に当たりをつけようとします。
【読み終えて】
ほかの読者のレビューを読みました。一つの小説をとっても「関心の幅」が違うことが新鮮です。私は、犯人が殺害した動機よりも、そこに至るまでの物語に興味を持ちました。
(改めて認識できたこと)
・目的と手段。手段は目的達成のために存在するもの。
・手段を選択する折は、法律順守、リスク、メリットの3つの側面から検討すること。
・能力。わきまえること。謙虚に学ぶ・生きるが困難なことであるが重要。
・¥。何がおきるか?わからない。浪費、消費そして投資。自身と周囲の選択肢を増やすための投資とは何か?を考え、注ぐこと。
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80歳になる大企業の創業者が射殺され、その非嫡出子と知った主人公が、父親の過去の人間関係を調べていくうちに、父親の秘密や成功までの道のりを知り犯人に近づいていく話。戦後の混乱の中での出来事や相続、時代とともに変わる企業のあり方など多くの要素を取り入れているが、人物描写や互いの関わり方の描写にリアリティが感じられず物語として情景が浮かばなかった。
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関係者に話を聞きながら過去に遡っていくストーリーは頭が混乱したが壮大で読み応えがあった。壮大だっただけに結末が狡いというか、正攻法での解決策を見出せなかった感が漂う。
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非嫡出子が、父親が殺害され揉めてる家族に入り込み犯人を追う⁈設定も極端だが、相変わらず主人公の推理力に理屈ぽい説明延々とで、普通の人からどんどんかけ離れていく。真保ファンとしては、残念な作品続いている…。ストーリーで楽しませてほしいな。
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英雄という一代で大会社への礎を築いた人物が、ある日、謎の凶弾に倒れ、その真犯人を追う過程で、遺産相続や後継者問題、隠し子騒動まで絡んで、事件の真相を追うにつれて、英雄の生い立ちを知ることとなり、生い立ちを知る過程で真犯人にたどり着くという展開なのですが、内容が濃いわりには展開がスムーズで早すぎて若干違和感を感じつつ、真犯人も、残りのページ数が少なくなり、この人物だなと想定できてしまい物足りなさを感じてしまいました。
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実の父が誰かを知らずに育った英美は、昨年殺害された大企業の会長・南郷英雄がその人だったと知らされる。否応なしに相続問題に巻き込まれ、しかし父がどんな人だったのかを純粋に知りたいと思った英美は、英雄の人生に関わった人たちに話を聞き、英雄の人生をたどることにする。重厚な読み心地のミステリです。
このタイトル、普通に「えいゆう」だと思っていましたが。序盤を読むと南郷英雄の人物像にいまいち好感が持てないこともあって、このタイトルは「ひでお」と読ませるのか? と感じましたが。「えいゆう」なんですねえ。読めば読むほど、好きか嫌いかは別として、南郷英雄はひとかどの人物だったのだな、と感じさせられます。慕われる面がありつつも、ある程度は嫌われるような覚悟もしないと、これほどの立場を築くことなどなかなかできはしないのでしょうね。
そして誰が何のために彼を殺したのか、を追求する部分は、物語としてのメインではないという印象でしたが。もちろん物語をたどるうえで明らかになりますし、物語の重要な一環でもあります。物語があってこそのこの真相には、深く染み入るものがありました。誰が悪かったというものでもないんだよなあ。なんともやりきれないけれど、印象的です。
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なかなかスリリングでちょっとした違和感というかこじつけ感とか何か調子良すぎな感じを持ちつつも一気読み。
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平凡に暮らす英美のもとに、会ったこともない実の父親が射殺されたこと知らされる。実父が大企業の総帥と知った英美は父親の人生を知りたいと調べ始めるが…。父「ひでお」は「えいゆう」だったのか。次々に明らかになる事実に英美は…。『ホワイトアウト』でファンになった作者さんどこへ向かうのか?
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書評で期待しすぎた。残りページ数が少なくなる中,嫌な予感がし始め,そのまま終わってしまった。期待しすぎた私が悪いのだが,残念。
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突然の刑事の来訪で、自分の本当の父が大企業の山藤ホールディングス創業者である南郷英雄だと知った英美。
その英雄は、射殺されて犯人もまだ捕まってなかった。
母とは、どうして知り合い何故名前も言わずに亡くなったのか。
その実父は、どういう理由で殺害されたのか。
遺産の件もあり、映美は実父のルーツを辿っていく。
そこには、父の知られざる過去があり、驚愕の真実が隠されていた。
やがて辿りついた先に…。
父親の回想録と現在とを交互に展開してゆくが、どうにも英雄の人物像が明確に想像できずに中途半端なまま進んでしまった感があった。
英美に関しても今ひとつ共感できず、盛り上がりに欠けた。
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『英雄』の過去のくだりそれぞれは面白いのだが、現代の話が全く面白くない。登場人物が多すぎるし、それぞれの行動が不自然すぎる。
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実の父親が殺されたことで,今まで知らなかった情報が警察からもたらされる.その会えなかった父親の過去を知るための行動が,警察も探せなかった犯人に辿り着く.その父親の破天荒な生き方が面白かった.