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先月の翻訳ミステリー札幌読書会で取り上げられた『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』の続編は、何と、全編、豪華客船オリエント号内での物語。偶然とはいえ、数日前に、妻から世界一周の豪華客船での100日クルーズなる提案資料を受け取ったばかりのぼくは、偶然とはいえ、豪華客船の旅を読書体験で味わうことになってしまったのである。
但し、本書でのクルーズはオーストラリアのシドニー~ニュージーランドのオークランドまでの5日間。そこに集まるはわれらがブッククラブの面々。今回はアンダースが本業の医師の仕事としてクルーズに乗り込むこととなり、彼の勧めで全員が船上に集結したものの、Dr.アンダースは本業で忙しいことと業務上の守秘義務などもあってメンバーとの距離感が目立ち、とりわけ主人公アリシアとの恋愛関係の側面も少しぎすぎすしてくるなど、前作に続きブッククラブ内の混乱が作中に散見される。
今回は女性の海上への転落による行方不明事件の真相を突き止めるべくブッククラブのメンバーはそれぞれに奔走する。メンバー外のゲスト・キャラクターたちも個性豊かで、行儀の悪いバーテンダー、もてもてのダンスホスト、クルーズ経験豊かな謎のご高齢三姉妹、車椅子の老婦人と、年齢差がありすぎる写真家の夫などなど、怪しい人たちが多すぎるのである。
船上という巨大な密室でありながら、限られて逃げられない登場人物たちは、オリエント急行ならぬオリエント号の中でそれぞれの個性を発揮してゆく。本シリーズの作家ラーマーは、個性を描き分けるのがとても上手いように思う。ブッククラブの面々だけでも個性がはっきりしてわかりやすい上、作品毎に変化するゲスト・キャラクターもオリジナルで癖が強く印象に残りやすい。
さらには本書は最後までどんでん返しの連続となる。いわゆる仕掛けの上の仕掛けといった、凝りに凝ったストーリーなので、本格ミステリーの好きな方にもおススメ。容疑者も沢山陳列されているようなので楽しいはず。
さて、この本を読み終えて、とりあえず作品中の事件は無事に解決したのだが、妻からの豪華客船での100日クルーズの提案は課題として未だ残る。ぼくにとっては一番の問題は、100日間のクルーズ中、新刊ミステリーが全く入手できなくなるという状況に耐えられるかどうか? である。例え新刊でなくても100日分の本(30~40冊?)を持ち込む? 豪華客船クルーズは、本中毒のぼくにとって、かくも苦しい選択肢なのである。さて?
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シリーズ2作目。今回は蒸気船オリエント号の中で起きる事件で、乗客の中に犯人がいる!というクローズドサークルもの。容疑者となる乗客たちが個性的で、なかなか面白かった。プロローグの前に注意書きがあるけど、終盤でクリスティの「オリエント急行の殺人」のネタバレがあるので、ネタバレが嫌な方はクリスティを先に読むのがおすすめ。
前作から続いてアリシアの恋愛模様も描かれているけど、ちょっと意外な展開かも? 次作ではどうなるのかな。
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シドニーからオークランドまでの豪華客船、
その名も『オリエント』そう来たらクリスティ読者はワクワクしないはずがない。
プロローグでの女性目線からもう~~
なかなか、集中出来なくてキレギレに読み終えてしまったけれど、まさかあの人が!という一冊目の驚きがそのまま継続していて謎も推理も二転三転出来て楽しく読み終えました。これからも味わう事の無い豪華客船の旅、味見させていただき有り難かった!
(と、それはまた別問題⤵️)
読書会メンバーのそれぞれの持ち味、もっと堪能出来れば良かったけれどそれはそれ。
次回作も期待が高まります。
訳者あとがきにもありましたように、また
楽しみに待っていてよろしいんですね!
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マーダー・ミステリー・ブッククラブの第2弾
題名からわかる通り舞台は船上で、クリスティ作品へのオマージュを感じる作品。
豪華クルーズに参加したことないから、読んでてイメージが膨らんで楽しかった!
特に、題名に「オリエント」がはいってるから、自然とクリスティの様な煌びやかな雰囲気を想像してしまう!
けど、犯人の動機がいまひとつな気も…
どうしてあれだけ献身的になれるのか、バックにある背景が知りたかったなぁ〜
けど、物語自体テンポよく進んで個人的にはすごく読みやすかった!
第三弾も期待大!!
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コージーミステリの魅力満載、隅々まで楽しめました。メンバーのプロフィールも読んでいるうちにだんだん思い出してくる、続編読む醍醐味も味わえました。オリエント、というタイトル、まさかあの通りの展開じゃないよね!と若干の懸念がありましたが、いい感じのオマージュで楽しめました。一緒に船旅をしているような気分に浸れて満足です。年齢だけは十分参加資格あるので、財力面でも資格を得ていつかこんなゴージャスな世界に参加したいものです。殺人事件はお断りですが。アリシア、新しい一歩踏めそうですね。次作が楽しみです。
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オリエント急行くらい印象的であれば必要ないが、元ネタを覚えていない作の場合にどうするか。クリスティ読み返しの機会かもしれぬが、その余裕あるのか?
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ブッククラブの見せ場がなく、アリシアとアンダースのゴタゴタが長く感じた。それでも束の間、オリエント号で旅している気分に浸れた。訳者あとがきで4作目がオススメみたいなので、とりあえずは今年発売予定の3作目に期待したい。
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マーダー・ミステリ・ブッククラブのメンバーはひょんなことから蒸気船オリエント号に乗船することに。がしかし優雅な船旅の夢もそうそうに儚く消える。それは船長の妻が海へと落ちてしまったこと。そもそもブッククラブのメンバーが乗船する前から宝石の盗難が相次いでいた。宝石の盗難。海へ落下事故。そしてとうとう刺殺死体が発見され……。
いやあ、ものすごく面白かった!ブッククラブのメンバーがそれぞれ見聞きしたことも含めて、うっすらと何かありそうだぞ?という意識を持ちながら読むのが本当に楽しかった。早く真相が知りたくてページをめくる手がもどかしかった。作中に出てくるアガサ・クリスティ『オリエント急行殺人事件』も華を添えていて良かった。ちなみに『オリエント急行殺人事件』のネタバレにあたる部分があるのでそこだけ注意。
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マーダー・ミステリ・ブッククラブシリーズの二作目。一作目でブッククラブのメンバーの性格や関係性がわかり、本作ではまた違う楽しみ方ができた。舞台は蒸気船オリエント号、たくさんの乗客やクルーが登場する。
ブッククラブ主宰者のアリシアは前作で、メンバーで医師のアンダースとの関係がどう進展していくのかが気になるところだった。しかし予想外の展開になっていてとても驚いた。
本編を読み終わった後の楽しみが「訳者あとがき」。シリーズ三、四作目の情報をゲットできた。あー楽しみ。
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前作よりは面白かった。
トリックも、その目撃情報が誘導されたものだとは。
また殺人事件以外にも盗難事件もあり、絡みあってて面白かった。
車いすの女性については、歩けるんじゃないかとずっと疑念があったのでさもありなん。欲をいえば、彼女が歩けるということ示唆する手がかりが欲しかったかな。
ラブロマンスとしては、2作目でもう?みたいな展開。医者として、雇われとして、守秘義務があるから話せないアンダースの気持ちがよくわかるので、前回事件に首ツッコんで解決できたとしてもそんなホイホイ話せない。付き合い初めにこれでぎくしゃくするのもわかる空気なのが面白い。かといってジャクソン刑事もどうかな。医者と刑事で揺れるのは面白いので、これからもサブエッセンスとして描かれて言って欲しい。
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シリーズ2作目。
マーダー・ミステリ・ブッククラブのメンバーは蒸気船オリエント号の豪華クルーズに参加することに…メンバーの1人であり、オリエント号の臨時の医師として乗船しているアンダースに誘われたのである。アリシアにとっては、恋人アンダースとのロマンチックな船旅を期待していたのだが、乗客の死亡や転落事故の行方不明、窃盗事件などが起きて…
三部構成なのだけど、第一部はアリシアがアンダースとの関係にヤキモキしてるところがメインで全然読み進められなかった…ミステリーじゃなかったっけ??って思ってしまった(・・;)
終わり頃に起きた転落事故から一気に引き込まれた。事件の結末は私の予想とは違ってた。一部予想通りだったのもあるけど。
そして、アリシアとアンダースの関係も予想外の展開に…私はアンダースよりもジャクソン刑事の方が好きなキャラかも。アリシアの恋愛もどうなるか気になるから次回作も楽しみ\(^o^)/あとがきを見ると4作目まで刊行しているようなので。
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「マーダー・ミステリ・クラブ」の第二弾。今回も謎が面白く、楽しく読めました。前回は全員で取り組んで解決したけど、今回は主人公のアリシアが大活躍。いつものメンバーがあまり出てこなくて、そこが物足りないかな。アリシアが終始怒ってばかりで、最後に振られる?アンダーソンがちょっと可哀想かも。新たに出てきた刑事さんはカッコいいかもしれないけど、あまり有能だとはいえないけど、アリシアはそれでいいのか。とりあえず4作目までは出ているそうで、また楽しみが増えた。
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マーダーミステリーブッククラブシリーズ、2作目。
メンバーがいまいち弱いというか、魅力がないんだよな~。アリシアがあんまり好きになれないのが、原因。しかもアンダースン、1作目がどんなキャラだったかよく覚えてないが、今回はほんと全然ダメな感じ。どうした~なんかかわいそうにも思えてくる。
新キャラのが良さそうなので、次作はちょっと期待できるかな~
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シリーズ2作目。
アリシアたち、ブッククラブのメンバーは、蒸気船オリエント号での豪華クルーズで5日間の旅に出る。
メンバーでアリシアの彼、アンダースが医師として乗り込むので、お得な旅に誘われて。
アリシアは彼との甘い旅行を期待して乗り込むが、アンダースは多忙な様子。
更に、翌朝、老婦人がベッドで冷たくなっているのが発見され、ますます2人の時間は無くなっていく。
富豪の三姉妹、若い夫をもつ車椅子の老婦人、アマゾネスのような船長夫人、口の悪いバーテンダー、客船で知り合った面々も何やら怪しげで。
クリスティのあの名作を思わせる豪華客船に乗り込んだブッククラブのメンバーたち。
人が死にすぎる気もするけれど、着地してみるとなるほどな展開。
前作で知り合ったアリシアとアンダースの関係がジリジリともどかしく、事件と共に2人の関係が変化していくのが寂しいけど、リアルだった。
最後まで彼は良いところナシだったなー。
オージー(オーストラリア人)のキーウィ(ニュージーランド人)観がチラチラ出てくるのも興味深い。
クリスティの本を持って、5日間でいいからこんな船旅をしてみたくなる。もちろん、事件は抜きで。
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前作でとある失踪事件に巻き込まれた〈マーダー・ミステリ・ブッククラブ〉の面々。
今作は早くも家のダイニングを飛び出し、蒸気船のクルーズ旅行へ。もちろん、そこでも事件に遭遇し、調査に乗り出す。
船旅中の事件というのはミステリでもよく扱われるシチュエーションだと思う。旅行という非日常感と、海上・船上という密室。私も大好きな舞台のひとつである。
前作の終盤からとある変化をしつつ迎えた今回の船旅で、主人公アリシアの複雑な心境と謎だらけの(しかも複数の)事件。
タイトルからもおわかりのように、アガサ・クリスティーの名作『オリエント急行の殺人』にもなぞらえられそうな船上の密室劇が楽しかった。
限られた空間で限られたメンバー。外界とは隔絶されている。条件は地上の密室も同じだが、そこに「旅」という要素が加わると、より刹那的な人間関係や駆け引きが生まれるのだと、個人的には思っている。
シリーズ2作目にして新しいキャラクターも登場するし、今後もますます楽しみなシリーズだ。