紙の本
玉石混淆
2023/09/17 20:39
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投稿者:しゅんじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
伊藤典夫と聞いてハードルを上げて読んだけど、よく判らんものも混じっているのが伊藤セレクションらしい。海外の短編集はよくあるが、SSは珍しい。年代的にどうしても古めかしいのは仕方ないが、それでも読んで良かったと思える作品が結構あった。表題作はあんまりいいとは思わなかったが、まあキャッチーなタイトルだからなあ。『一ドル九十八セント』じゃ売れないだろうからなあ。
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1975年だからかなり古いショート集
懐かしいにおいがする。魔法のランプ、タイムパラドックス、アルジャーノン、ベンジャミンバトンなんかも読める。楽しいな。
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「異色作家短篇集」より「幻想と怪奇」かな、二昔くらい前のSFホラーの掌編アンソロジーという感じで、懐かしくて愉しい。意外とアイデアストーリーでなく、「地下室のなか」あたりが典型だが、オチの分かりきった話を語り口で読ませる話が多いのが意外でもある。
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あの伊藤典夫さんが32歳で初めて編んだアンソロジーの増補復刊。1975年当時のあとがきでは「SFを中心とするファンタジイの花畑で」と書いているのに対し2022年12月の追記では「ぼく自身、この頃までのSFとファンタジイにもっとも愛着がある」と、SFとファンタジイを分けて並記しているのに、時の流れを感じます。収められた短編はどれも女性蔑視や女性嫌悪が如実なのがちょっとつらいですが、初出一覧をみればほとんどの作品が1950年代の作なので、そうした時代のなかで産生された作品として味わうしかないでしょう。粒より揃いなので悩むものの、ベストはアラン・E・ナース『旅行かばん』。
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翻訳ってこともあるだろうけどショートショートは日本の方がレベルが高いと思う。
『吸血鬼は夜恋をする』はよかった。
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・伊藤典夫編訳「吸血鬼は夜恋をする」(創元文庫)を読んだ。「SF&ファンタジイ・ショートショート傑作選」と副題がつく。本書は創元の SF文庫の1冊である。これくらゐ の副題がついても当然であらう。作者には私が知らない人のほうが多い。もしかしたらここにはSFで有名な作家が多くゐるのかもしれない。しかし私には分からない。私に分かるのは、マシスン、ブラッドベ リ、ライバー、コリアぐらゐなもので、この23編中ではほんの一握りである。ただマシスンは本書に多く入つてゐる。ブラッドベリは1編しかないのに、マシスンは5編入つてゐる。嗜好の差であらう。SFに詳しい人ならば、これを見て伊藤典夫の嗜好性を知ることができさうな気がする。それほど多くの作品のアンソロジーである。ただし作品は短い。ショートショート傑作選といふ だけのことはある。長くても10 ページ程度である。難しい作品はほとんどない。好みはあらうが、それは気にしない。
・レイ・ブラッドベリ「お墓の引越 し」はこの人らしい作品である。婆さまがシモンズの墓を引つ越すこと にした。簡単に言へばこれだけのことである。その中で婆さまはいろい ろと言ふのである。初期のブラッド ベリの嗜好がよく出てゐる作品である。墓場と言ひ、婆さまと言ひ、骨と言ひ、これらはブラッドベリの好きなものであらう。マシスンの最 の作品は「死線」である。妻の出産をひかへた大晦日、医師のビルは急患の電話で呼び出される。急患の老人の言ふことに「わしは一歳だ」(27頁)……さうして妻は無事出産をした、新年の最初に。といふわ けでビルは愕然とする。つまり、「毎週毎週二歳ずつ年をとってい」 き、一年で死を迎へる人間がゐるといふことである。3番目のマシスン、「白絹のドレス」は少女の話、妄想とでも言つてしまへば簡単なのだが……母が死に、祖母に育てられてゐる。メアリ・ジェーンと遊ぶが仲違ひする。さうして閉じ込められる。母親思ひの娘のありがちな妄想、たぶんそんなところなのだが、かういふのはショートショート向きのラストである。4番目の「わが心のジュリー」も同様である。最後の「このつぎは何かもっとおもしろい方法を考えよう。」(207頁)で この女がいかなる女かが分かる。つまりはすべて仕組まれていたといふことである。しつこいが5番目は「コールガールは花ざかり」であ る。この場合は、コールガールの訪 問を受け続けてゐて、それを警察等に報告するのだが何もしてくれないのでいよいよ引越しかといふところで、新たに「軽快なスポーツ・コー トをきた、ハンサムな、口ひげのある若者がいた。」(301頁)もちろん言葉は「奥さん、いる?」(同前)である。今ならさしづめホストといふところであらう。女から男に転換してまた続くのである。2番目 は手話をする女とそれを読む女の物語「指あと」、しばらくさういふ場面が続き、「わたし」との会話になる。さうして最後に読む女が欲情 (?)するが、結局はもとにもどる。ただし手話をする女は「ちらりと見えた顔は興奮に上気していた。」(71頁)といふわけで、どうやら見せるためにやつたらしいと知れる。といふわけで。ショートショートはラス��が命である。それがいかなるラストになつていかに意 表をつくか、これがポイントであ る。マシスンも苦労してゐるやうだが、見え見えのもあり、苦労してゐるらしいと知れる。
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吸血鬼もののアンソロジーだと勘違いしていたが、SFファンタジーとしっかり書いてあった…。読みやすいけど思ってたのと違ったのでざっと雰囲気だけ味わった
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短編集。ショート・ショート。
SF。ファンタジー。ホラー。
1930~1960年代の作品集。
ショート・ショート自体も、作品のジャンルも好きなこともあり、かなり満足。
全体的にはホラー作品に好きなものが多かった。
好きな作品ばかりだが、ベスト3を挙げるなら以下3作。
リチャード・マシスン「白絹のドレス」
クロード・F・シェニス「ジュリエット」
フレデリック・ポール「デイ・ミリオン」