紙の本
グッゲンハイム
2023/06/23 19:08
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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
グッゲンハイム美術館、行ってみたくなりました。
近代美術って全然興味がなかったのですが、そういう見方をするのねと。
少年少女たちの成長もみずみずしくて、ミステリ以外の楽しみも十分。
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CL 2023.3.9-2023.3.12
テッド、カット、サリムの成長著しいシリーズ2作目。読んでいる途中では作者が違うことをすっかり忘れていたくせに、読み終わったら前作に比べて謎解きの鮮やかさがかなり足りないような気がして、あぁ作者が違うからか、などと思ってしまった。
とは言え、3人が論理的に情緒的に謎を解いていく過程は十分楽しく満足。
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訳者あとがきにある通り「みずみずしい」物語。よくある「そんなに上手くいく?」みたいはこじつけが無くスッキリ読めた。
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「ロンドン・アイの謎」の続編。
少し人と違う個性のある少年テッドが、姉のカットや従兄弟のサリムと共に、叔母に罪を着せられた絵画盗難事件に挑む。
著者の早逝により、新たな作家によって書かれていすが、違和感なく物語を楽しむことができました。
確実にテッドは成長しているし、特に3人の少年探偵チームが、ニューヨークで推理と冒険に挑む姿が生き生きと描かれています。ミステリ度としては、前作の方が完成度が高いと思いますが、シリーズとして非常に面白いし、何より多くの子ども達に読んでほしいな、と思わせる作品でした。
今のところ次作の予定はないとのことで、そこは残念。
グッゲンハイム美術館や、作中で盗難にあう絵は実在しているそうです(ネット検索ですぐに見つけました)。
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★5 テッドたちが帰ってきたよ! ニューヨークの美術館で絵を盗んだ犯人を探せ #グッケンハイムの謎
■あらすじ
『ロンドン・アイの謎』に続く、少年テッドたち大活躍するジュブナイルミステリー。
今回の場所はニューヨーク、火事の騒動に紛れてプライスレスな絵が盗まれてしまった!容疑者になってしまった叔母を救うため、可愛い子供たちが少年探偵団よろしく捜査に奔走する物語。
■レビュー
待ちに待った『ロンドン・アイの謎』の続編、楽しみにしてました!
残念ながら前作の作者/本作の原案者シヴォーン・ダウト氏は亡くなってしまいましたが、作品の魂を引き継いだロビン・スティーヴンス氏が執筆をされています。本当にありがたいですね。
さて本作のレビューですが、前作に引き続いて主役の子どもたちが可愛すぎで尊い…
・人とのコミュニケーションが苦手だけど、誰よりも高い記憶力と論理的思考を持つ主人公、テッド
・心根は優しいけど、中学生という大人になりかけ世代で何もかも不満気味の姉、カット
・家族と仲間想い、新しい街での生活に希望を膨らませている、いとこのサリム
まだ小さい子どもたち、元気で無邪気に生きているように見えますが、実はいつも生きるのに必死、不安でいっぱいなんです。時には喧嘩したり、ギクシャクしたりしながらも、手を取り合って難題に立ち向かう姿に自然と涙がでちゃうの。
特に主人公デッドが人との付き合い方に苦心する描写があまりにも強烈。親世代の私としては只々抱きしめたくなってしまいました。
そして今回のミステリーは、犯人探しと不可能犯罪の解明です。
前作よりも昔ながらの推理小説が如く解き明かしていく展開で、さらに綿密な内容になっています。
あいかわらずテッドの分析能力が鬼スゴで、たくさんの容疑者と可能性をリストアップし、ひとつひとつ潰していく。
児童書とは言いつつも、完全に本格ミステリーで、終始ロジカルな考察を繰り広げられていきます。たくさん提示された情報から、少しずつ見えてくる真相には興奮がとまらず、中盤以降は完全に一気読みでした。
前作に引き続き、作品全体から愛情がぎっしり詰まった本作。大人から少年少女まで、どんな世代にも読んでほしいミステリーでした。
■推しポイント
とくかく可愛い子どもたちの成長が胸に刺さる。
彼らへのメッセージを贈らせてください。
お姉ちゃんカットへ:
あるきっかけから、自分の夢から逃げたりごまかすのではなく、立ち向かうことができるようになりました。
熱意と勇気があれば、みんながあなたの味方になってくれますよ。
そして今後も、誰よりも弟想いのお姉ちゃんでいてあげてください。
いとこのサリムへ:
自分の未来がかかったプレッシャーのかかる困難にも関わらず、最後までくじけずに頑張ることができました。
チームのまとめ役になって、みんなを元気づける姿が眩しかったです。
これはあなたの強みですよ、将来は社長さんですね。
テッドへ:
弱い人を守るためには、���実や分析結果ではなく、嘘や曖昧さが必要になることがあります。あなたはそのことを学習し、今回ある人を守ってあげることができましたね。
自分を犠牲にしたり、変化させたりするのは、チャレンジングで難しいことなんですよ。大変よく頑張りました。
さあ皆さん、人生はこれからです。
さらなる課題や困難がでてくるでしょうが、愛情と成長の意識をもってさえいれば、きっと良い結果が得られます。これからも楽しく、元気に、胸を張って歩んでいきましょう。
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『ロンドン・アイの謎』の作者、シヴォーン・ダウド。
47歳の若さで急逝したあと、
彼女の大ファンだった作家によって書かれた続編を読むことができるとは…。
この作品の作者、ロビン・スティーヴンスは、
シヴォーン・ダウド基金から打診を受け
登場人物たちと短いタイトルだけを手掛かりに物語を組み立てたそうです。
ダウドの作品を愛する人たちの力によって続編が書かれた
経緯そのものが奇跡です。
さて、テッドの新しい冒険の物語。
『ロンドン・アイ』の物語のあとでニューヨークに向かったテッドたち。
晴れてNYグッゲンハイム美術館の正職員として赴任することになった
ママの妹グロリアおばさんと従兄弟のサリムを訪ねます。
テッドの家族は、修復中の美術館で
特別なプライベートツアーに案内されることに。
ところが、館内で火事(?)騒ぎがあり、
その最中に絵が一枚盗まれてしまいます。
そしてある証言から、グロリアおばさんが容疑者として逮捕され
テッドたちは盗難の謎を解くために慣れないニューヨークを奔走します。
最初の章。
NYからロンドンに戻って三か月後のテッドの語りから始まります。
「友だちは七人。いままでについた嘘は九つ」
前作では友だちは六人、ついた嘘は三つでした。
テッドは嘘をつくのが得意ではなく、つい本当のことを言いかけては
お姉さんのカットに足を蹴られたりする 純粋な心の持ち主です。
ただ、九個目の嘘をついたあとのテッドのこんな記述は印象的。
「うそをつくほうがいいときもあることに、ぼくは気づき始めていた」
嘘がいいとは言いませんが、ここはテッドの成長がうかがえるところです。
12歳から14歳の三人の子どもたちが、全力でグロリアおばさんを助けようと
知恵を絞り、身体を使う姿がなんとも愛おしい。
また、この経験を通してそれぞれが自分の未来をしっかり見据えていく。
なんて清々しいんでしょう!
翻訳者が同じこともあり、別の作者が書いたと知っていても
シヴォーン・ダウドが語っているように思えるような
ワクワクが止まらない内容でした。
原文で読んだらどうなのかな? と興味の湧くところです。
とりわけ、心を動かされた最後の一文。
ここだけでも知りたいな。
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『ロンドンアイの謎』からさほど時をおかずにまた、テッド少年に出会えたこと、皆さまに感謝申し上げたい!
緻密に練られた計画とそれより丁寧できめ細やかな推理。そして、実在する美術館と作品。素晴らしい本だとしみじみ思いました。
可能ならまた、テッド少年に会いたい。
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すごい!すごい!すごい!
作者であるロビン・スティーブンスがシヴォーン・ダウトの急逝によって幻となってしまった『ロンドン・アイの謎』の続編の執筆依頼を受けたとき、ロビンの手元には『ロンドン・アイの謎』の物語と『グッゲンハイムの謎』というタイトルだけだったらしいのです
それだけでこの素晴らし”続編”を書き上げるなんて
んんん
もう、ありがとう!しかないよ
本作が素晴らしいのは前作をただ踏襲しているわけでなく、ちゃんと成長してる!ってところなんよ!!
テッド、カット、カリムのチームが自分らしさをそのままに物語を通して変化していく、成長していってるのがすごいよくわかるんよね
いやー、ほんとにこの人しかいない!って人に依頼したシヴォーン・ダウト基金の人たちも偉い!!
そして本作では「お姉ちゃん」カットが多めなのもほっこりポイントとしてあげたい
実は誰よりもテッドの能力を信じて疑わないのがカットなんよね、もうそこに関しては揺るぎないの
そして弟のことを理解して守ろうとするんよ、両親の目が問題を抱えた弟に行きがちなところに嫉妬心を抱えつつね
もう「お姉ちゃん」カット最高
そしてそして今作も人が死なない探偵小説の大傑作となっておりますので、小さなシャーロックホームズの冒険を焼き付けてくださいな!
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今作も爽快で面白かった。
大人の目を掻い潜り、テッド、カット、サリムの子供たちだけで事件の真相を探るワクワク感が堪らない。
人の気持ちが分からない、嘘がつけないテッドが前回よりも成長していた。今回もテッドの抜群の記憶力、観察力を活かして解決に導く。いざという時はカットもサリムもその能力を信頼して頼るのが嬉しい。
テッドの『ぼくは、ぼくでいられてうれしい。』という気持ちがとても良かった。
ロビン・スティーヴンスが逝去したシヴォーン・ダウドの原案を引き継いで書いたとは思えないくらい、違和感がなくて凄い。
ロンドン・アイの謎と共に何度も読み返したい作品。
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作者あとがきを読んで鳥肌がたった。シヴォーン・ダウドさんが亡くなって別の方が引き継がれたのは知っていたけど、執筆するにあたって、持っていた手がかりが『グッゲンハイムの謎』という短いタイトルのみだったとは… たったそれだけでここまで書き上げたのは本当に凄い…
盛大な拍手と、また私たち読者をテッドに会わせてくれた感謝を送りたい。
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おかえり〜テッド〜! また会えたね〜!
皆さん、安心してください! 本書は、単なる前作の踏襲、延長線上の作品ではありません!
確かに前作『ロンドン・アイの謎』がとても素晴らしく、待ち焦がれた続編なのですが、(皆さんご存知の通り)作者が別人‥。
どうなのかな、と懐疑的な面もあったのですが、よかったーっ! 全く杞憂でしたー。逆に、とても意義深い作品になっていると感じました。
そう感じた理由は、著書のスティーブンスがダウド(前作者)の遺志を汲み、研究を重ねて、あたかもダウドが書いたものと思えるほどの仕上がりになっている点です。更に、単なる踏襲ではないと前述した通り、テッドとカット(姉)が様々な点で成長している様子が描かれていて、とても微笑ましいんです。
んんん、やられたなぁ。素晴らしい! 詳細は是非ご一読を!
テッドの視点で書かれ、平易な言葉でテンポよく読み進められるのは前作同様、構成・内容も素晴らしいので、児童から大人まで、また楽しめる良書が一冊増えたと言っていいでしょう。
「作者あとがき」にある通り、実在するグッゲンハイム美術館(フランク・ロイド・ライト設計)、カンディンスキーの幾何学的な抽象画<黒い正方形のなかに>を、ネットで調べてみました。
んんん、テッドにピッタリの建築物・絵画!
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グッゲンハイムは憧れの美術館。そこが舞台というだけで期待値MAX。しかし愛するカンディンスキーが雑に扱われ、忍びない想いに駆られっぱなし。ストーリー上仕方ないとは言え、それで勢い削がれた感が強いのは確か。子どもたちにこうも大人が素直に話すものか、、とも思いましたね。でも、事件を地道に解明していくプロセスはやっぱりこの作品ならでは。人の見えないところを見る、テッドの目は今作でも効いてます。
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『ロンドン・アイの謎』の続編。登場人物は増えたが、上手く整理されていてわかりやすい。YA世代の推理小説入門者におすすめ。
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一行目:ぼくのことをまず紹介しよう。
2作目も大変面白かった。これで作者が違うなんてビックリ。
謎解き自体ももちろん面白いが、今回はロンドンからニューヨークに舞台を移し、言葉や食習慣、電車の様子など、2つの都市の違いも楽しむことができる。
特に海外に疎い私は、テッドたちといっしょに観光をしたような気分。
YA図書として各学校にしっかり置いてほしいなぁ。
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故シヴォーン・ダウドの構想が受け継がれ、テッド&カットがカムバックを遂げた。
今回の舞台はいとこのサリムが越していったNY、おばのグロリアが勤務するグッゲンハイム美術館。
2人の元に遊びに来たテッドとカット、母のフェイスに美術館を案内しようとした矢先、館内に煙が立ち込め警報が鳴り響き消防隊が呼ばれる事態に。
しかし煙の原因は発煙筒、さらにはさっき観ていたカンディンスキーの”黒い正方形の中で”がなくなっている!
警察の調べでは事件直後に搬入出口から木箱を持ち運ぶトラックがいたことがわかり、しかもその支払いがグロリアのクレジットカードから引き落とされていたことから、グロリアが逮捕されてしまう。
おばの容疑を晴らすためテッド&カット+サリムでNYの街を飛び回り、真犯人を探し出す。
人の言ったことをそのままの言葉で受け取ってしまいがちなテッドが暗喩や直喩を学び、いちいちこれは直喩、これは暗喩と整理する姿が微笑ましい。
自然発火減少に執着するあたりもニンマリ。
そうかと思うと、”可能性を網羅的に書き出し、ひとつひとつ潰していき、ちょっとづつ真相に迫りながら、でもちょっと届かない”感じが本格であり、冒険小説の色合いを存分に出している。
ただ、個人的には『ロンドン・アイの謎』が完璧過ぎた。
遺志を継ぐ形で世に出されたことはうれしい限りなのだが、何が足りないのかうまく言えないぐらい何かがちょっと違う。
もしかしたらこの設定そのもの(ハンディキャップも吹き飛ばす、愛おしき少年探偵テッド)が2作目に向いていなかったのかもしれない。
商業的な臭いを感じるというか、味を占めた感じがするというか。
穿った見方をし過ぎかな。
『ロンドン・アイの謎』は娘に推しに推して読んでもらった(結果最終的には物凄い勢いで読んでいたw)が、本作は「読む?」に、「いや、大丈夫」と言われ、それ以上無理強いすることはしなかった。
今のところ続編の予定もない模様。