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物語には終わりはない…吉田さんの紡ぐ物語はいつだってそう。そっと始まり、さぁここからどうなるのか、というところでプツンと切れる感じ。物語の余韻を引きずりながら、また別の物語へそっと誘われ、次から次へ物語の連鎖が続いていく。
静まり返った夜、眠る前のほんの一時。おとぎ話のような不思議な空間にしばし迷い込む。
いつ眠りから覚めるのか自分でも分からない「冬眠者」
細やかな幸せを噛みしめる「5391番目の羊」
持ち主に語りかける「しゃべる冷蔵庫」
夜に響き合うロマンチックな「合奏」
寝静まった夜に灯られる天使の「常夜灯」
不可能と思われた「右手と左手の握手」の謎
吉田さんの物語に出てくる素敵な造語とイラストに、今回も癒やしをもらえた。
特に表紙のオレンジの木は今にも爽やかな香りがこちらまで漂ってくるようで、真っ暗闇をほのかに照らす灯火のようで、心が穏やかになった。
素敵な夢の世界に誘ってくれるショートストーリー集。
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吉田篤弘さんの名著、『月とコーヒー』のファンの方、お待たせしました。今日を乗り越えた自分へささやかなご褒美の、眠る前に読むものがたりの復活。たぶん、吉田篤弘さんの意図だと思います。『月とコーヒー』と本のサイズもぴったりで、ぜひ、隣に並べたい本。バカげた夢だと言われてもいい。それでも、吉田篤弘さんが紡ぐものがたりが、大好きです。
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青いインクのエピソードが入った短編集と同じ構成だー。
中庭のオレンジのエピソードが忘れた頃に来る感じ、とても好き。
これのおかげで全ての短編が何かしらつながってるような気すらしてくる。
オレンジの話はもちろん、他に眠れないときに数えられる羊の話があり、それがとても良かった。
ハイナンバーの羊はほぼ毎回呼ばれ、4000番代などの羊はそうそう呼ばれないし、呼ばれたとしても6時間後くらいだからそれは眠り羊としての役割を果たしておらず、給料がもらえない。切なすぎる。でもハイナンバーの羊は人の夢によって柵が高くなったりしてしんどいらしい。仕事って大変だ。
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中公文庫既刊関連作を含む至福の掌篇小説集。〈中公文庫創刊50周年記念刊行〉と紹介されています。
半ばまで読んだ時、ふと気になって「あとがき」に目を通しました。そこには、、、
”でも、もう一度書きますが、自分の子供の頃の読書には、答えも終わりもなく、そこにあるのは、理屈を超えた「たのしい」「ふしぎ」「こわい」「かなしい」「さみしい」でした。”と書かれています。
確かにそうですね。起承転結でいえば、結はおろか転も無い、極端なのになると起の途中で終わっています。普通に言えば尻切れトンボですが、何となく吉田さんらしいな~と「ふしぎ」「かなしい」「さみしい」などを楽しみました。特にこの本の表題に関わる「中庭のオレンジ」「オレンジの実る中庭」「オレンジ・スピリッツの作り方」の3編が沁みます。
本の外見は気にしないのですが、これはちょっと驚きました。単行本よりかなり小さく、文庫本より一回り大きイサイズ(165x120㎜)、これが妙に手になじみます。製本は非常に丁寧で、背と表紙の繋部分の「耳」や「溝」がとても綺麗に出来ています。さすが装幀家の本ですね。
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子供の頃に読んだ物語を思い浮かべた。
大人向けの、嫌な事の起きない可愛らしい物語が沢山並んでいる。
寝る前に読んで、ほっこりした気分になって、安眠できる本。
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初めて読む吉田篤弘作品。
寝る前に読む本を探していた時にTwitterで知った本。
読み心地良くて静かで不思議で余韻が残る。
あともう少し読みたいなと思うところで話が終わるので想像が膨らむ。
月とコーヒーも読んでみたい。
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「月とコーヒー」の
続きジャケ買い
短編の物語の間に
「中庭のオレンジ」
の物語が挟み込まれてる
カテゴリが小説ではなく
「物語」な一冊
本ひとしずくにて購入
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短編集。
童話のような不思議な話が多かった。多くを語らず、それでいて読み終わった後に心にじんわりくる。スープの話、バンパイヤ退治の話、天使の話が印象に残った。
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明確な起承転結よりも、教訓よりも、スリルやサスペンスや爽快感よりも、ただ、ここではないどこかを垣間見るような、異国へ連れて行ってくれる不思議な短編集。子どもの頃の読書の気持ちを思い出した。とても好き。
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「中庭のオレンジ」の冒頭で、「大きな争い」がかつてあったことが暗示されます。「オレンジの実る中庭」「オレンジ・スピリッツの作り方」と繋がって、戦争の破壊から生き残った思いが刺さります。何処か荒廃した世界で、ささやかに生きる人々へのリスペクトとエールを感じました
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寝る前に読む短編シリーズ。
よくわからない、、で終わった話が何個かあった。けどあとがきを読むとそれも納得してしまう。
・物語はいつも途中から始まって途中で終わる。
・大人になって余計な知識がつくと何か答えや終わりを探してしまう。けどそんなものはなく、そこにあるのは理屈を超えた「たのしい」「ふしぎ」「こわい」「かなしい」である。
その通りで、本をたくさん読むようになって、何かを得ようとしたり求めてしまって読んでる自分がいた。何かを求めるばかりではなく、ただなんとなくドキドキワクワクする気持ちになりたくて、たくさんの物語を読む、でいいんだよなと思わせてくれた。
吉田さんの「あとがき」いつも感慨深いな、、、
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少し不思議な雰囲気を持つ短編集。
丁度よい長さで話が終わるので、飽きずにすらすら読めた。
表題作の中庭のオレンジは戦時下、本を守るため図書館の中庭に本を埋め、そこにオレンジの種をまき、育ったオレンジの実には物語が宿るというお伽噺みたいなお話。素敵。
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中庭のオレンジに埋めた本から紡がれていくボリュームたっぷりな21話が優しく詰まった短編集。どの物語も素敵なんだけど、毎回あとがきが物語よりも素敵過ぎて読むのが楽しみ。物語に終わりはない、読了後も解釈をしたり、想像したりして終わらなくていいのだと改めて読書の楽しみに気づかされた。大人のための童話のような一冊。
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この作家さんの作品の世界観好きだなあ。
10頁ちょっとの短いお話なのに、別の世界に連れて行ってくれる感じがする。
柔らかな雰囲気のせいか、読んでいると穏やかな気持ちにさせられる。
これは夜に読むべき作品かも。
眼鏡を失くした二人のやり取りや夢の中でカウントされる羊の言い分がユニークで好き。
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可愛い ー そして オシャレー
大きさも単行本と文庫本の中間のサイズで絶妙な厚み、玉手箱を開くような感覚です。
作者の吉田篤弘さんは装幀や挿絵も手がけているそうで、作者の感性がぎっしり詰まった作品です
内容も童話のような不思議な世界感で、メッセージもしっかり伝わります。絶妙な長さの短編21話です。
大人脳の私は初め不思議な話に戸惑いました。"あとがき”を最初に読みやっとどう読むのかがわかりました。~物語はいつも途中から始まり途中で終わる。本のページは終わりが来るけれども、物語はこのあとも続いていく ~
戦火で 本が焼失しないよう 図書館の中庭に本を埋めました。やがてその場所にオレンジの木が育ち、オレンジの果実から物語が蘇るというとう設定です。
好きだった話は常磐線の近くに捨てられた犬が題名の「ジョー・バンセン」「ミミズクの手紙」「ジャレ」「オレンジの実る中庭」「水色のリボン」
手元に置いて心が疲れたら開きたい優しい本でした