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零細な釣り堀とそれがある街を舞台に、個性の強い人々がそれぞれの思惑に翻弄される物語
(簡潔に説明するのが難しい作品…)
文庫版は最初のページに
登場人物が描かれたタロットカードがあり、序盤各人の登場シーンはそれを見ながらなんとなくの人物像をイメージできた
読み終わった後にもう一度タロットカードを見ると、絵の細かいところの意味も分かっておもしろい
登場人物たちの
忘れられない記憶や、邪な狙い、不安や懸念、期待などが目線を変えて語られるので
読者としては俯瞰して状況を把握するかたちになる
彼らの思いが絶妙にすれ違って、思いがけないかたちで噛み合ってしまったりするのが楽しくて仕方なかった
あと個人的にどハマりしたのが、ふざけてるとしか思えない"ヒツギム語"の言葉あそび
こういうのとても好き
以下、好きなヒツギム語の抜粋
根性 タフマン
悪さ ルパン
プライド ミキイマイ
母親 フグタ
弟妹 イソノ
恥 ハニカム
受け取ってくれこの宝を シノゴノイワナイノ
うそだ デマカス
あばよ シンゴ
お兄ちゃん タツヤ
弟 カズヤ
母さん ピンコ
ただいま イソジン
馬鹿 コサジノウ
ゲラゲラ笑えて最高でした!
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偶然に出会った人々がある目的を果たそうと協力するが、その裏にはそれぞれの事情や思惑が隠れていて...。といったコメディ系群像劇です。ちゃんとミステリー要素もあり、伏線回収や目次の後の絵の仕掛けが楽しいです。
ヒツギム語のふざけ具合も見どころの一つですね。
個人的には道尾さんの作品はダークなものが抜群に好きなので(向日葵、月と蟹など)、本書はそこまで好みではありませんでしたが、色々な要素を入れつつ遊びつつ、しっかり綺麗に着地させるところはさすがに巧いなぁと思いました。
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あらすじがあってないような、たくさんのダメ人間が登場する、好き嫌いが分かれるであろう作品。
作者のセンスがふんだんに出てる、自分はこういうの大好き❗️
ヒツギム語、クッサイ(最高)‼️
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「ミステリー」と一括りにジャンルを分ける事があるが、それはあくまで大枠であり、小さく絞っていけば他種多様な枠組みに落とし込む事が出来る。
筆者の作品は、単純にミステリーという大枠にありながら、かなり独創的な、彼にしか思いつかない様なストーリーを読者に提示する。(いかにエンターテイメントとして読者を楽しませるか。その努力は小説だけではなく様々なチャレンジをしており、驚かされる。)
今作も簡単に言ってしまえば街でたまに見かける室内釣り堀の話が起点だ。その事を土台に、どの様な話になるのか。と序盤は全く意味不明だったが、これを「ミステリー」のジャンルまで引き上げ、こんなに面白い作品に仕上げてしまうのだから脱帽だ。
構成、イメージは「カラスの親指」に似ている。
作風として、登場人物それぞれの過去のトラウマ、後悔をベースにしながら、「鯉」の捕獲という共通の目標に向けて全てのキャラクター達を集結させ、怒涛の如く伏線を回収していき、エピローグまで繋げていく。圧巻の物語だ。
最初から登場人物達には癖や影が存在しており、プロローグにおいては全く訳の分からない話だったが、だんだんと関わりが広がっていく。文庫版では最初の数ページが登場人物達をモチーフにした絵画風のデッサンになっており、それが各章の構成とリンクしている事もこの小説の魅力だ。
気になる点は、余りにも伏線を繋げすぎているため、驚嘆が小さくなってしまう点だ。本当に物語の1mmまで伏線を繋げてくるのでいよいよ疲れて苦笑いしてしまった。伏線回収は小説やあらゆるエンタメの肝だが、物語の分量に応じて適切で無ければ胃もたれする事がわかってしまった。(大好きなお菓子を食べ過ぎて後悔する時と似てる(笑))もしくは、せっかくならもっと話を長くして、店長やポーさんなどスポットライトが少なかったメンバーまでも回収していればもっと凄い着地になったのかもしれない(胃もたれすると言ってはいるが、好きなものは好きなんだ)
総じてとても面白かった。子供の頃の様な、無邪気さと少し残酷な部分が混ざった様な作品だった。
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わたしはすきです!!
シッゲル・ムーロイとかタツヤとカズヤとか、、
最後のサーモン・キャッチャーにグッときて笑
ひっくり返すと別の顔を見せる人形と
あの子に似た柄を持つ鯉と、
見えない物への期待とか、知らない有名なことはたいしたことじゃない事なんだ、とか。
私はすごく哲学的に(勝手に)読んでしまいました。
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釣り堀を主な舞台にしながら数人の登場人物の視点で場面転換をしながら物語が進んでいく
帯に『道尾秀介にだまされる快感』とあるが、そこまでのどんでん返しはなく普通に物語は進んで終わりって感じだった