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薬丸岳さんの作品は何作も読んでいますがこれほどまでに感動した作品はありませんでした。加害者と被害者をこれほどまでに緻密に描いたものは類を見ないでしょう。明香里を助けた飯山の「約束は守った伝えてほしい」の意味がわかった時の感動そしてラストの晴れやかな気持ちになるセリフにあなたも興奮して下さい。涙して下さい。感動して下さい。
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渋谷スクランブル交差点で無差別通り魔事件を起こした小野寺圭一。死者1名、重症2名。
小野寺は母親に虐待をうけ、学校にも通わず居所不明児童として子供時代を過ごす。
小野寺と同じような境遇で育ったライターの溝口、事件の被害者・明香里、などの目線から物語が語られる。
最後にでてくる圭一の母の毅然とした態度、リアリティがないというか。。。こんなことが言える人がここまで虐待できるんかな。しっくりこない感じ。
明香里が自分を庇って死んだ晃弘の名前を子供につけるのも???だった。確かに命の恩人やし、素晴らしいところもあるけど、前科あるし、その名前を子供につけるって、、、子供には子供の新しい人生があるからさ。親の所有物じゃないからさと思って、最後冷めてしまった。
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2022/12/20リクエスト 14
渋谷で起きた通り魔事件の加害者である小野寺圭一と被害者の一人、浜村明香里。
明香里は誕生日のディナーの約束を恋人の東原航平としていた。向かう途中で航平から仕事で行けないと連絡を受け、そこで一人でいたときに、事件に巻き込まれる。
この事件に興味を抱いたフリーライター溝口省吾は、小野寺に取材をし、ノンフィクションを書きたいと思いたつ。
小野寺の犯行理由は
自分より幸せに見える人間を殺したかった
そんな理由で、その場に居合わせ、明香里をかばって亡くなってしまった飯山晃弘を斧で殺す。
その後、なんとか生き延びた明香里はトラウマを抱え、自暴自棄になる。
ライターの溝口は13歳で母親を殺していた。その後、児童養護施設へ。
小野寺も似たような時期まで母親の恵子から虐待を受けていた。ただ恵子も同じように自分の母親の男の相手をさせられるという虐待を受けていた。それで育て方が分からなかった、と。
その恵子が
人を殺した時点で人間でなくなる。圭一も溝口も。母親らしいことができなかった私も(殺さないよう)一線は超えないよう踏ん張っていた。その一線を超えた息子の願いは聞けない。
小野寺は母親に会いたかった。捨てられた、と思っていたことが勘違いだったら…
でも、もう罪の境界を超えた、小野寺はどんなに望んでも母親に会えない。母親が望まないから。
彼は自分自身の望み通り無期懲役になる。会いたい人に会えないまま。
ラストが救いだというレビューを読んだ。
産まれて来る子に、晃弘という名前をつけるのは、やめてほしいと思った。産まれたときから、親の気持ちを背負わされたくないだろう。
たまたま、直前に東野圭吾、希望の糸を読んでいたからかもしれないが…
いつもの薬丸岳作品ほど切れ味が良くない気がした。
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面白かったと言う満足感とともに、ちゃんとしてるな、ちゃんと書いてるなぁと、自分でもよくわからない感慨にひたりました。
話の筋としては、子供の頃虐待を受けた人が母親になり、また子に虐待し、その連鎖を続けるうちに、人を殺したり犯罪に手を染めてしまうというものです。散々書かれてきた内容です。そして、その結末は、そう選択肢がないため、結局同じになりがちです。
そのような中で、どうしてこの本に感慨を受けたのか。被害者と加害者、その両方の人と似通った境遇で育った人たちをそれぞれの登場人物の側に配置して、両者の生きてきた過程、感じてきたこと、あきらめ、願い、親に対しての思いなどを、丁寧にすくい取り、書き表しているからだと思いました。筋と結末がある程度決まっている中で、その過程がどう書かれているかにより、物語の深さが、読書への問題提起や、共感反感などの心の振れ幅が、左右されます。この本は、色々な立場の人の思いが自分のことのように感じられ、その振れ幅が大きかったです。
やっぱり薬丸岳さん、好きだなぁと思いました。
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物語としては読みごたえがあって良かったのだけれど薬丸作品に共通してある社会への問いかけやどうにもならないやるせなさというものが少し薄い感じがした。
犯罪被害者・加害者・その双方の家族などの心が事件自体にあまり向けられておらず時折何が主題なのか分からなくなってしまった。
いつもは読後何日も引きずるほどの重量感のあるテーマで打ちのめしてくれるので少々物足りなく思ってしまった。
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人を殺しておいて、刑務所に入りたかったからだと?公判でも反省する様子はなく、人をおちょくったような態度の小野寺は人間として最低だ。
最後の法廷で、本当は見るのも嫌であろう小野寺と正面から向き合い、彼に質問し、極刑を望んだ明香里は見事だった。なんだか読んでいるこちらまで緊張するシーンだった。何を言ってもふざけた態度の小野寺の感情を揺さぶるような言葉を明香里が言えるよう期待してしまっていた。
さて、小野寺は母親の真実の気持ちを知り、確実にダメージを受けたと思う。
再会を望んでいるのにあえてそれをしない小野寺の母親を、一瞬凄い人だと思ってしまったが、彼女は虐待をしていた人間なのだ。
いかなる理由があろうとも、子どもに手を上げる親は憎むべき存在だと私は思っている。
それでも、子どもは親を慕っているという事実に衝撃を受ける。
口では復讐と言っていても心のどこかで親を求める。それが子の性なのかもしれない。やるせない気持ちになる。
薬丸さん、今回も重かったな。次は明るい話の本でも読むか(笑)
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無差別通り魔事件に巻き込まれる。身を挺して命を救ってくれた男の最後の言葉は「約束は守った…伝えてほしい…」だった。
誰に向けた言葉なのか傷ついた体と心で使命を果たそうと懸命に探す姿は勇ましさがあった。加害者の動機はどんな理由があろうと許せない。
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『母という呪縛 娘という牢獄』を読んだばかりだったので こんなに母親って子供に憎まれているのかな?って思ってしまった。
この本はフィクションなのだけど 母親を憎む息子が2人登場します。1人は少年の頃に母親を殺害している。
つくづく、子供を産み育てることは安易に考えてはいけないことのような気がしてくる。
結婚って勢いでして 上手くいかなかったら離婚することが出来るけど 子供はそんなことでは済まされないよね。
ひと1人の人生が自分達にかかっている!くらいの気持ちで考えないと この登場人物のような人が増えてしまうと思います。
けれど 結婚した頃、そこまで考えれる人ってなかなかいない。仕方がないでは済まされないけど 私はそこまで考えてはいなかったな。
被害者の明香里は とても前向きになりいい方向へ向かっていくラストで良かったけど なかなか上手くはいかないのが現実ですよね。
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薬丸先生、あなたもか!!
もう、うんざりしてるんじゃ!
毒親の話
俺のチョイスが悪いのか
トレンドなのか
まあ、読む小説、読む小説で、
結構な確率で毒親が出てくるのよね
そして、
毒親⇒犯罪
まじで、今の俺なら、
この公式、証明してフィールズ賞とれます。
と散々なことを書いたが、
面白かった…笑
やっぱ、うまいわ
一流のストーリーテリング
主体が変わる度に
その人に憑依して、自分だったらどう思う
どう行動する
と考えさせられる
俺が毒親にうんざりしてなければ、
間違いなく★5つけてました…
傑作の部類です…
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渋谷スクランブル交差点で斧を持っての無差別殺人事件。どこからどうみても「境界」という文字のカケラも思い浮かばない完全なる身勝手な犯罪。
命を取り留めたものの顔と身体と心に大きな傷を負った浜村明香里と、明香里を助けるために命を落とした飯山晃弘、そして事件を起こした小野寺圭一。その一瞬迄まったく無関係だった三人の人生。
通り魔事件が起こるたびその理不尽さと加害者が語る身勝手な理屈に怒りを感じる。
事件を起こして死刑になりたかった、という理由なら(の言葉が適切かどうかわからないけれど)だったら勝手に一人でどこかで死ねばいい、と思ってしまう。
この事件の加害者小野寺は刑務所に入りたかった、死刑にならないために1人だけ殺したと語る。そしてそんな事件を起こした自分を産み育てた母親に復讐したかったから、と。
その成育歴に同情の余地があったとしても、納得などできるはずもない。
その人の過去も、受けた痛みもその人だけのものであり、他の人が背負うものではない。
自分と母親の問題であるのなら、自分と母親の間でその問題を抱えるべきなんだ、他人を巻き込むべきじゃない。
無差別通り魔事件のその理不尽さと加害者の身勝手さを描きつつ、同じ根源的な問題を抱えながら同じ道を歩まなかった二人の男の人生を浮かびあがってくる。
二人の男の人生をたどることで薬丸岳が伝えたかったこと。
境界を越えてしまう者と、越えずにとどまる者の違い。薬丸岳は人が人として生きていていくために絶対に捨ててはいけない矜持を描き続けている。人として決して越えてはいけないその境界を。
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罪を犯した人間とその被害者、夫々の家族や取り巻く人々や環境のすべてが詳細に語られていて、どれもが辛く癒えることのない傷が死ぬまで続くことは容易に想像が出来てかなり引き摺った。忘れてはいけないこともあるけれど、忘れていいこともあるんだ、という言葉は救いかもしれない。
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感想
犯罪者というカテゴリ。正義の自分達と悪の犯罪者という意識をもたらす。そこに相互理解はない。だが犯罪者も1人の人間。理解の余地は存在する。
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渋谷スクランブル交差点での無差別通り魔事件。
被害者の明香里は、自分を助けるために命を落とした飯山晃弘の最期の言葉を伝えるために、飯山の彼の人生を辿り始める。
26歳の加害者・小野寺ははなぜそのような事件を起こしたのか。小野寺と同様な過去を持つライターの省吾。
それぞれの思いと人生が綴られていく。
小野寺にしろ、飯山にしろ、警察は彼らの過去は調べないのだろうか?
あっさりと過去が繋がっていくのに安直さを感じる。
虐待された子供たちは恐怖と共に、母への愛されたいという思いは消し去ることは難しいのだと痛感した。
恵子の下した会わないことが親としての最後の務めだというが、他にあるような気もしてならない。
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子どもへの虐待の連鎖のせいか、読むのに時間がかかった。
逃げるのも必要やけど、もっと周りの人に頼ってもいいんじゃないかと思う。
明香里が立ち直れたこと、小野寺のお母さんの愛情が最後にわかったのが救い。
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通り魔事件の被害者とその周辺を描いたお話。
一命をとりとめたものの、生活が一変した被害女性と、
加害者の生い立ちが自分に通じるものがある、と、
加害者に接近するライターが軸で、
視点はいくつか切り替わるけれど、加害者視点はなし。
どう着地するのだろう、と思いながらよみすすめていて、
ライターの人の過去が明らかになってからは、
なるほど、と、いう展開でした。
罪の境界を超えたら、人間でなくなってしまう。
この物語の根本的なテーマ、なんだと思う。
ややすっきりしないのは、
どんなにひどい虐待があっても、親子の間に
それぞれ愛があった、あったかもしれない、という
描かれ方をしてるとこ、かなぁ。
自分は生きているんだから、無理しなくちゃ、も、
受け入れがたく、別の表現の方が飲み込めた気がする。
被害女性が立ち直れて良かった。
支えになってくれる人がいるから、だなぁ。
サバイバーの人の手記でパートナーの存在は
当たり前にいますしね…。
言い回し等が気になったものの、
他の著作も機会があったら読んでみようと考えています。
なるべく元気な時に。
☆追記
他の方のレビューを読んで
ラストが蛇足という意見が多くて、安心した。
自分も、え…、そこ言わずもがななの?と引っかかったので。
自分の名前は、母の命の恩人から取りました…は
ちょっとなぁ、と引っかかりました。
まぁ、いちいち言わないかもしれないけど。
一字だけいただく、ならまぁありかなぁ、と思ったり。