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紙の本
内容は慎太郎讃歌ですが・・・
2023/02/02 00:42
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
『ペルソナ 三島由紀夫伝』の緻密な論証と展開に比べるとかなり軽め(?)の一冊でしたが、石原慎太郎に関する私的な回想部分も含め、非常に興味深く快読した一書。やがて袂を分つような結果になったとはいえ、石原慎太郎と三島由紀夫の異質性と同質性やライバル性と同志性をはじめとして、著者が剔抉した両者の対比は大変興味深かった。
「わがひのもとは~」(7頁、石原慎太郎が替えて歌っていた君が代の出だし)
「「君は風土性しか信じないんだね」 「結局そういうところへ戻ってきちゃうんですよ。それしかない」 「戻ってきても、風土性から文化というのが直接あらわれるわけじゃないよ」 三島由紀夫にとって、日本の文化とは「古今集」の雅びの世界である。・・・ 石原慎太郎にとって日本とは「日本列島」そのものなのだ、それを囲む「海」なのだ。」(239~40頁、三島のような文化概念(メタファー)としての天皇理解の有無)
「そもそも二人の間には初めから溝があった。動的な「拳闘」と静的な「ボディビル」、もともと相容れないはずなのだ。」(246頁)
「私は自分のものの考へ方には頑固であつても、相手の思想に対して不遜であつたことはないといふ自信がある」(248頁、『尚武のこころ』218頁から引用の三島の言葉を原文戻ししたもの)
思えば、三島由紀夫という人は、端的に云って生真面目で「優しい」人だったのだと思う。石原慎太郎の「苛烈さ」との対比で云えば。また、人としての誠実さという点でも、最後はぐだぐだの(?)政治ゴロで終わった感のある石原慎太郎が三島を上回ることはないであろう(評者私見)。歴史上の光芒として輝き続けるのは、(残念ながら)慎太郎ではないとみる。(著者が石原には親炙したが三島とは直接の交流はなかったという事情を割り引いても、慎太郎への思い入れはやや鼻についた。他方、石原は生のヴェトナム戦争を一定体験したが、三島はせいぜい自衛隊への体験入隊であったという事実は、改めて捉え直してみると興味深いものがある。)
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