紙の本
日本の明治以降で保守とリベラルがどのように語られてきたかをたどる。日本の保守は何を保守してきたのか、しようとしているのか。
2023/03/14 14:17
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
欧米の政治思想史を参照しつつ近現代の日本に保守とリベラル、各々の系譜を辿り読み解く試み。福沢諭吉、伊藤博文以来の知的営為を未来につなぎ真の「自由」を考える書。『民主主義とは何か』の宇野重規さん最新刊。そもそも保守とリベラルはねじれた対概念なのに、通行しているのはアメリカの図式を流用しているから、という序章の指摘から蒙を啓かれる。人物に即して日本のケースを検討。福沢ー丸山の系譜、福田恆存の保守思想、大平正芳と中公知識人が興味深かった。大平正芳を保守政治家の系譜に位置付け評価する一方、彼の示した日本の課題は今日にも未解決のままだという指摘に頷く。日本の保守が何を保守するのか曖昧だったため保守主義が根付かなかったと。
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日本の保守に求められるのは、今こそ真に「保守」になることだ。日本のリベラルに求められるのは、精神の独立を維持することだ。
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バークかっこよ
福沢諭吉丸山眞男はやはり良い
ルソーは時代錯誤って出てきてルソーに対してそういう評価軸あるんだって笑った
やっぱり基本は法の下の平等だよ積極的にせよ形式的にせよ
「惑溺」心に刻みたい
有力な学者って政権に影響力を持つ努力してるのかな本当は政治家が頭下げろと思うけど
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6.7 アメリカの影響、ヨーロッパの状況
10 保守主義とリベラリズムの定義
26 保守主義は伝統主義や復古主義とは異なる
37鳥尾小弥太
44重臣リベラリズム(西園寺公望、牧野伸顕)→戦後保守主義(吉田茂)
49 結成された自民党は自由主義的なハト派から国家主義的なタカ派まで幅広い政治的立場
50 国家主導の統制経済や計画経済の日本民主党
61 スペインから生まれたリベラリズム(フランスのナポレオンによる侵攻に対する抵抗)
62 日本独自のコンテクスト
68 コンスタンのルソー批判
76 石橋の経済的リベラリズム
95 憲法をめぐる立場
102 福沢諭吉の訳語
124 国家のエゴイズム
126 福田恆存の近代の個の自覚
132 丸山眞男の主体像
139 懸賞論文
154 ナショナリズム
159 交通
194 産業社会論
237 経済成長までの日本保守は追いつき型近代化で欧米の導入をし続けたにすぎない
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昔保守と革新、今保守とリベラル、ってことでこの本が生まれたのだろう。
アメリカのそれもねじれていると聞くが、日本はなお酷い。
今の自民党を保守と言えるか?
防衛費倍増といっても、アメリカの中古の武器を買うだけ。
2倍にするならその使途はまずは人件費だろう。
自衛隊員の待遇を良くし、人数を増やさなければ武器だけあっても闘えない。
アメリカの言いなりになっているだけの日本の政府と自民党。
そんなのは保守ではない。
反日統一教会との癒着でもそれは明らか。
それよりこの本の主題はリベラルにある。
立憲民主がリベラルかどうかはこの際置いておく。
日本最初のリベラリストは福沢諭吉である。
この定義に目が覚めた。
そう、独立自尊。
福沢先生の教えはまさにリベラルだったのだ。
といって、個人主義だけではない。
福沢の頭には国家主義も内在している。
個人が強くなって、国家も強くなる。
保守リベラル。これは同居できるものなのだ。
続いて丸山眞男が出てくるのも頷ける。
中学時代に丸山の「日本の思想」を読まされ、正直難易度高すぎだったが、
福沢の考えを丸山は研究していたのだ。つながっている。
そういうことを再認識させてくれた。
自民の保守の系譜は3つに分かれると。
大平、宏池会、保守本流
福田、安倍派、保守傍流
田中、?、?
リベラリスト。いいね。