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ラス・ハリス先生によるACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)入門書である「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」の改定版で、前回の本の出版以降の知見をふまえて、50%以上が新たに書き下ろしとなったアップデート版になっている。
ACTは、一言で言えば、感情や思考と程よい距離を取り自分の望む生き方にそった行動を選んでいくための方法と言えると思う。
ネガティブな感情や思考がやってきたとき、それに囚われても抵抗してもうまくいかないことが多い。
腹が立ったからといって怒りをぶつけていては人に優しくできないし、「自分はうまく行くわけない」という思考を無くそう無くそうとしても何時までも自信はわいてこない。
ACTは、感情や思考に囚われるのでも、抵抗するのでもなく、適切な距離をとるための方法論を示し、また、自分の本当に大切にしている価値を明確にし、それにそった行動をしていくための方法を提示してくれる。
もちろん、人間なのだからいつも上手にできるわけがないのだが、そんな時の対処法として、今回の本では前回にはなかったセルフコンパッション(自分にやさしくする方法)が解説されている。
改めて、ACTはメンタルヘルスのためだけでなく、より成長・向上していくためにしっかりと身につけたいと思う内容だった。
改定版になって、同じくらいのページ数で、前回の2倍くらいの内容があった気がして、とても満足した。