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タイトルと表紙で「読んでみよう」と手に取りました。
初めて読む作家さんだったので、面白いかとっても不安でしたが、読み始めるとどんどん次が気になって読み進めてしまいました。
「祖父のどら焼きを作りたい」という一心から精一杯修行し、祖父の経歴を辿ったりと場面や時間、時代が移り変わっています。
本当に実在した給糧艦「間宮」そして間宮羊羹を題材とした物語と知って、とても驚きました。
戦時中にこんな船が実在したなんて、兵隊さんたちはとても心待ちにしていたことが伝わってきました。
そして主人公ワコの祖父川本を指導してくれたトメさん、何と会津出身とのこと。どうりで聞き慣れた言葉だなぁっと思いながら読んでおりました。これを読む私は会津在住なもので。
ワコのこれまでの強い思いが、周りの人々を動かしたのだと感じる物語でした。
私も間宮羊羹、そしてワコが完成させた祖父のどら焼きを食べてみたいです。
甘い物が大好きな私は、只今和菓子屋で働いております。それもあって、この本はとっても興味深い一冊となりました。
ワコの熱心な思い、心の片隅に置きながら毎日和菓子屋でのお仕事頑張ろうと思います。
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祖父徳造のどら焼きを求めて精進するワコ。給糧艦間宮で戦地の兵士のために作られた間宮羊羹、その先の戦後復興で作られたどら焼き、間宮の思い出や徳造や曽祖父も思い出を共有する人々に支えられて、ついに辿り着く風景の見えるどら焼き。間違いなく絶品の物語でした。
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製菓学校を卒業した樋口和子(わこ)は、浅草にある奥山堂の門を叩く。
祖父が亡くなる前に作ってくれた特別などら焼きを再現すべく、和菓子職人への第一歩を踏み出すために。
だが、待っていたのは男ばかりの職人世界の逆風、なかなか工房に立たせてもらえない年功序列の社会。
荒波の中でもひたむきに努力を続ける和子は、やがて一人前の職人になっていく。
一方、調べていくうちに、祖父が太平洋戦争に出征していたころ、ある船に乗っていたことを知る。
「お菓子の船」と呼ばれていたその船にこそ、どら焼きの秘密があるかもしれない。
当時の乗員に会って話を聞いていくうちに、和子は祖父の知らなかった一面を見つけていく。
ふんわりと溶ける皮、口の中でほどける餡子と、ひとつまみの“秘密”。
誰にでも、一生ものの忘れられない味がある。
(アマゾンより引用)