紙の本
再現した料理の写真が欲しい
2023/05/20 05:27
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治維新前の日本の麺料理は小麦粉やそば粉に水を加えて捏ね、それを細く切ってゆでたうどん、そば、そうめんが主なものだった。
ゆでた麺類は塩味、味噌味醤油味の汁に入れるか、タレにして食べていた。
現代日本の多様な麺料理とは隔世の感がある
日本の麺料理の進化に多大な影響を与えたと婦人雑誌の料理欄や付録料理本のレシピを再現してみたらどうなるか?
過去の料理の写真やレシピに懐かしさを覚える
再現した料理の写真を見てみたいと思った。
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明治維新以降:王べからパスタ食文化、中国から多種類の中華麺料理
日本独自の進化を遂げた日本食
対象から昭和初期が新日本麺類の萌芽期
大正時代急激に進化←情報伝達・物流と人の移動・台所環境
関東大震災後に都市ガス契約者増加
斬新・奇をてらっている→日本の麺料理として定着
麺料理の進化と味の素
幻の料理になる理由:味・一次的代替・食材入手・調理法
日本で伝統の食文化:トライ&エラー、工夫→実験→検証
検索ばかりで検証しない受け売り食文化論
受け売り蘊蓄グルメ文化
1960年代:チャイニーズ・レストラン・シンドローム
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「幻の麺料理…」とはそそる書名です。しかし世界の秘境の、とかいにしえの王宮の、とかいう「幻」ではなく、戦前から戦後にかけて婦人雑誌に掲載された麺を使ったレシピで、今では食卓のメニューに乗ることもないようなアイディア料理の数々が著者によって再現されてます。我が家の食卓に出現したかもしれない、でも全然定着しなかった「幻」メニューです。第1章 うどんの麺と西洋料理法の合体、第2章 かれーうどんの謎、第3章 和風スパゲティの爆発的進化、第4章 マカロニ類の興亡、第5章 ラーメンのルーツから列島制覇まで、第5章 ソース焼きそばの生存戦略…和風の麺がいかに洋風料理になるか、逆にまだなじみのないスパゲティ、マカロニを和風料理に活かすか、という相互模索、ラーメンという中国料理がいかに国民食になっていくか、ソースとそばの出会い、を雑誌というメディアが家庭の主婦をそそり続けた記録となっています。どの料理もあんまりビックリしない、それほど美味しそうでもない、なのに珍妙レシピは台所を挑発し続けます。それは家族の胃袋の要請というより作り手の主婦の好奇心を刺激するためなのではないのでしょうか?外食が非日常で、家のゴハンが日常であった時代に、外のメニューをいかにウチのメニューに取り込むか、という歴史の記録に読めました。専業主婦がスタンダードだった時代の外食と内食の汽水域が本書なのではないか、と感じました。それにしても本書には出てきませんが陳健民が料理番組で一振り入れる「ヒミツ(味の素)」の存在のデカさよ!うまみ調味料の普及は食の内と外のボーダーを外したのかもしれないとの指摘も面白かったです。