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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
化石からわかる地球の歴史、研究により変貌する恐竜の事などなど、化石のあれこれが分かりやすく解説してある。
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化石のきほん: 最古の生命はいつ生まれた? 古生物はなぜ絶滅した? 進化を読み解く化石の話
化石として残るのは古生物のうちごく一部ですが、化石が
古生物の唯一の直接的な証拠であることは変わりません。したがって、化石を主要研究対象にする学問分野は、「化石学」ではなく「古生物学」
と呼ばれます。
化石は大きく 2種類に区分され、恐竜やアンモナイトなど
古生物そのものの痕跡を体化石、足跡や巣穴、糞など古生物の活動の痕跡を生痕化石と呼びます。習慣的には、1万年より古いものを化石と呼ぶことが多いようです。
なお、「化石」と「古生物」という言葉は、同じような文脈で登場するので混同されることもありますが、厳密には両者は異なります。化石は、体化石であっても生痕化石であっても、必ず地層の中に含まれていまず。一方の古生物は、過去の地球上に生息していたあらゆる生物を指す言葉です。
私たちが日常生活で出会う動物や、水族館・動物園などで目にずる動物の多くは、「硬い部分」と「やわらかい部分」を持っています。硬い部分は硬組織と呼ばれ、骨や歯、殻などを指します。また、やわらかい部分は軟組織と呼ばれ、筋肉や心臓、消化管などを含みます。
このうち、軟組織が化石として残されることは、ほとんどありません。化石化する前に微生物などによって分解されてしまうからです。一方で硬組織は、軟組織と比べて化石になる確率がずっと大きくなります。なぜなら、硬組織は鉱物でできていることが多いため、分解に対する耐性が高いからです(ただし、化石化の過程で様々な化学反応が起こって成分は変化します)
「生きている」化石とは、過去に大繁栄したものの現在ではわずかに生き残っているグループ、あるいは古くから同様の形態を保ち続けているグループを指す用語です。代表的な例として、イチョウ類やオウムガイ類、カブトガニ類、ムカシトンボ類、シャミセンガイ類、ハイギョ類などがあります。
地層とは、広範囲に分布する堆積岩からなる岩体のことをいいます。
堆積岩とは、主に砂や泥、火山灰の粒子から構成される岩石です。これらの粒子や生物の疆竅などが水や風によって運ばれると(=運搬作用)、やがて陸上(川底や湖底も陸上に含まれます)や海底など様々な場所に降り積もっていきます(二堆積作用)。そして、堆積作用によって集積した粒子が、さらに時間をかけて固結していくと堆積岩となります(=続成作用)。
地層の年代値を推定するためには、放射壊変と呼ばれる現象を利用しまず。放射壊変とは、ある原子核が放射線を出して別の原子核に変化する現象のことです
今のところ、地球最古の生命の痕跡と考えられているのは、約39億5000万年前の炭質物です。炭質物とは炭素に富んだ有機物のことで、カナダのラブラドル地域に分布している世界最古の岩体の中から見っかりました。
地球の生命進化史上、最も重要な現象の1つといえば、カンブリア爆発です。地球上で実際に何かが爆発したわけではなく、カンブリア紀に起こった爆発的な生命進化現象を指します。カンブリアの生命大爆発、カンブリア大爆発などとも呼ばれます。このカンブリア爆発のポイントは大きく 2つ、複雑化と多様化です。
カンブリア紀とは、今から約5億3900万〜4億8500万年前の地質年代です。カンブリア紀よりも前の化石記録に基づくと、それ以前は単純な体のつくり(ボディプラン)の生物ばかりで、かつ多様性も低かつたと考えられていまず。しかし、カンブリア紀の地層からは、複雑なボディプランを持つ動物の化石が見つかるようになり、その多様性も一気に増大します。
地質学的に短期間のうちに、生物の種類が大きく減少した現象のことを大覺絶滅と呼んでおり、顕生代の間に5回発生しま
した(「ビッグ5」とも呼ばれています)。中でも最も規模が大きかったのは、今から約2億5100万年前の古生代・ペルム紀末の大星絶滅です。驚くべきことに、地球上の約95 %もの種が途絶えたと考えられています(ただし、実際には二段階で絶滅のピークがあったようです)。
新生代の中でも、約258万年前〜現在を含む地質年代を第四紀と呼びます。第四紀の地球環境は、氷期一間氷期サイクルと呼ばれる気候変動によって特徵づけられます。つまり、寒冷な時代(氷期)と比較的温暖な時代(間氷期)を周期的に繰り返してきたのです(現在は間氷期)。
また生命進化の観点から、第四紀は人類の時代と呼ばれることもあり、人類の進化というのがその重要な特徵です。
人類そのものは第四紀以前に既に地球上に誕生しており、最古級の人類と考えられているサヘラントロプス・チャデンシスの化石は、アフリカ中部の約700万年前の地層から発見されています。また、人類の特徵の1つとして直立二足歩行が挙げられますが、タンザニアにある約360万年前の地層からは二足歩行を示唆する足跡化石が見つかっています。さらに、ギリシャ・クレタ島で見つかった初期人類の足跡化石が約600万年前のものであるという報告も出ています現在、地球上に生息している私たちは、ホモ・サピエンスという単一の種です。化石記録に基づくと、ホモ・サピエンスが出現したのは約20万年前とされていました。ただ最近になって、モロッコから発見された化石が約35 ~ 3 〇万年前のものであるという論文が発表されました。一方、過去には別種の人類(同じホモ属ではある)も地球上に生息しており、有名な「ネアンデルタール人」は、ホモーネアンデルターレンシスという種です。現在は絶滅していますが、地球上に2種の人類が同時に生息していた時代もあったことがわかっています。
現在の地球が約46億歳であるという学説の根拠は、放射壊変という現象を利用した放射年代測定によるものです。地球に現存する鉱物の中で最古級のものは、約44億年前の年代値を持つジルコンが知られています。そのため、地球の年齢はそれよりも古いと想定できます。
海水準変動(海面変動とも呼ばれます)です。海面の平均的な高さ(海水準)は一定ではなく、地質年代を通じて様々な要因によ
って変化してきたことが知られています。海水準が上がれば海岸線の位置は陸側に移動し(二海進)、海水準が下がれば海岸線の位置は海側に移動します(二海退)。マンモスやナウマンゾウなど、ユーラシア大陸に生息していた大型の陸上動物が日本の地にや��てくることができたのは、海水準が下がって大陸と陸続きになった時期があったからなのです。
ウェーブリップルと呼ばれる「波の化石」があります。ウェーブリップルとは、波によって海底の砂に形作られる特徴的な模様のことです。