ＰＴＳＤの日本兵の家族の思いと願い みんなのレビュー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：BB　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

編者であるPTSDの復員日本兵と暮らした家族が語り合う会が開いた証言集会などでの発言や手記をまとめた一冊。
日本でトラウマやPTSDについての研究が進んだのは、阪神淡路大震災以降だが、考えてみれば、戦争と兵士のトラウマ/それによる精神疾患については、ハリウッド映画などでベトナム戦争やイラク戦争での米兵を主人公に早くから取り上げられてきた。
かつてのあの戦争で心を壊した日本兵がいたことは容易に想像できる。
最近になって、研究者も含めこの問題が深められ、NHKなども特集を組んだりして、少しずつ目が向けられるようになってきた。
問題は、傷ついた元兵士本人だけでなく、それによって世代を超えて家族までも苦しんでいるということ。本書は、その現実をまず知るために最適な良書だ。