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細胞の仕組みから幹細胞の話、免疫の話、話題になっていることはカバーしているのでありがたい。結構アップデートされました。
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学生選書ツアー2023選書図書
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https://sistlb.sist.ac.jp/opac/search?q=9784315527193
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もう歳だからとか、女だからとか、日本人だからとか。「文系のための」みたいな属性で判断するのは人生を狭めているし、自らの価値を規定する思考が寂しい。しかし、この「文系のための」シリーズは分かりやすい。食わず嫌いを抑えて読む価値あり(そもそも、好き嫌いも根本的には属性思考)。読んで良かった。「文系でもわかる」を「文系のための」と蔑みを言い直したタイトルに優しさとしたたかさを感じながら。
何より図解が分かり易い。
核を持つ細胞を真核細胞、持たない細胞を原核細胞。DNAの情報からmRNAを作る段階とmRNAからタンパク質を合成する段階の2段階がある。
DNAは2本の鎖だが、mRNAは1本の鎖である。
DNAにRNAポリメラーゼが結合し、2本の鎖が解ける。DNAの1部の塩基がむき出しになると、RNAポリメラーゼはその塩基に対応する塩基(ヌクレオチド) を順に連結していく。RNAポリメラーゼは少し移動しながらDNAの塩基配列に対応した塩基の連なりを合成し、DNAとよく似た鎖状の分子、つまりmRNAが作られる。こうしてDNA情報の1部がコピーされる。
細胞に取り込まれたブドウ糖は細胞のサイトゾルで、ピルビン酸と言う物質に変えられ、ミトコンドリアマトリックスへ送り届けられる。このピルビン酸が分解され、二酸化炭素、水素イオンや電子といった物質ができる。この水素イオンがミトコンドリアマトリックスに戻ろうとする際に、内膜に組み込まれたATP合成酵素を通過する。ATP構成酵素はタービンのような構造になっており、水素イオンの通過に伴って回転する。この回転運動によりミトコンドリア内のADPと言う物質にリン酸と言う物質が結合され、ATPが合成される。この1連の反応を進めるために酸素が必要になる。さらにこの合成の過程でできた二酸化炭素を排出する。これが呼吸である。
昆虫の成虫は新たに分裂する細胞を持っていないため、怪我をしても自力で治すことができない。一方、プラナリアは、切っても切っても再生することができる。プラナリアの体にある幹細胞が、どんな細胞にもなれる。生物学では、全能性と呼ぶ。人の持つ幹細胞は、受精卵以外は全能性を持たない。しかし今、多能性を持つ幹細胞として、ES細胞やIPS細胞が期待されている。
プラナリアは私の亡き家族の研究テーマだった。違う属性を選び、異なる人生が自分にもあっただろうかと、思い出す。