投稿元:
レビューを見る
岸和田在住、泉州弁の大阪のおばちゃん、小畑とし子を中心とした連作5話。泉ゆたか「おばちゃんに言うてみ?」、2023.8発行。期待した割には盛り上がりに欠ける気がしました。失礼しました。
投稿元:
レビューを見る
人が想像する「大阪のおばちゃん」を体現している小畑とし子。出会う人たちをその軽快なトークと人柄で変えていく。
とし子の関わり方が割と浅い感じで、やや物足りないかな。とし子のキャラクターは面白いし、「大阪のおばちゃん」を売りにしてタレント活動しているのが良かっただけに残念な感じ。
さらりと読めるけど私には跡に残らない話だなと思った。
投稿元:
レビューを見る
グイグイとお節介をやくとしこさん、そして人の心を動かして笑顔にさせてくれる。そんなおばちゃんにも暗い過去、そして家庭問題もある。
ネタバレなのでこれを読んでる方は注意です。
息子は事故で、しかも彼女を迎えに行く途中のバイト事故で寝たきりに、義母は容赦ない嫁いびり。旦那は亭主関白。何も悩みがないと思っていたら問題を抱えていて、しかもわがままだった。そして息子の彼女に甘えたり、嫉妬したり、感情の起伏も激しい。
そんなおばちゃんの内面を後半に持ってきて裏切られた、最初に持ってきてどうして明るく人を元気にさせてくれる人になったのかに繋げてほしかったと思ったが、人は多面性があり、出会いによって人生が激変するのだと教えてくれた。
おばちゃんは芸能事務所の社長が自殺しようと考えていたおばちゃんを助けたことから明るくなったし、おばちゃんの出会いで明るくなった人たち、人の出会いは大切なのは分かったが私みたいな飽きる人、人嫌いな人はどんな出会いでどんな変化を遂げるのだろうか。人嫌いは治るのかなぁ。
投稿元:
レビューを見る
関東人の私がイメージする大阪のおばちゃんそのままのとし子さん。
偶然出会った人にガンガン話しかけ、自分のペースに巻き込み、知らずに人助けになってしまう。
コテコテで面白いなーと読んでいたら、『道頓堀の転売ヤー』で胸が熱くなる自分にびっくり。
とし子さんが大阪の神様に見えたよ。座敷わらしの大阪おばちゃんバージョンかと!
表紙がこの本の魅力を伝えきれてないのが残念。
投稿元:
レビューを見る
誰かと知り合って仲良くしていても、見えているのはその人の一面に過ぎない。
ステレオタイプな「大阪のおばちゃん」を描いて面白い話のようになってるけど、それをわかってて演じてるおばちゃんの人となりがなんだか愛しくなる。
投稿元:
レビューを見る
あぁ、、、数年前亡くなった
あの人を想いだす
って思ったら、やっぱり取材してた!
大阪のおばちゃんにも、
生きて経験したからこその
芯の通ったコミュ法がある
けど、弱さもある
ただのおばちゃん
だから、好かれるのかも
投稿元:
レビューを見る
タイトルに引かれて。私も大阪出身なので気になり手に取りました。
大阪のおばちゃん・とし子の畳み掛けるようなしゃべりがすごい…キャラ濃いなぁ。
短編集ですが、おばちゃんのちょっと(?)強引なおせっかいが悩める人たちを救うストーリー。
『人に話すと、そんだけで結構楽になんねんで』
悩みを吐き出せる相手がいる、話を聞いてくれる人がいる。自分のために一喜一憂してくれる人の存在って大きい。
登場人物たちみんなそれぞれの事情で悩んでて苦しそうだったけど、なかでもとくに印象に残ったのは「道頓堀転売ヤー」
悲しくも虐待のニュースが絶えないけど、ある点において改めてネグレクトの罪深さを認識した。
もう1つは最終話の「だんじり祭」。
いつもエネルギッシュな大阪のおばちゃんも色々抱えてる。人生色々。
自らに言い聞かせ鼓舞してる、頑張ってる姿はすごいけど心配になりました。
大阪のおばちゃんパワーが炸裂してる作品。
みんながみんなそうじゃないけど、騒がしくて人と人との壁が低い。
それが本作では誰かを救う良き出会いになってて良かった。
通りすがりでも、どこかで誰かの言葉に救われるといい✨
『なぁ、そこのあんた。何か辛いことあったん?そんなしょぼくれた顔せんと、大阪のおばちゃんに言うてみ?』
作品で久しぶりに触れる大阪弁が懐かしかった。
私の地元にも「だんじり祭」があるので祭りに関するワードも懐かしかったです。
投稿元:
レビューを見る
どないしたん、えらいつらそうな顔してるで。おばちゃんに言うてみ? 言うたら気持ちが楽になるかも知れへんで。
大阪は岸和田のおばちゃんが、悩める人たちの心を元気にするヒューマンドラマ。
◇
スマホを見ていた正岡沙由美は、急に話しかけられて驚いた。ヨガウェア姿の沙由美を下着姿の高齢の女が見つめている。
ここは岸和田駅前にある貸しスタジオの更衣室で、沙由美は蛍光オレンジのトップスとダークグリーンのスパッツを身に着けている。
件の女はそのウェアを指差して「ニンジンみたいでええなあ。スタイルがええもんな」と言うが、沙由美は褒められている気がしない。
その女がさらに「わたしなんかがそれ着たらカラスウリに見えるで」と言うと、そばにいた別の女が「カラスウリちごて赤カブやろ」とちゃちゃを入れてスタイルを揶揄する。
言われた方がすかさず「赤カブこんな色ちゃう。赤カブいうたら赤やんけ」と突っ込むと、「ほならパプリカや」と倍返しで返ってくる。まるで漫才だ。
沙由美はこの騒がしいだけのノリについて行けず、そっとため息をついた。
沙由美は東京の世田谷から大阪南部の岸和田市に越してきたばかりだ。
結婚間もない夫が突然会社を辞め、個人で仕事を始めたものの借金を膨らませて岸和田の実家に逃げ帰ったのがつい先日のことだった。
否応なくついて来るしかなかった沙由美には、初めて触れる大阪のコミュ文化に馴染めないばかりか、ここ岸和田の人たちの驚異的な馴れ馴れしさは恐怖ですらある。
ヨガが趣味の沙由美を気遣った姑の勧めで試しに来てみたヨガ教室だったが、沙由美は早くも後悔していた。
(第1話「岸和田でヨガ」) 全6話。
* * * * *
大阪のおばちゃん文化が描かれていました。コテコテのイメージとしては次のようなものでしょうか。
〈性格〉
・好奇心旺盛。
・おせっかい。
・馴れ馴れしいほどフレンドリー。
・ずうずうしく押し付けがましい。
・涙もろい。
〈ファッション〉
・茶髪でショートカットのチリチリパーマ
・ヒョウ柄やトラ顔プリントの服
・太めや大きめのアクセサリー
〈その他〉
・大声で早口。
・飴や蜜柑などを気軽にくれたりする。
まさにイメージのままの「大阪のおばちゃん」が登場します。物語では、小畑とし子という女性がその代表格です。
とし子は、確かに生まれも育ちも現居住地も岸和田という生粋の岸和田人ですが、近年は地元の芸能事務所に所属し、「大阪のおばちゃん」キャラの需要に応える形で芸能活動をしているタレントなのです。
だから、とし子は型にはまった「大阪のおばちゃん」を演じているとも言えます。(ただし適性はあったと思われます。)
第1話〜第3話の主人公は、人生がうまくいかない若者でした。若者たちは、偶然知り合った小畑とし子のおばちゃんペースに巻き込まれていきます。
困っている人を見ると放ってはおけない「大阪のおばちゃん��のおせっかいに、はじめはとまどい苛つく若者たち。
けれど、どう抗おうと親身になってグイグイくるとし子に、つい悩み相談をしてしまいます。そして気づけば、泥沼から抜け出すパワーを若者たちは身につけているのでした。
このコメディパターンで行くのかなと思っていると、第4話から路線変更。
とし子の半生と現在抱えている事情が明かされ、しんみりした人情話主体のヒューマンドラマへと切り替わります。それでも暗い展開にならないのはさすがです。
クライマックスで描かれる「岸和田だんじり祭」も、物語をいい意味で盛り上げてくれていました。
途中で転調はありましたが、全話を通して「人間にとって、あるいは人生にとって大切なものは何なのか」を考えさせてくれる筋立てで、読んでよかったと思える作品です。
映画を1本観たような、少し哀しくてほっこり笑えるハートウォーミングストーリーでした。
投稿元:
レビューを見る
初読みの作家さん。
「おばちゃんに言うてみ?」って~
この装丁からして
「ちょっと笑かしてくれるん?」
軽~いノリで読み始めたら
不意打ちを食らってしまった。。。
5編の連作短編集。
3編までは悩みを抱える3人に
持ち前の大阪のおばちゃんパワーで体当たり。
関西人ではない3人は
最初は大阪のおばちゃんに恐れおののくのだが
とし子のおかげで見失っていた自分に気付いていく。
そして後半でとし子は
大阪人の私に体当たりしてきた~
「笑わしてくれるんちゃうの?」
「あかん、泣いてしまうやん~」
なあ、そこのあんた。
何か辛いことあったん?
そんなしょぼくれた顔せんと、
大阪のおばちゃんに言うてみ?
一緒に笑って、一緒に歌って、大きな声出して、好き勝手なこと言うて。
そしたらきっと気ぃ晴れんで。
きっときっと、楽しなるで。
やなことあっても、明日も頑張ろ、って思えんで。
何でもええからとにかく生きといたら、また祭りの日は来んねんで。
(引用:「おばちゃんに言うてみ?」)
以前、ご主人の転勤で大阪に引っ越してきた友人が
「大阪のおばちゃんの距離感に慣れない」と言ったことがあった。
電車で隣に座ったおばちゃんが急に話しかけて来て
降りるまでずーっと話していたことがある、とか
スーパーで買い物をしていたら
隣からおばちゃんが「それは〇〇の方が安いで」と
急に言って来た、とか。
大阪人の私にとっては”あるある”だけど…
私も大阪のおばちゃんなので
毎日笑って、頑張ろー。
たまには泣き笑いの時もあるかもしらんけど。。。
笑って、泣いて、ちょっと元気になれる一冊でした。