投稿元:
レビューを見る
1980
【目次】
1. 数学をゲームに載せるには/山名 学氏にきく
『ドラゴンクエストⅣ』とAI戦闘機能
ゲーム制作は制約との闘い
破天荒に暮らした子供時代
現代のゲーム開発
数学の魅力
サービス精神が時代を左右する
2. 双対図形に導かれて/松川昌平氏にきく
何でも自分でつくる父親
建築との出会い
ボロノイ分割の美容室
部屋割りの列挙と自動生成
「空間体験」の定量化
野老朝雄氏との繋がり
思考錯誤のすすめ
3. とても似ている脚本と数学/徳尾浩司氏にきく
ミステリにハマった少年時代
FAXで送られてくる数学の問題
演劇に目覚めた高校・大学時代
数学科出身を売りにした日本初の脚本家
連続ドラマの伏線は後付けで張る
脚本を書くことは数学の証明を書くことに似ている
数学ができる人はカッコイイ
4. サッカーは人生経験がすべて活かされるスポーツ/
岩政大樹氏にきく
子供の頃は時計で足し算を覚えた
大学数学には「コツ」がない
サッカーにおける理系的センスの使い方
スポーツにおける統計データの利用とサッカーの特殊性
岩政氏が見た今の日本代表
「数学と何かが繋がる」が当たり前になって欲しい
5. 書店から数学を盛り上げたい/布川路子氏にきく
数学者とつながる書店
積極的な棚作り
Twitterを活用する
数学愛好家の根強さ
日本一のお店を
6. 数学的思考を活用してビジネスをより豊かに/
藤本浩司氏にきく
数学を使用する情報工学をビジネスに
数学を用いたビジネスの醍醐味
パズルや迷路から数学の世界へ
数学を使って一〇〇億円を稼ぐ
数学を活かすコンサルティング
数学を学ぶ人は、情熱をもって「数学を生きて」ほしい
7. 円周率という氷山の一角/牧野貴樹氏にきく
なぜか売れ続ける不思議
暗黒通信団と数表
コンピュータの出力から学ぶ
こんなに計算しても役に立たない
8. 数理造形はブドウ酒の味がする/戸村 浩氏にきく
美術と科学
「トムのページ」と「TOMʼS FINGERS」
数学的な造形の数々
経験したうえで経験にたよらない
9. 多面体木工という数学/山﨑憲久氏にきく
試行錯誤の多面体作り
多面体作りの普及活動
木工からの新発見
正五角形の作図の思い出
付録
A. 数学出身のプロ棋士・広瀬章人氏が語る将棋、数学の魅力、
そしてコンピュータ将棋の影響
数学と将棋を始めたころ
大学時代は数学で苦労した
プロ棋士のコンピュータ将棋の活用
将棋と数学の魅力
プライドを捨てて周りの人に質問をしよう!
シリーズものになっている本が好きで、江戸川乱歩のミステリを片っ端か��読んだり、、 ムーミンシリーズや手塚治虫の作品集を読んでいました。家にモノが増えるのが嫌なので、本をあまり買わずに学校の図書室や市民図書館などを利用していました。 推理物の脚本を書くときは、ロジカルな考え方が大切なので、小さいころにミステリを読んでいた経験が少しは役に立っています。
人の言うことに流されず「本当にそれが正しいのか」とか、「ちょっと違う視点で物事を見る」というのも数学に学んだことです。問題は解けないですが、数学書は脚本家を引退したら読みたい。好きですよ、ずっと。 数学好きの読者の皆さんには、数学の有用性を知って他分野でも活躍してほしいという。 僕は数学とはまったく畑が違うと言われる職業に就いていますが、「役に立つ・立たない」で言えば間違いなく役に立っています。だから、特に大学生の皆さんはいろいろんな職業に羽ばたいていってほしいです。数学科といえば就職先がある程度決まっているイメージがありますが、逆にまったく関係ない 分野に飛び込んでいったほうが、その世界の人たちを豊かで幸せにできる気がします。ぜひ、いろいろな分野で活躍してほしいと思います。
德尾浩司とくお・こうじ
1979年生まれ、大阪府出身。慶應義塾大学理工学部数理科学科卒業。脚本家·演出家、劇団とくお組主宰。脚本の近作に「unknown」、『六本木クラス」いずれもテレビ朝日)、映画『CUBE一度入ったら、最後』(松竹)などがある。
プロサッカー選手で、数学科出身の選手はまずいない。ましてや、大学を卒業している選手も少ないという。 下位リーグまで探せばいるのかもしれませんが、少なくともJ1や日本代表クラスにはいないのでは ないでしょうか。高校まで優秀だった方はたくさんいると思いますが、大学へ行かずにそのままプロになった選手が大半です。ただ、鹿島アントラーズ時代に後輩だった内田篤人など、勉強すればいい大学に入れた人もいるでしょう。だから、僕自身がそれほど珍しい存在だとは思っていません。
その一方、現在活躍しているサッカー選手の中で理系のセンスが秀でている人は何人かいるという。 たくさん、とは言えませんが日本代表クラスになれば、論理的思考に伴いプレーできている選手ばかりです。サッカー自体、こうなったらこうなるという論理的な計算を瞬時に行い、情報を常に書き換え ながらプレーしないといけないスポーツですから、理系的な頭の使い方はしているはずです。ただ、それを自覚して言葉にできるかは別の話で、自分がたどっている思考回路や試合中のプレーをアウトプットすることはなかなか難しいようです。
僕は、数学とサッカー、数学と今日起こった出来事を結びつけて考えることを日々行っています。さまざまな出来事を数学を通して考えることで、次に繋がるヒントが見つけられることがよくあるのです。 数学はいろいろなところに結びつく力がある、というのは数学の魅力の一つでもあると思います。これむしろ当たり前になって欲しいのです。「数学が何の役に立つか」と疑問に持たれるか数学を分かっていると何事にも繋がる。それを、いろいろな分野の方が理解してく ですし、数学好きな方はぜひアピールしてくださるとよいですね。
岩政大樹いわまさ・だいき
1982��生まれ、山口県出身。周東FC、大島JSC、岩国高校サッカー部にてプレー。東京学芸大学教育学部数学専修在学中に頭角を現し、2004年鹿島アントラーズに入団。2007〜2009年の鹿島アントラーズJリーグ3連覇に貢献(Jリーグベストイレプンにも3年連続選出)。2010FIFAワールドカップ日本代表に選出。2013年に鹿島アントラーズを退団の後、BECテロ・サーサナFC(タイプレミアリーグ)、ファジアーノ岡山を経て、2017年に東京ユナイテッドFCに選手兼コーチとして加入。また同年、東京大学ア式蹴球部コーチに就任。2018年に現役引退。上武大学サッカー部監督、鹿島アントラーズコーチを経て、2022年8月より鹿島アントラーズ監督。