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作品紹介・あらすじ
魔法は破られるようにできているの。
でも、約束はそうじゃない。
世界幻想文学大賞に7回、
シャーリイ・ジャクスン賞に4回、
MWA賞、ネビュラ賞など数多の賞に輝く
現代幻想文学の巨人による
郷愁と畏怖と偏愛に満ちた14篇
アコースティックギターの調べは、ぼくの目の前に金色の雨として現われる。指で絹をなでたときには、レモンメレンゲの風味とねっとりした感触を舌に感じる。ぼくは「共感覚」と呼ばれるものの持ち主だった――コーヒー味を通してのみ互いを認識できる少年と少女の交流を描くネビュラ賞受賞作「アイスクリーム帝国」、エミリー・ディキンスンが死神の依頼を受けて詩を書くべく奮闘する「恐怖譚」、マッドサイエンティストが瓶の中につくりあげたメトロポリスの物語「ダルサリー」、町に残される奇妙なしるしに潜む魔術的陰謀を孤独な男女が追う表題作ほか、繊細な技巧と大胆な奇想に彩られた全十四篇を収録する。
*****
名前だけは聞いた事があったけれど作品を読んだことがなかったジェフリー・フォード。書店に最新の短篇集があり、面白そうだったので購入。
最初の「アイスクリーム帝国」は共感覚を扱った作品。共感覚の持主同士が対峙し、どちらが幻覚でどちらが実在か、といった割とありそうな内容なのだけれど、これがかなり面白かった。なので期待して読み進めた。
ミステリーあり、ファンタジーあり、SFあり、ホラーあり、と結構幅広い内容の短篇集になっていて、ジュブナイル的作品も2本。どの作品も「おお、面白いじゃん」と時間を忘れて読み進めることが出来た。特に「アイスクリーム帝国」「タイムマニア」「最後の三角形」「ナイト・ウィスキー」が好き。
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幻想小説というのだろうか、この類は。
苦手だわ。
理屈も何もあったもんじゃなく、なぜ、と考え出すと訳がわからなくなる。結局なんなん?
一つの物語が終わって、その次が始まると、何が起こっているのか理解するのにまた時間がかかる。
グロもあって気持ちわるいし。
が。
読み続けるのが負担だったが、止められなかったのも事実。
絵画を見たときのような、えも言われぬ感覚に囚われる。
散文と詩の中間みたいなものか。
優れた小説だというのは間違いないし、好きな人は好きだろうと分かる。
読後感は、しんどかった。
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短編集。ミステリもどきのSFやファンタジー。表題の三角形は素晴らしかったが、私はタイムマニアがすきだった。キングのホラーを思わせる展開もぞくぞくした。
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SFが読みたい!2023より購入しました。
素晴らしい!の一言です。
文学の詳しいことはわかりません。
なので、私観的ですが
SFが読みたい!を十分満足させてくれたと同時に
SF サイエンスフィクションに入るのかどうか
は別として、満足させてくれます。
まず、言葉が、(訳が素晴らしいのもありますが)
想像に難くない表現で
とても読みやすく、
一話一話、ひたっていられる感覚です。
が、ついつい次々読んでしまいました。
そして、全話偏りない
なんでこんなに色んな話が書けるんだろうと
才能に驚きます。
短編集は、あまり好きではないのですが
短編なのに、最後の数ページで
あーそーなるのかっていう展開や、
途中からわかってる感じもあるものでも
最後の一文までしっかり読ませてくれます。
原書を読めないので、
訳者さんの努力には、本当に感謝しかないです。
出会えてよかったです。
ちなみに、まだ同作者の、言葉人形は読んでませんが
幻想小説が主だということなので、
それが私の思ってるようなものなら
読むのをためらうし、
でも、この作者のものなら
読みきれそうな気もするし
検討中です。