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この(2)は、ハッキリ言って、(1)より胸が熱くなります。素人意見で恐縮ですが、もう一度、(1)を読み返してから、この(2)を読む事をお勧めします。少なくとも、私はそうしたので、どうにか、この(2)で受けたダメージで再起不能にならずに済んでいます。
もっとも、しばらく寝かしてから、感想をじっくりと丁寧に書くつもりだったのに、どうしても、このストーリーが生む熱さを、体の中に溜め込んでおけず、急いで吐き出している訳ですから、私は無傷とは言えません。
本当、情けない話ではありますが、読んで失敗した、なんて微塵も思いません。むしろ、この(2)を読めて良かった、と本気で思いますし、未読の方に対して言えます。それこそ、「え、まだ読んでないの!?」と、普段、言わないようなことまで口走ってしまいそうなほどです。
改めて、しみじみと、北条、浅見の二人がカッコよすぎるわ、と震えてしまいます。
正直な話、現実に、この二人ほどの熱さとカリスマ性、欲望を持っている政治家とヤクザがいるか、と考えた時、パッとは浮かびませんね。まぁ、ヤクザはともかくとして、これを、当然、と考えるべきなのか、現代の政界と裏社会に生きている人間の質が落ちている事を嘆くべきなのか、判断に窮するところです。
彼らレベルで、性別、年齢関係なく、人間として惚れさせる力を持っている漫画のキャラクターは、それこそ、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の両津勘吉、『花の慶次~雲のかなたへ~』の前田慶次、『サラリーマン金太郎』の矢島金太郎、『ゴルゴ13』のゴルゴ13、最近の作品だと、そうですね、やはり、『ONE PIECE』のモンキー・D・ルフィでしょうかね。
北条と浅見、カッコいい所は数え切れぬほどありますが、真っ先に上がるのは、友情を何よりも重んじている所でしょう。デカい野望は持っているんですけど、それは、あくまで、自分の為ではなく、同じ地獄を生き伸びた親友にして戦友でもある心友の為。だからこそ、我武者羅になって、その目的を成就するために、あらゆる手段を使い、どんな障害に対しても怯む事無く、立ち向かっていける。自分の為だけじゃ、これほどまでの力は出せないでしょう。
そんなカッコいい北条と浅見が、ストーリーの主軸になっているのは言うまでもありませんけど、この二人の「人」に魅せられた男たちが、これまた、グッと来る行動を取ってくれる訳ですよ。良い脇役が登場する漫画こそが本物って評価を聞いた事がありますが、あながち、間違ってはいないのかも知れません。
確かに、これほどまでの熱を帯びていて、自分の心に点火してくれる男がいたら、自分の力全てを、そいつの為に使って、残りの人生を生き切りたい、と腹の底から思えるでしょう。この(2)では、多くの者が、北条と浅見の熱い生き方に惹かれていますが、特に顕著なのは、やはり、渡海さんでしょうね。男が男に惚れたなら、こうなるってのを、これ以上ないほど、シンプルに見せてくれます。まぁ、一つ、渡海さんに欠点があるとすれば、すぐ、キスをしようとするところかな。
この(2)で、それぞれの野望を実現させるための力と地位を手にした北条と浅見。だけど、そんなギラギラとした彼らの前進を良く思わぬ者も多くいる訳で。次巻で、北条と浅見が、どのような困難に陥り、それをどのように凌駕し、新たな味方を作るのか、楽しみです。
最初に言っておきますと、今回はグッと来た台詞が、かなり多いです。
歴代最多かもしれないです。
どの台詞も引用に選んだ理由は、そりゃ、もう、シンプルに心を揺さぶられたから、それだけです。
改めて、漫画ってのは、絵やキャラ、ストーリーだけでなく、こういう、読み手の心を理屈抜きでぶん殴れる、力を持った名言が大事なんだな、と痛感しました。
こんなにも名言ばかりだからこそ、『サンクチュアリ』は名作の一つに数えられるのでしょう。
いつか、麒麟の川島明さんや千鳥のお二人が、グッと来た、『サンクチュアリ』の名言と、その理由についてお聞きする機会を得たいものです。
それでは、私の心を揺さぶった台詞を順に挙げていきます。
「今まで、一度でも、君達の意見が上に通ったことがあったか!?今のままじゃ、いつまでたっても、ジイさんどもの使い走りだ。安定を求めるか、それとも、何かを動かすか・・・・・・人の一生は、そんなに長かァねえぜ!!」(by浅見千秋)
「・・・・・・いい人か・・・・・・(たしかに、女、ガキから見ればな・・・だが、そうじゃねぇ・・・・・・オレの家のこたァガキのことから・・・・・・何から何まで調べ上げてるっていう警告だ・・・・・・いざとなりゃア、ガキも女房も、どうにもできるって脅しだよ!・・・・・・)・・・フウ~~~~・・・やってくれるぜ・・・・・・二代目・・・」(by石塚)
「北条くんだったな・・・君は、二代目になって、何をしたいんだね?」
「・・・・・人間の作れなくなった今の日本を引っくり返します!」
「あ!?・・・・・・日本・・・・・・そうか、日本をのう・・・・・・いつでも遊びにおいで、北条君・・・」
「ハイ!ありがとうございます!」(by市島、北条彰)
「・・・・・・政治ってのは、戦いなんですよ。ネズミが吠えても、猫には鳴いているとしか聞こえない。猫が吠えても、ライオンには鳴いているとしか聞こえない。まず、一人一人が、獅子“ライオン”になること!それが、この政治研究会の、最大の目標なんですよ!!」(by浅見千秋)
「おまえが笑えて、初めて、オレも笑えるんだ・・・」
「わかっている・・・」(by浅見千秋、北条彰)
「一言だけ伝えといてくれ・・・・・・てめぇが読めねぇ人間に会った時、オレみてぇなバカは、そこに惚れちまう・・・・・・愛してるぜ、二代目、ってよォ!!」(by渡海)
「人間・・・現状で満足してしまったら、それでお終いだよ。オレ達はサラリーマンじゃねぇ・・・ヤクザなんだよ・・・」(by北条彰)
「・・・に、日本の・・・・・・制覇!?」
「・・・死んでもらえますか、渡海さん・・・」
「・・・・・・・・・ほ、北条!!キスさせてくれ、キス~~~~!!」
「と、渡海さん・・・」(by渡海、北条彰)
「オレは逃げようとは思わない・・・どんな障害があろうが、オレはオレ���道を進む!!その道が、どんな道かは、今は言えない・・・・・・だが・・・もし、その中に、あんたが一つでも気に入らないことがあったら・・・いつでも、逮捕するがいい!!」
「あなたがしようとしていることを、私が気に入ると・・・!?・・・」
「そう思っているから、ここへ来た」(by北条彰、石原杏子)
「い、一匹のネズミをジャンケンで!?」
「何故だかわかりますか!?・・・一匹のネズミを10人で分けても、タカが知れている・・・いずれは、10人が死んでしまう・・・・・・ならば・・・そのネズミの権利を一人に与えよう・・・・・・10人が死ぬより、仲間のうち、一人でも生きていたらいい・・・・・・それが、少年達の考えた、最もシンプルな生き抜くルールだったんですよッ!!」(by石原杏子、北条彰)
「一気に切り崩しなさい!!」(by伊佐岡幹事長)
「聞け~~~~い!その第一弾として、まず、労働力を開放する!!日本での就労を希望する東南アジアなどの外国人労働者を無条件で迎え入れる!」
「な、なんだと!?」
「バ、バカな・・・そ、そんなことが・・・・・・」
「あ、浅見さん・・・そんなことしたら、日本人の労働者が仕事にアブれて・・・」
「それでいいんだ・・・そうすれば、日本の若者も、3Kが嫌だ!などと言っておれなくなる!自分の体で・・・頭で生きる、ということを考え出す!」
「・・・・・・」
「おそらく、仕事の奪い合いが始まるだろう・・・その中で、日本人が生き残る道は、たった一つ!原点に戻る、ということだ!!外国人労働者が十働けば二十働けばいい・・・外国人が二十働けば四十・・・それが、日本人の原点だ!違うか!?」
「し、しかし・・・・・・今の若者が、そんな・・・」
「できねぇなら・・・そんな日本なぞ、潰れちまえばいい・・・」
「なっ・・・」
「オレがやろうとしているのは、今の繫栄ではない!日本の・・・日本人の未来なんだ!!保護され過ぎた人間・・・国に未来はない・・・」(by浅見千秋、集まった議員たち)
「あんた・・・黄か・・・・・・フッ・・・・・・なるほどな・・・おめえ、獲物を逃すタイプじゃねぇな・・・・・・ちょっと待ってくれや・・・・・・死ぬ前に、最後の一発ぐらいイカせてくれ・・・」(by渡海)
「フ~~~~・・・さァ、いつでもいいぜ・・・」
「・・・・・・一つだけ聞きたい・・・アンタ、ヤクザに共存共栄はあると思うか!?・・・・・・」
「あっ!?・・・・・・クックククク・・・なあに、寝呆けたこと言ってんだ・・・・・・共存共栄だ~~~!?フン!そんな世迷言はクソ喰らえだ!!ヤクザはなァ、喰うか喰われるかだ!喰われた時に終わるんだよ!!オレもあんたも喰うか喰われるか、それしかねぇんだよ!!」
「・・・・・・飯でも喰おうか、渡海さん・・・」
「あっ!?・・・」(by黄志陽、渡海)
「・・・・・・若い人間を侮るんじゃない・・・・・・王の座は、常に若い野望によって脅かされ、時には覆される・・・・・・それが歴史だ・・・・・・座を守る条件は一つ・・・・・・若い人間の野望を見誤らんことだ!」(by伊��岡幹事長)
「こいつが生きようと思ったら、自分で這い上がるしかねぇ・・・・・・生きるも死ぬも・・・それが、こいつの能力だ・・・」
「・・・・・・」
「さて・・・それじゃ、オレ達も海へ飛び込みに行こうか・・・」(by黄志陽、渡海)
「なァ、田代・・・・・・男が背負った重さってのは、そいつが、そのまま、その男の重さになる・・・可愛がってやれよ・・・」
「ハイ・・・」(by北条彰、田代)
「・・・・・・上がろうぜ、浅見・・・・・・」
「ああ・・・オレたちのサンクチュアリへな・・・」(by北条彰、浅見千秋)
「あんた達が、今、オレに何を期待しているか、はよく解る・・・・・・だが、選挙はパフォーマンスではない!オレはあんた達、野次馬に媚びる気は毛頭ない!!選挙は戦いだ!!そして、この戦いを左右するのは、あんた達一人一人が持っている武器だ!」
「武器・・・!?」
「あんた達も、もう、そろそろ気がついてもいい・・・選挙とは、代議士の戦いではない!一票という武器を持った、あんた達の戦いなんだ!!忘れるな!この国を生かすも殺すも、あんた達の武器なんだ!使わずに、戦いを放棄しては、何も始まらない!武器を腐らせるな!!あんた達・・・あんた達の子供・・・そして、この国の未来・・・すべて、あんた達の戦いだ!!」(by浅見千秋、民衆)