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バレエってこんなにダイエットが大変なのか、母の記憶から逃れられないから逃げているのかな、と。
最後に見つかって良かったと思ってしまった。
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超久しぶりに桜木紫乃、読み始めて何で今頃オーム真理教信者の話と思ったら、どうやら著者は女性の逃亡劇を書きたかったようだ、しかし女性の逃亡劇と言えば角田光代の「八日目の蝉」がある、それに比べるとどうだかなあという思いがある、それにこの物語まるで完結していないじゃないか、最後に男をダムに突き落とすぐらいの事はしてくれないと、完結しない物語は辛い、だからこの作者はフォロー対象外なのかもしれない.
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オウムにも彼女のように巻き込まれた女性がいたかもしれないな、と思う
行く先々で希望の光に会いながらも名前を変え逃げ続けた啓美がいつか啓美に戻れる穏やかな日が来ますように
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'95年の地下鉄サリン事件から17年後に逮捕されたオウムの「走る爆弾娘」な菊池直子を連想せずにはいられないお話。
切ないし、救いがない。これもカルト宗教の負の側面の一つなのか。
桜木さんの筆力が発揮された作品でした。
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教団の幹部と行動を共にしていただけで、特別指名手配犯になってしまった啓美。逃亡生活の中でも誰かしら手を差し伸べてくれるのはすごいと思った。
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オウム真理教地下鉄サリン事件を基にした作品なのだろう。人は何かを信じることで救われるのか。信じるから足を掬われるのか。自分の芯を持てば、自分の好きなように生きられるのではないか。自分の生き方をいろいろと考えるきっかけになった。
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ぐいぐい物語の世界に引き込まれていきました。
それにしても、作者の描く男性はどうしようもなく弱くてマゾコンっぽい。
反して女性は逞しく強い。そして狡い。
空恐ろしい世界を垣間見た感じがした。
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殺伐とした荒野のようだ。常に安息の地がない女の17年の物語。桜木ファンなので面白いのは大前提だが、ここまで実在の事件と登場人物をモデルにしているのならもっと社会派寄りにするか、いっそモデルはない方が頭を空っぽにして没頭できたような気がする。過去の名作揃いの桜木作品のなかでは個人的好き度は普通かなぁといったところ。とはいえ要所要所で鳥肌が立つくらい印象的なシーン、名台詞があって流石の流石だ。いつもながら逞しい女性陣が光っていた。
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オウム真理教の地下鉄サリン事件をモチーフに、指名手配された女性を描いた作品。
興味深くてズンズン読めた。
桜木さんの良さも存分に出ていて、とても良かった。
プロローグに結末を持ってくる構成がいい。
空想の物語はどこかふわっとして薄っぺらい印象になりがちだけど、今回の作品は実在の事件があるからリサーチした感じがして、物語に厚みがあるように感じた。
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2023年初版。もちろん、オウム真理教の地下鉄サリン事件をベースにしたフィクション。17年に及ぶ女の逃亡劇。女たちが主役。母からの呪縛から逃れようと宗教に辿り着いた主人公が、指名手配を受ける。意図せぬ指名手配。流れ流れて17年。いろんな女たちに影響されながら生きる主人公。いつも怯えながら生きることは、どんなことなんだろう。先日、自ら名乗り出て死んだ桐島容疑者の心中は、どんなものだったのか。読後感は、ありきたりではありますが男は弱く、女は強いということでしょうか。
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17年間逃げ続けた逃亡犯。
17年間役を演じ続けたヒロインなんだろう。
みどりと梅乃の生き方が魅力的。
桜木紫乃ワールド大好き。
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渋谷駅毒ガス散布事件の実行犯「光の心教団」の貴島紀夫と当日一緒にいた教団の岡本啓美の17年にわたる逃亡記。
啓美は貴島と別れ一人で実父と再婚相手の住む新潟に行き、そこに匿ってもらい、再婚相手みどりの手助けにより容姿を変えます。
次は2000年、スナック梅乃でママの梅乃の実の孫娘であるジャーナリストの鈴木真琴の名をもらい鈴木真琴として店で働きます。
そこで中国人のワンウエイという男に啓美は出会います。
バレエ教室の教師である母親にバレエの英才教育を受けて育った啓美はそれが嫌で「光の心教団」に入信しました。そこで怠惰な生活を送るようになっていました。
そして啓美の母と父は離婚し、父は再婚しますが再婚相手のみどりと娘のすみれに暴力を振るうようになりました。
そして、スナック梅乃での生活。
ワンウエイとの逢瀬。
梅乃の死。
そして…本当に盛りだくさんな内容がまだまだ続きます。
地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教の事件を想像して読み始めたらこれは桜木紫乃さんによる新たな逃亡するヒロインの物語でした。
わたしの罪はー子を産んだこと。
わたしの罪はー生まれた子に名を与えなかったこと。
わたしの罪はー忘れられぬ男に出会ったこと。
逃亡生活でも、これだけの人生が生まれるものなのですね。
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本作の主人公・岡本啓美は宗教団体「光の心教団」によるテロ実行犯として指名手配され、17年間潜伏しながら逃亡している。啓美と共に逃げているような気持ちで読み耽っていたところ、似たような現実のニュースが飛び交った。70年代の連続企業爆破事件で指名手配されていた桐島聡容疑者(70)とみられる男が名乗り出たというのだ。驚いた、事実は小説よりも奇なり! 小説の主人公・啓美の生き延びる強靭な姿勢を思いながら、死亡してしまった桐島聡容疑の暮らしぶりを想像した。架空の存在で罪を犯してはいない啓美との比較は簡単にできないのだが、逃亡時間の長さと男と女の違いもあるような気がしてならない。啓美が単に逃亡者としてのみ描かれずに、普通に生きる一人の人間としての悩みや苦しんでいる姿とだぶり与したくなる。出来る事なら捕まらずに生涯を閉じさせてあげたかったと願うのは、理に外れている?
ブクログさんのレビューの中に、どうしてタイトルが『ヒロイン』なのという疑問が書かれていた。彼女はバレエ教室を営む母親に幼い頃から生活を厳重に管理され一流のバレリーナとなるべく育てられている。啓美は逃亡中に自分とは違う人物に成りすましながら歩んできた。つまり与えられた役を演じていたヒロインだったということだろう。
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オウムを彷彿とさせる宗教団体の犯罪に巻き込まれ指名手配までされた主人公の逃避行。名前を変え別人となって生きる主人公がどうも好きになれず、でも流されているようでしたたかに自分勝手に生きる彼女が気になって一気読み。スナックの梅乃さんの人生の終い方は素敵でした。
オザワミカさんの装画が素晴らしい。
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同僚から推薦された小説でしたが、いまいち主人公に感情移入することができず、作品世界に浸かることができませんでした。
タイミングが悪くその場に居合わせたことから、地下鉄サリン事件をモデルとした「事件」の実行犯として指名手配された主人公は、「逃亡生活を続けよう」と強く意識しているわけではありませんが、その時々に応じて環境に流され、あるいは環境を利用しながら17年間の逃亡生活を送ります。
彼女の育ってきた環境や、事件当時、またその後におかれた環境には同情できる部分もあるのかもしれませんが、場当たり的に過ごしているその生き方には違和感を覚えましたし、もっと真摯に対応することができたのではないかと思います。
「指名手配」という状況や、忘れたころに正体がばれる危険が迫る場面など、適度に緊迫感があって楽しめるところもありましたが、彼女の「罪」とはなんだったのか、という作品の根本的な問いとその答えも、あまりピンときませんでした。