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1996年末から1997年にかけて、中国返還前夜の香港の闇の中で繰り広げられた、米ソ英中日入り乱れての血肉の飛び散る極秘情報争奪戦。
並行して、その20年後、天涯孤独な娘が香港で亡霊の様な過去の関係者を辿る旅が語られる。
全てを見通していたようなイタリア人マッシモが編成したチームのメンバーが斯様に二重三重の裏の顔を持っていたのは身辺調査が甘かったのか意図的だったのか。もしかしたら作者のご都合主義によるものか?
何にせよ、日本の官僚はタフだ。
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評価は3.5点かな。
農水省をやめて証券会社に入った元官僚の古葉慶太は資産の運用を任されている客に軽井沢まで呼び出される。
顧客はイタリアの富豪、そこで古葉は断れない依頼を受ける。返事に逡巡しているとどんどん外堀を埋められ、古葉は返還前の香港に向かう。
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中国返還前の香港を舞台に、元官僚の主人公が機密情報を奪取する作戦に巻き込まれていくエンタメコンゲーム小説。情報量は膨大だが、スピード感があってスリリングな作風。直木賞候補にも選ばれるだけの力作ではあるが、あまりに展開が早過ぎて物語の奥行きがなく、続々参戦する登場人物たちのキャラクター造詣も浅い。ダークホースという設定だけではおよそ看過出来ない古葉の超次元的有能さも説得力を欠く。その結果、現在と過去を交互に語る手法も劇的に機能しているとは言い難い。実の所、上中下巻各五百頁超のボリュームが必要な作品なのでは?
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良いね!諜報機関の騙し合い。心が躍ります。
少し、素人がどうしてここまで出来るのかに引っ掛かりましたが。
概ね、楽しかった。
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2024/1/22読了。
国家を相手に暗躍する素人、という設定はなかなか面白かった。
最初に依頼人が死んでしまうところから引き込まれ、仲間の裏切りや死も絡んできて緊迫感があった。
過去と現在を行き来するのも良いギミックだった。
ただ、様々な組織が絡み合っていた分、疾走感みたいのはあんまりなかった。
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この作家さん1冊目。主人公はオファーされた仕事をするには所謂プロとは言えないけれど、ある意味最も適性のある人。前職時代に身に付けた能力と、周りのプロたちから教わったテクニックを組み合わせてゴールを目指していくやり方の緻密さが凄い。後半クライマックスへ向けてスピード感が増し、最も良い終わり方をしてくれたけれど前半はややテンポが遅めだった印象。