ドードー物語続編
2023/09/19 16:45
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼少期、自然豊かな町で生物の声に耳を傾け愛してきた少女たち。絶滅鳥ドードーに魅せられて科学記者とゲノム研究者になった二人が、自然の在り方と向き合いながら「絶滅種」の復活を考える作品。
タイトルと可愛らしい書影から、鳥の生態などを主にした児童書かと思ったら、「絶滅種」の復活プロジェクトとリアルな話に徐々にシフトしていく展開に驚いた。フィクションとノンフィクションの境が曖昧に描かれている分、飽く事なく最後まで関心が薄れず読めた。科学は不得手ジャンルだけど、イラスト(図)も多く、親しみ易さがあってとても良かった。似た所の多い二人の価値観の違い、護る事と復元させる事、相反する想いを楽しめた。
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人の手によって絶滅させられた2種の鳥に魅せられた2人の少女。2人は互いをドードー鳥と孤独鳥に見立てる。長じて、1人は新聞記者となり、もう1人は研究者となる。音信不通だった2人はある出来事がきっかけとなり再会するが……。
小説のはずだがノンフィクションなのかと勘違いするほど丹念に書かれた作品だった。著者の川端さんの経歴を見れば当然かもしれない。ノンフィクション作品である『ドードーをめぐる堂々めぐり』も読んでみたい。
これまでに人類が絶滅させた数々の動物の記述や、絶滅種を復活させるディ・エクスティンクションの試みも紹介される。実際には彼らが生きた環境を含めて再生することはできないので無理だが、絶滅危惧種を救う技術になればいいなと思った。
NetGalleyにて読了。
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自然豊かな場所を小学生の少女二人はささやかに開拓していく中でドードー鳥と孤独鳥に自分たちをなぞらえるようになる。少女たちはそれぞれの道を進み大人になって一人はライターにもう一人は研究者となって絶滅した鳥の姿を追い求め、二人は再会し、人生はまた寄り添うように進んでいく。
小説だけど途中の挿絵が写真だったり資料だったりするので鳥の勉強にもなります。絶滅した動物や植物を私たちはどうするべきなのか、というのはこれほど身近な問題になってきているということを知らず勉強になりました。遺伝子操作のお話は、説明で分かったような気にはなり読み進めましたがなかなか難しかったです。
しかし私みたいなタイプの人間にはこういった問いが「そこにいまある」ということを知るだけでもプラスになると思いますし、こういった話題が好きな方にはぜひ手に取ってほしい作品です。
#国書刊行会 #NetGalleyJP
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川端氏の著作「ドードーをめぐる堂々めぐり」というドードーについてのドキュメンタリーがあり、本作品はそこでの調査を含めた物語を小説にしたもの。なので、小説といってもドキュメンタリーに近い。
主人公の望月環と景那(ケイナ)は百々谷(どどたに)で幼少期を過ごし、そこの自然に触れながら育った。そこで絶滅したドードー鳥と孤独鳥(ソリテア)をそれぞれに投影する。大人になっても環は科学を扱う記者になって絶滅動物を追う、特に江戸時代に日本に入ってきたドードーについて調べる。ケイナは動物の研究者になって絶滅動物のゲノムなどを研究する。ケイナは孤独鳥のように孤高な研究を続け、そこからが小説らしくなる。ケイナの本当の研究内容を環が知ったときに、絶滅動物に対する希望と倫理の狭間で物語が動く。
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「近くのため池で コウノトリを 見た」
と 無邪気にはしゃいでおられる方に
ーいやいや そのコウノトリは 人間の都合で
無理やり繁殖させられているものであって…
と いちいち説明するのは面倒である
そんな思いを ずっと持ち続けている
コウノトリの人工(!)繁殖を聞いた時から
モヤモヤするものを抱いていた
そんな思いの中で
この一冊を読ませてもらう
それはそれは 腑に落ちること
そうだったのだ、
科学的な根拠とはこれか、
なぁるほど、
が 次から次へ出てくる
コウノトリに限らず
レッドデータに興味関心のある方
必見の一冊です
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専門的な所は深過ぎて専門の方には読み応えあるのだろう…そこ以外の物語の妄想が膨らむ 美しい自然の景色と絶滅してしまった者達と人との温故知新
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【目次】第一章 百々谷と百々屋敷/第二章 近代の絶滅/第三章 堂々めぐり/第四章 ドードー鳥と孤独鳥/終章
第一章は、タマキとケイナの小学生時代の話。一緒に過ごした時間は決して長くはないが、2人の魂の共鳴が描かれる。
そして第二章以降で、大人になった2人が、それぞれに専門性を身につけ、絶滅危惧種に取り組む様が描かれる。
精緻な挿絵が豊富で、画集としても資料としても素晴らしいと思う。
……専門的すぎて細かい話にはついていけなかった。
ケイナがマッドサイエンティスト系に走り、タマキはまっとうに手堅い仕事をする。ミステリならば暗い結末が予想されるが、これはジャンルが違う。
となると結末は一択かなと思ったとおりで、結果をほのめかしつつ、彼女たちらしい生き方が描かれる。
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子どもの頃の二人の話はとても良かったが、その後はあまりに専門的なディテールが、物語としてのバランスを崩してしまっているように感じた。
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小学生の頃、父親の静養のために千葉の学校に転校した望月環ことボーちゃんは、ちょっと変わった子と思われていたケイナちゃんと仲良くなる。自分たちを絶滅した飛べない鳥、、ドードー鳥と孤独鳥になぞらえ、自然の残る百々谷で奔放に過ごす。しかしケイナちゃんは転校してしまう。
二人の小学生時代の第一章、社会人になったボーちゃんが研究者となったケイナちゃんと再会する第二章。そして研究の過程で暴走し始めるケイナちゃんと、それを止めようとするボーちゃんの姿と進んでいく。
ゲノム解読が進み、絶滅した動物が再生できるのでは、という話は現実の世界でもいろいろ取り上げられているが、倫理的問題や権利関係など慎重に進めなければならない問題がたくさんある。
二人の少女の成長と友情の物語である一方で、こうした様々な問題も提起されている。科学的・歴史的な解説が完全に理解できたわけではないが、とても面白かった。最後は、この後どうなっちゃうの?と思うのだが…