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最後までページめくった。
けれど次にきっと、という期待が打ち砕かれる。
読み手(自分)の勝手なこうあって欲しい願望が強すぎてしまったようで、ということからの感想です。
全ての登場人物の立場が、はっきりせず戸惑う。
勿論、こういう人物として物語として進むのだけれど、浅い、特徴がない。
なんだろう。エピソードが突然始まり突然終わる。順風満帆でなく嵐は突然に、ということそれが人生と思えば、そういう構成として捉えられるけれど、うーん。無理がないですか?
シスターフッドになるのか。
答えがあるかとページを捲らせることは上手い。
料理と猫の描写は、作家自身お好きなのか想像を掻き立てられた。
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戦中、戦後を舞台に、名前も外見も印象薄く、人に覚えてもらえない平凡な女性の半生記。心を閉ざす夫との冷めた夫婦関係、その原因となった、嫁いで数年後に初めて知る人と違う自分の体、戦争の悲劇、そして初めて愛した人との突然の別れ。それでも物語全体が暗く、重くなりすぎないのは主人公千代のおっとりした愛すべきキャラクター故だろう。
戦後、かつての女中、初衣と再会し、戦中とは主従逆転して共に暮らす最終章はこのまま読み終わるのが勿体無いくらい幸福に満ちた気分だった。
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#襷がけの二人
#嶋津輝
23/9/25/出版
https://amzn.to/3PkM5nB
●なぜ気になったか
あらすじと表紙の絵だけではスルーする本だが、新たに相性いい作家さんに出会えるかもなので、芥川直木賞候補作はスルーしないと自分に課している。なので読んでみることにする
●読了感想
おそらくおもしろいと思えないのではという予想はハズレた。暗い気持ちになりそうな展開でもそうならない描写に救われ、緩やかに心を揺らされながらいいドラマを淡々とみせてもらえた感じで楽しめた
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
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良家に嫁いだ千代と、女中頭の初衣。
戦争で状況が大きく変わり2人は再会する。2人の女性の半生を描いた物語。
直木賞候補作ということで知りました。
中盤は思わぬ展開に。
「何をしてきたの」って千代母の言うとおり、千代も茂一郎も歩み寄ろうとしなかったんだな。
実の家族との結びつきが薄かった千代が、初衣とは家族のような友情のような絆を築けたんだねぇ
読後は明日が明るく見えるような爽やかな気持ち。
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170回直木賞候補作
大正か戦後を舞台にした2人の女性の不思議な絆
裕福な家に嫁いだ千代と女中頭のお初
爽やかなシスターフッドって感じ
戦前戦時中の厳しい世相や社会、その中での2人の描写などもあってよく作られてるが、左のビラビラが、、、、って話は、いらんだろー
その後、秋山さんとスンナリだし。。。
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作者初の長編にして直木賞候補作。
裕福な家に嫁いだものの亭主に留守にされる千代と、その義父に妾として身受けされるが女中として働く初衣との出会い。
義父やもう一人の女中というか家事仲間のお芳、飼い猫のトラオとの共同生活を送る中で女性たちの絆が深まっていく。
夫と夜の生活が営めず、赴任先の女性との間に子を設けられたり、女所帯となった戦時中に隣組から軽んじられても、深刻ぶらない千代のおおらかな正直さが好ましい。
女性器にまつわるエピソードが2つ出てくるのは、当時の世相なのか、作者のユーモアか。
確かに作中でそれなりの重みを持ってはいるが。
東京大空襲の混乱に別れ別れとなった二人が、紆余曲折を経て共同生活に戻り、お芳に会いに行こうと華やいだ雰囲気で迎える結末に心和む。
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「かたばみ」同様これも面白かった。
作品紹介にあるように、確かに幸田文から有吉佐和子、それに続く小説。この二人の作家が大好きなので、期待して読んだ。
目に浮かぶような描写。猫のトラオが抜けになっているのが現代的?で読みやすい。
3人。いいなぁ
読後感もいい
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山田家に嫁いだ千代、女中の初衣にお芳ちゃん…三人の強固な絆に感極まる。茂一郎やお春、タケに反感を抱いたが、世相に翻弄されたと思えば不憫でならない。癒しのトラオ、物語に必須。
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今よりずっと女性が生きづらかった時代
子どもがいないとか、妾であるというだけで
後ろ指をさされてしまう主人公たち。
様々な中傷や嫌がらせも受けるけれど
主人公の二人は、逃げも戦いもせず
どこかユーモラスな雰囲気まで漂わせながら
淡々と日々を送っていく。
心から信頼し合った女性二人が、
住まいをしっかりと磨き上げ、日々の食事に心を込めて暮らす毎日は
読んでいてうらやましくなるほどだ。
どんな時代でも形にとらわれず、真っ直ぐに生きることは大事だね。
難しいことだけれど。
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大正時代、裕福な家に嫁いだ千代と女中の初衣が生きていく話。
めっっっちゃくちゃ良くて大好きなんやけど語彙力が足りないのと何がそんなに琴線に触れたのか自分でも分かってない自分が残念になる。
千代と初衣の主従関係が戦後入れ替わり、再開して穏やかに暮らし直すまでの話なんやけど、この2人の関係性がとにかく良かった。
大正時代の話やから、価値観とかはぁ?ってなるしこの時代に生まれてなかって良かった、なんならあと100年後くらいの価値観の時代で生きていきたいって思える。
千代の母親の気持ちが分からず、だからこそ余計に千代に感情移入をする。そして千代の嫁ぎ先の女中お初さんとお芳ちゃんが好きになり、3人でキャッキャ仲良くしてるのホッとする。そんな私やからこそ千代と同じようにタケさんに刺される。
あと茂一郎なんだこいつ。千代の旦那やけど初めからずっと嫌いで、そのフィルターのせいか真意が読めない。勝手な解釈で誤解して外に女作って出て行った男。話し合いをせんかったのは千代だけが悪い訳は勿論なくて100%茂一郎が悪いやろ、と個人的には思う。
離婚を口に出す千代にお初が「残るも地獄、去るも地獄、去るのはいつでもできるから残る方を選べば?」と言う言葉に落胆する千代とは逆で救われた。
そして女2人で生きていく大変さ、この時代やからこそ余計に息苦しいはずやのに、2人の間に流れる空気は穏やかで心地良くてずっと続いてほしいと願う。
そして戦後、逃げる最中に離れてしまった2人、千代はその後寮母をして生きていき好いた相手も出来た。その男の死後妻がいてたことが分かり千代と同じように動揺する。この男を通して茂一郎側の気持ちが少し分かる気がする、どっちの男も逃げ場を見つけただけなのでは。
最後、お初に「2人一緒ならどこへでも行けます。だって、生きているんですもの」そう朗らかに告げる千代が色々合って傷付いて、それでも素直でのんびりで裏のない所は変わっていなくて、なんだか泣きたくなった。
あと、始終料理の描写が美味しそうで、それがどんな状況でも救いになる。生きていくことは食べていくこと。この2人のように、主従関係なんて関係ない家族として一緒にいれるのが羨ましい。
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主人公の千代は製罐工場の社長の息子と結婚し、そこには女中頭の初衣がいた。主・千代と従・初衣の関係である(まあ、そんな単純な関係ではないのだが)。千代の陰部の形状なのか千代の性格が原因かは分からないが、夫とはうまくいかない。そして夫は病死し、戦争を迎え、製罐工場も失った。千代の声は枯れ、初衣は盲目となる。そして時は流れ、今度は千代が初衣の女中となる。この二人の関係は面白い。主従関係ではあるが、時が流れて立場が逆転するものの、最初からほぼ対等な信頼関係があった。依存関係といってもいいかもしれない。女性の立場がまだ低かった時代をたくましく生き抜いた二人のなんとも言えない関係が幸せそうだ。
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装丁の世界が広がっている。
お互いへの信頼が、とても大切に書かれていて、読んでいて心地よい。
主人公に据えたのが、おっとりした千代さんだったのがよかった。戦中戦後の様々なことが起き、また、現代とな異なる価値観の世界を読む中で、『あり得ない!』と思っても、千代さんの感情の上がり下がりが尖っていないから、穏やかに読むことができた。
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ほのぼの、ボンヤリな若奥様と知恵のかたまりのような女中頭のお初さん。姉妹のように暮らす二人が戦争を挟み立場が変わってもまた暮らせて良かった❗
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さらさら読めて読後感がとてもいい。
最強の3人ではないか。けれどすごすぎて現実から離れた感がする。確かにいいことばかりの人生では無いけれど。それでもハッピーエンドが約束されていることが濃厚で、読みやすかった原因はそれかな。
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大正〜昭和の女性に権利がない時代、何に抗うこともなく身を任せ、それでも一生懸命に生きた結果自立を遂げた二人の女性に心打たれた。折り目正しい、丁寧な暮らしの中にとんでもないエピソードが隠れていて、落差に引き込まれた。