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※
この本を読んで、作家・加藤シゲアキさんに
抱いていた印象がガラリと変わりました。
『オルタネート』では眩くまぶしい瑞々しさを、
『ピンクとグレー』や『チュベローズで待ってる』
では時間と共に移り変わる人の変化を感じつつ、
根底に若々しさを感じていました。
『なれのはて』では、親子や親族の繋がりを
はじめ、戦争や産業の変遷も含めた過去から
現代に至るまでの変化に富み時代に翻弄された
歴史の中で、人を大切に思うが故に幾重にも
塗り固められ、隠されてきた真偽と人の業の
複雑さに深く揺さぶられました。
また季節や気候の表現の中でも、特に雨に
関する複数の言葉から実年齢以上の老齢さ
というか成熟した感じを受けました。
(時代を感じさせるために意図的に使われた
言葉かもしれませんが)
次にどんなジャンルのお話を書かれるのか
とても楽しみです。
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いやー、参った。
昭和感漂う大作をアイドルを肩書きとする彼が書いてしまうとは…。
恐れ入りました。
前作が高校生直木賞などで話題となったけど、イマイチ刺さらなかったが、今回はあらすじを読んでこれはと思い手に取ったら大正解だった。
登場人物が多く、人間関係が複雑だから、頭の中で相関図を描きながら読み進めた。
参考文献がとても多く、しっかり調べ上げて書いたことがよくわかり、彼の並々ならぬ努力、思い入れがが伝わった。
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物語の前半は、少し読みづらく感じました。
文字も専門的な用語が多く、登場人物の関係性も理解するのに少し時間がかかりました。
しかし、後半は読むスピードが止まらないほど面白かったです。
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正直、自分の感覚として「芸術」や「報道」に少し読みづらさを感じていた部分もあって、読むかどうか迷った作品ではございましたが、そうしたことを感じさせないくらいミステリー要素の強い作品で凄く惹き込まれました。
物語は主人公がテレビ局のイベント企画部に異動することから始まります。物語の序盤から、主人公が抱えるトラウマが仄めかされ消極的な行動をとる主人公。しかし、新たな部署で出会った仲間に無理やり絵の展示会企画に巻き込まれることになるというストーリー。
読み進めていくと、怪しげな資産家一族が登場したり、事件が起こったりと多くのミステリー要素が登場するとともに、絵の裏側に秘められた壮大なヒューマンドラマに思わず唸ってしまう作品でした。
評価が少し落ちた原因としては、少し人物の相関図が複雑すぎる+こまめに読んでたこともあって、人物の出生や年齢などを把握するのに少し手間取ったことがあります。この資産家一族の相関図は物語のキーポイントでもあるので、今後読まれる方は是非相関図をメモしながら読まれることをオススメします。
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昔描かれた一枚の絵の事から話が始まり、作者の過去の戦争の話など壮大なスケールで書かれている、今までに無い作者の本である。ミステリー要素も含まれており、ハマる人にははまる本であった。
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分厚めだけどおもしろくて一気に読めた。
戦後から現代まで一枚の絵にまつわるお話。
主要な登場人物に共通していることは、何かを突き詰める熱心さ。大人になると周りの環境に流されがちだけど、自分の信念は大切にしたいと思いました。
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加藤君の作品を読むのは4作目だが、「ピンクとグレー」や「傘をもたない蟻たちは」は私の評価は低くもういいやと思ってたが、「オルタネート」で見直し、そしてこの作品ではたまげた。いや、素晴らしく重厚なミステリー。戦争や秋田の油田に関してもすごく書き込まれ、また主人公のテレビ局の仕事に関しても、しっかり書き込まれ、薄っぺらいところが全くない。素晴らしい!
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もともと、NEWSのファンで読んでいるのも理由だけど、読書好きとしても毎回楽しみなシゲの新作。
1枚の絵を通して明かされている真実。絵に関わる人々の人生。世の中の情勢。時代の変化。そんな内容がうま組み込まれているなと思った小説でした。
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Kindleで読んだ。
テレビ局員・守谷京斗は、同僚の吾妻李久美から祖母の遺品である絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談され、絵を描いた謎の画家の正体を探り始める。すると、秋田のある一族が暗い水の中に沈めた業に繫がり…。
気づけば夢中で読んでいた。
「手に水芭蕉を持った少年の絵」。
誰しもが胸を衝かれる作品、裏には“ISAMU INOMATA”のサインが。
“どんな人物なのか、どんな人生を歩んできたのか、なぜ絵を描くに至ったか──。”
秋田の土崎空襲のことを恥ずかしながら初めて知った。
秋田に油田があることも。
石油会社の創業一族と空襲。
あと一日早く戦争が終われば、全然違う未来があったのに。
読みながら答え合わせをしていくのがとても面白かった。
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著者のアイドルとしての芸能活動についてはまったく接したことがなくて、ただ最近、NHKのEテレの番組でMCやっているのには遭遇し始めています。彼が作家であるジャニーズとして若者(?)代表の文化系の顔って役割を担わされているのかな?と思っていました。(カッコいい又吉?)そつのない司会ぶりで、突出することなく番組の地に溶け込んでいるのを見ていたので、今回の作品はこちらがかってに抱くイメージを越えていました。彼の作品は若者の心象を題材にした風俗小説と思い込んでいましたが、なんか骨太で過剰な大きい物語でした。とにかく「石油」というテーマに着目しているのが新鮮でした。「石油」という題材を軸にしたことによって初めから「なれのはて」という題名は決めていたのかもしれません。とにかくジェームズ・ディーンの映画「ジャイアンツ」みたいなことを日本に持ち込み松本清張と横溝正史と原田マハとか色んな世界で仕上げられていると思いました。登場人物も多く、伏線も入り巡らされ、次から次にいろんなことが起こるので、ノンストップ読書になりますが、いろんなことがなんか放置されたままラストを迎える気もします。大団円はシンプルで感動的なのですが、なんか都合のいい話にも思えてしまいました。作者はこの作品で二回目の直木賞候補になっていますが、この作品を経てきっともっとうまい書き手になっていくように思います。
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元々、アイドルとしての彼のファンであり、全作品読んでいます。前回の直木賞候補となった「オルタネート」は私の中ではイマイチ刺さらなかったのですが、今回は驚くくらい1ページ目から引き込まれた作品でした。
一枚の絵の著作権を調べるところからストーリーが始まりますが、戦争、東北の油田、自閉症、資産家家族など沢山のことが絡み合ってくる。全てにおいて細かい描写がされているので、かなりの下調べやインタビューなどしたのだろうと思うと感服しました。
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ページ数もさることながら、内容も読み応えがありました。
序盤、なかなか登場人物と時代背景をインプットできず進まなかったけど、中盤あたりから一気に物語が動いていき……いやぁ面白かった。
そして、読んでいくうちに著者が”アイドル”加藤シゲアキってことを忘れている。
”作家”加藤シゲアキですよ。
知識と教養、どちらも豊富だし、かなり取材されての作品ですね。
秋田の空襲、油田、そういった歴史を初めて知りました。
伏線回収も流石でした。
直木賞惜しかったなあ。
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https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76535160Q3A131C2BE0P00/
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初読みの加藤シゲアキさん。
自分の生きた時代ではないときのことを調べて書くのは大変だっただろうなあ、と思いながら読んだ。
でも、この話は、この時代だからこそ生きた設定だと思う。
一枚の絵に絡む何人もの人生。
そのそれぞれの人生が紐解かれ、広げられた謎が回収されていく。
最後まできれいにまとまって安心する終り方だったと思う。
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時は2019年。テレビ局の報道局に所属していたが、ある事件をきっかけにイベント事業部に異動となった主人公守谷。
イベント事業部で同僚となった吾妻と、吾妻が所持する一枚の魅力的な絵で展覧会を開催する事を計画。
展覧会の開催には作者の許可が必要。
しかし、作者は1960年大晦日に行方不明となり、作者の兄も1960年の大晦日に焼死体として発見される。
展覧会の開催の為に守谷と吾妻が、行方不明と死の真相解明に乗り出す。
が物語のあらすじです。
443ページと重厚感がありますが、読み易く、徐々に物語の真相に迫っていく流れに引き込まれました。
戦争、障害、家族といったテーマを一つ一つ丁寧に描かれており、一冊の本なのに何冊も読んだかの様な満足感がありました。