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とても読みやすい作品。自分が今までに感じたこと、悩んだことがある内容が、等身大のことのようにストーリーから感じられる。なんだみんなも同じかっと自分を肯定してくれる作品だった。
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湿度を持った、ねばねばしたような、正直わたしはあまり得意ではないけれど、
とても大切なメッセージが各ストーリーに織り込まれていました。
西さんが伝えようとしてくれているものに、こちらも真剣に向き合わないといけない。
ちゃんとわたしに会うために、目を背けてはいけないんだ。
そんなふうに思わされました。
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女の身体にかけられたいろんな呪いを大声で笑い飛ばしていく一冊。
今の、西加奈子にしか書けないこの世界。
私がわたしであることで、その心に、身体にまとわりつく様々な呪い。
背の高さや身体の重さ、眼や胸の大きさ、声の質やしなやかさ、そんな私を形作るわたしのカケラたちが、私にかけてくる問い。
わたしって、何?
私って、誰?
見た目が変わったら私じゃなくなる?
心が気持ちが変わったらわたしじゃなくなる?
私をわたしたらしめているものっていったい何?
世界から、男たちから、そして母親からがんじがらめに形作られてきた私のなかのわたしが、苦しんで悲しんで泣いて叫んでいるわたしを見つけ出すための、その一歩がここにある。
私のなかのわたしが関西弁で叫ぶ。「私はわたしと一緒に戦うで!!!」
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小説って、その人の今の人生、主張、考え、気持ち、想いをリアルタイムに言ってくれるものなのかもと思った。
西さんの小説を読み、ヒップホップの歌詞を思った。
自分の主張や、スタイル、今の段階を曝け出していいと思うし、それが間違っている、変わった、など言われる筋合いも権利もないと気付かされた。
あらゆる価値観、世間からの目に縛られている自分たちは知らない間に生きづらさを感じているのかもしれない。
自分はどんな姿になってもどんな気持ちであっても
私は私のままでいる、
その自分を肯定する、抱きしめてあげる
でも、そんな自分は私一人しかいなくって
他の人にはできない
誤解されても、いろんなことを言われても
私だけでも自分の味方でいてあげる
言葉でいうのはとても簡単だけれども
実行するのは難しい
その歯痒さ、難しさ、だけれど大事であることを伝えてくれる小説
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人が抱えるコンプレックスや、世の中の生きづらさをよく表現している。でも、元気なやり方でで応援してくれる、パワーを貰う本。
私も私らしく生きてやるぞって思わせてくれる本。
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2023/11/19時点
my favorite storyは「ママと戦う」
ママと娘の葛藤を柔道で昇華させるとは!対等にやり合う描写に一番心震えたので
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前作「くもをさがす」に描かれる闘病前後に文芸誌で発表された作品をまとめた、わたしの体を慈しむための短編集。
表題作「わたしに会いたい」の、これぞ西加奈子の小説!という興奮と、「あなたの中から」に表れる、わたしとわたしの邂逅。西加奈子を読む意味がこの2作品だけでも十分にあるよ。
女の体を持つみんな、女の体に興味を持つみんな、読もうぜ。
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Amazonの紹介より
『くもをさがす』の西加奈子が贈る、8つのラブレター。
この本を読んだあと、あなたは、きっと、自分の体を愛おしいと思う。
「わたし」の体と生きづらさを見つめる珠玉の短編小説集。
コロナ禍以前の2019年より、自身の乳がん発覚から治療を行った22年にかけて発表された7編と書き下ろし1編を含む、全8編を収録。
・「わたしに会いたい」──ある日、ドッペルゲンガーの「わたし」がわたしに会いに来る。
・「あなたの中から」──女であることにこだわる「あなた」に、私が語りかける。
・「VIO」──年齢を重ねることを恐れる24歳の私は、陰毛脱毛を決意する。
・「あらわ」──グラビアアイドルの露(あらわ)は、乳がんのためGカップの乳房を全摘出する。
・「掌」──深夜のビル清掃のアルバイトをするアズサが手に入れた不思議な能力とは。
・「Crazy In Love」──乳がんの摘出手術を受けることになった一戸ふみえと看護師との束の間のやり取り。
・「ママと戦う」──フェミニズムに目覚めたママと一人娘のモモは、戦うことを誓う。
・「チェンジ」(書き下ろし)──デリヘルで働く私は、客から「チェンジ。」を告げられる。
西さんらしさが詰まった作品でした。もしかして西さんが実際に体験したものもあるのでは⁉︎と思うエピソードも
ここまでオープンにしていいの⁉︎と思うくらい、女性達の「体」に関する悩みが赤裸々に描かれていて、西さんにしか描けない清々しい世界観だなと思いました。
余すことなく、女性の部分を晒していて、正直男性としてはあまり実感がわかない領域であり、最初は恥ずかしさやいやらしさがあったのですが、段々と当たり前のように綴っているので、後半になると、後ろ清々しく感じました。
8編の短編集ですが、一つ一つもう少しじっくり書いてもよかったかなと思いました。
えっ!?ここで終わり!?と思うようなスパッと終わった感があり、もう少し世界観を味わいたかったなと思いました。
ただ、どのエピソードも「希望」を感じた作品でした。女性のならではの悩みに苦悩しながらも、西さんのポジティブさを感じながら、「登場人物」のフィルターを通して、伝わっている感覚がありました。
わたしはわたしのままで頑張ろうというメッセージ性が伝わっているなと思いました。
自分は男なので、登場人物達の苦悩に共感することがあまりできなかったのですが、登場人物達の持ち前の明るさは伝わってきて、すごいポジティブだなと思いました。
明るく元気に!ここまで「女性」について晒した小説は初めてで、男にとっては戸惑いがありましたが、この作品を読んで自分の心を前向きにできること間違いなし!と思えるような作品でした。
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女性を主人公にし、いわゆる「女性的な」 ことをテーマにして、赤裸々に突き進む短編集。
病気や性的ことが割りと語られる。面白いとか面白くないとかの地平線上にはいない。ひたすらに強烈。ブズと言われた子がどうかわっていくのかを畫いた「 あなたの中から」がベスト。文字のゴシック体の使い方も巧い。
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書かれているテーマはとても関心があるし、問題意識も共有できるし、この小説たちが書かれる意義もわかるのだが。
全部が性急過ぎてちょっとしんどい。西加奈子さんの体調もあるのかなと勘繰ってしまう。余計なお世話だろうけど。
もっと熟成させてゆっくり読みたいテーマです。
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病の経験を踏まえて書かれたであろうと思われる短編集。
ジェンダーや性に関して、一歩以上踏み込んでイラストや生々しい表現で描いてゆく。
ややもすれば、メッセージ性や卑猥さを拾われてしまう作品になるところであるが、そこはうまく文学作品に仕上げられている。
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最近ドギツイ内容の本ばかり読んでるせいか結構すらすら読み終えた。
女性特有の目線で書かれているがそこまで嫌な感じがしないのは、作者がその辺をよく考えて書いてるからか、作者の人柄か。
人間は一度死を意識するような体験をすると(僕もそうだが)、人生観と言うか世界観が変わるので作者のこれからの作品も以前とは変わっていくのではないか。
楽しみでもある。
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頭の先から足の先まで自分の身体は自分だけのもので、誰にも批評されたりバカにされたり無遠慮に見られていいものではない、大切にするべき、されるべきものだということを改めて感じ、
それと同時に、生きているだけでたくさんの呪いにかかっているんだなぁということにも気付かされ、
これからを生きる子たちにはそんな呪いをかけたくないし、かかってほしくない。
文章の端々から西さんの怒りが感じられ、読んでいるこちらの心にもにも火がともるような、そんなパワーのある一冊でした。
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西さんは個人的に好き(某テレビ番組で、私の
フォト575作品を評価してくれたし)だが、この本を読んでさらに好きになった。
最も印象的だったのが「あらわ」。
読めば読むほど、そうそう、そうだよね!と思うことばかり。
同じこと経験してもここまで書ける人って他にはいないだろうなぁ、と思う。
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ヘビーでした。
差別とか偏見とかが無い世界はありえない。
だからこそ、自分が自分をどう捉えて、他人をどう受け入れていくか。
目線を変えれば幸でも不幸でもある。
それを知って毎日をどう過ごしていくか、私にも出来ることはまだまだあると感じました。