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「新しい国民皆保険」構想 制度改革・人的投資による経済再生戦略 みんなのレビュー
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紙の本
明治以降に生まれてきたことを日本の伝統と思い込む危機があるのでは
2024/04/06 10:23
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は日本の社会保障・教育と人材育成・税制の問題をデータに基づき徹底解明し、解決のための具体策を模索したものという。本の表題は「新しい国民皆保険」構想だがという疑問が出てくる。しかし、保険制度だけで社会保障はカバーできないし、社会保障がすべてではないから、税を含む財源問題から社会保障、教育等に触れざるを得ない。まえがきでは、男性片働きなどを前提とした「昭和の仕組み」が岩盤として残っており、これを崩すことが改革案とする。目次を見ると、
まえがき
第1章 先進諸国が直面する社会保障の問題
第2章 社会保障制度の発展・改革過程と現状
第3章 ビスマルク型社会保障の変容
第4章 社会保障制度改革の国際比較
第5章 社会保険制度の改革―「新しい国民皆保険」構想の基盤
第6章 人的投資の改革
第7章 税・保険料の一体改革と財源の確保
終 章 少子高齢化を乗り切るための戦略
あとがき 初出一覧 参考文献 となっている。
以上のように展開される。第1章、第2章で先進諸国との比較をしつつ、日本の社会保障の問題を示す。第3章、第4章で社会保険を基盤とする主要国を中心に社会保障制度と改革過程を比較する。第5章で本書の表題の社会保険制度の改革に入る。第6章の人的投資とは、家族政策、教育、雇用の拡充する改革となる。第7章でこれまでのことを実現する負担のあり方、財源確保となる。税制では法人税、所得税の減少、消費税が中心になっていることを控えめに指摘するが、法人税の税率引き下げ、所得税の累進性を弱めた等により消費税率アップによる穴埋めとなっていることを明確すべきだろう。人的投資では、政策上の問題は明確だが、大企業を中心に、賃上げを怠ってきたことや従業員教育費の削減、設備投資に消極的になっていたこと等、問題は根深いと思われる。終章で改革案の要約7点が示されている。日本が体制転換できず、高度経済成長で積み上げてきた遺産を食い潰すだけではどうにもならないことが分かっているし、少子化は止まらず、労働力人口の減少は痛打となっている。移民国家といわれる日本である。議論する素材として、一読してほしい本である。
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