紙の本
ポリアモリーとう言葉を初めてしりました
2023/12/31 17:16
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投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
ポリアモリーという言葉を初めて知りました。確かに、好きか嫌いか、ということ言えば、好きという感情は別に誰かひとりに限られるものではないので、そこに違和感はあまり感じないけど、結婚するのと同等のレベルのパートナーが複数いるということは、個人的には考えたことがなかった。素のままの人間という生き物が一夫一婦制という本能とかを持っているわけではないと思うので、いまの結婚制度が、文化的・歴史的・制度的に生まれて維持されているもので、それ以外の様々な形の関係性はあり得るし、実際にそういう関係性を築いている人たちもいるということを知ることができました。
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用語の理解だけでも価値がある。これだけ用語にバリエーションがあるという事が、様々な関係指向や関係様式を持つ人達の多様性を指し示している。日本に実在する
定量調査のパートが調査定義や母集団がわからず、少なくともこの本の情報だけでは、数値を適切に解釈することができなかったのでもったいない事とより知りたいと思わされた。
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オープンリレーションシップをテーマに描いた「私の最高の彼氏とその彼女(ミン・ジヒョン)」の影響もあり、読了。
日本で暮らすポリー当事者のインタビューが沢山あり、その人たちの語りがとても興味深かった。読みながら自らのモノ規範を再自覚させられたし、それは社会規範の影響を強く受けているんだろうなぁとも思った。
(複数愛を描くアニメやドラマ、本に出会った記憶はほとんどなく、「永遠の愛」「運命の相手」を描く単数愛作品が多い気がする。マッチングアプリでも「真剣な出会いを求めています」(=モノアモリー?)という語り口をよく目にするなぁ。)
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ポリアモリーに関する実態、概念、課題などが整理された良著。
当事者へのインタビューをベースに、適宜挿入される先行研究(主に海外)の紹介と概念・課題整理、更にはインターネットによる社会調査など、内容は幅広く網羅的。著者の当事者性は強いはずだが、黒子的というか研究者的というか、極めて抑制的な記述に徹しており、それが客観的な説得力を増している。
また登場する当事者を含め、ジェンダー・セクシャリティについて相当深いレベルで考え語られているため、その辺りについても併せて理解を深めることができるし、それが本書の説得力を高める土台にもなっている。
あと他の書評を読んで知ったのだが、ポリアモリーは性的志向かライフスタイルかという議論があるのに対して、本書がそれを"関係志向"としている点は独創的であるらしい。単に既存の先行研究をまとめるに留まらない、先進的な水準にまで議論を進めているようだ。
ポリアモリーという概念について理解すると同時に、既存の恋愛・性愛規範や家族観を批判的に振り返ることのできる、大変学びが深い一冊となっていると感じた。
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線形というモダンから、離散的なポストモダンへ、か。
時間軸の多様性へなのかな。物質的にだけは豊かになったということなのだろう。人生の配分というところかね。
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ポリアモリー・ノンモノガミーを実践する人の実態を記した一冊。
日本社会において複数愛を実践する人がほとんど不可視化されているという問題意識の中で、多くの当事者にインタビューしてその実相が書かれている。
新たに知ることが多々あり、とても興味深かった。
・モノ規範の中で、当事者が抱える自責やスティグマ、罪悪感について。ポリアモリーであるがゆえの苦しみではなく、ポリアモリーを不可し化し、異端として扱う社会システムゆえの苦しみが多い。
・ポリカップルの離別要因は、複数愛者でも単数愛者でも変わらない性的問題、金銭問題など。しかし破局すると周囲からは「当然」と思われる。
・性的なものとして見る社会と、関係性をめぐる問いとして考える当事者の食い違い
・必ずしも性愛だけを追及するわけではなく、アセクシャルでポリアモラスということがある。
・ポリアモリー傾向があっても実践しているかどうかは人それぞれ。
・「嫉妬を乗り越えたらコンパージョン」というわけではない。これも人それぞれ。
・重婚禁止は何のため?行政がミスしない限り犯せない罪が何のために存在するのか。→一夫一妻制という道義的建前を明確にするための宣言的な意味。
・ポリファミリーの実態。肯定的にとらえる理由がたくさん。情緒的、金銭的豊かさなど。
・ポリアモリーは世界に1000万以上 日本における実態調査はほとんどない。
・ポリガミーは共同体の維持、家父長制的な社会構造において重視され、女性の意思決定は重視されてこなかった。男性が女性を所有し、依存関係の生産。ポリアモリーはそうした文脈とは違う背景から出現してきた。自由と共有を尊重する西海岸文化。フェミニズム。クィアカルチャーなどの歴史からも影響を受けてきた。