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グローバルな視点
2024/04/23 16:36
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
イギリスで研究をしたからか、宗像教授の研究は「鉄」にこだわらなくなったようだ。動物をかたどったトーテム、生贄、星宿、宗教の誕生など、日本に留まらない世界の遺跡を歩き回る。このテーマをどこでまとめるか。
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神、生贄、まさに私の大好きなテーマ。
獣を神として崇める民族。人を生贄として必要とするもの。とっても面白いですね!
この辺りは宗教も絡んでくるから、難しい問題も出てくるのですけれども、星野さんの視点が楽しい。
そして、ソドムとゴモラのところでは塩の柱になったロトの妻の絵を思い出してしまった。やはり欧州ではキリスト教は切っても切れない関係にあるんですねぇ。
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<目次>
略
<内容>
新宗像教授シリーズ第2弾。ストーリーと神話や伝説、考古学の連結がやや甘い気がする。知識伝達だけが先走りし、死んだ神奈や兄の捷一郎のエピソードがかすんでいる。新しい女性が出てきたけどね。そういえば先生の三姉妹がどうしたんだろう?
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第1集「鹿男(シャーマン)前編」に続く「後編」では、古代から伝わるヨーロッパの悪鬼クランプスが描かれる。ここでクランプスは、人々が再び長い冬(小氷期)に直面することなく、冬のあとには春が来ることを神々に祈り、そのために生贄を求める存在とされている。後にクランプスは聖ニコラウスに従い、聖ニコラウスがサンタクロースに、クランプスがトナカイになってクリスマスが生まれた。クリスマスが冬から春へと向かう冬至の行事であることは、むしろクランプスこそがクリスマスの淵源であることを示している。原始的な神々を征服し塗り替えるのはまさにキリスト教の常套手段だ。但し、キリスト教は人間や動物の生贄を否定し、キリスト自らが神への生贄となる。「猪の小舟」も忌部捷一郎が宗像に託した生贄をめぐる物語だが、物語の最後に村の婆さまが明確に神は人間の生贄を望まず動物の生贄もやめるように告げる。これはキリスト教の生贄観とも通ずるものがあるのではないか。「牽牛の河」でも、七夕伝説の牽牛は生贄として牽かれる牛であるとされる。このテーマはかつて『宗像教授異考録』第二集「織女と牽牛」でも触れられていたが、今回はその源流を更にメソポタミアにまで遡る。最後の「燔祭の羊」も生贄についての話だが、これは次集に続く。神の問題も絡み様々な事件が起こりそうな予感。