紙の本
かなり詳しい、山県有朋さんの伝記です。
2024/01/19 11:38
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治時代に活躍した政治家の一人、山県有朋さんの一生について著された伝記書です。
首相に就任していた頃以外の時期に彼がどんな政治手腕を振っていたか、という記述がかなり詳しく著されており、読み応えある1冊に仕上がっています。歴史に疎い私でも興味を持って読み進められました。
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陸軍トップ、首相、枢密院議長などを歴任。「山県閥」を築き、元老として圧倒的な権力を掌握、明治日本の政治を支配した政治家の生涯
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坂の上の雲が正岡子規と秋山兄弟で明治の上り坂を描いたのだとしたら、昭和の下り坂への入り口までを追える人物は山県有朋なのであろう。小説の主人公にはなりにくい人物だが、新書の形式での評価評論はなじみが良い
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巻末に付いている山縣有朋の伝記のほぼを読んでいるが、伊藤之雄『山県有朋』(2009年)から山県評がどうも民主派によりすぎになってきている気がする…。昔は元老の中でも最右派、なんなら太平洋戦争の遠因などと言われたものだが。右からは左、左からは右と言われる、という人は意外に多くいるものだが、まさか山縣有朋がそういうポジションにおさまる日がこようとは。
新書なのでより深い内容は引用元(『山縣公のおもかげ』からの引用が妙に多い気がするが、この著者は入江貫一という山県の秘書なので、この本からの引用が多くなされるほど山県って実はいい人だよね、と思わされる罠がある…と個人的には思う)の本を読んだ方が良い。最終章に「二十一世紀に召喚される山県」という章があるが、この本の執筆後、元安倍首相の殺害事件があり、菅義偉元首相が弔辞に岡義武『山縣有朋』からの引用を使ったが、まさに山県有朋が忘れられ、封印されていた時代は終わったのだと思う。山縣有朋が「民主的」に思えるならば(もちろん新史料の発見があり研究が進んだこともあるにせよ)我々が右によりすぎているのではないか?との視点を忘れずにいたい。
ところでミネルヴァの人物評伝シリーズから一向に山縣有朋がでない(昔予告を見た気がするのだが)んですけど、何でなんですかね…。