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紙の本

モダン・デザインの進化史としてのビートルズ・アルバム

2024/03/28 16:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る

ビートルズ本レビューは、2020年5月『ゲット・バック・ネイキッド』 (藤本国彦 青土社)以来だ。「ビートルズは切り口によって、毎年なんらかの記念の年になる。」この4年間、ビートルズ関連でいろいろな出来事があった。「レット・イット・ビー」を新たに再構成したドキュメンタリー「ザ・ビートルズ ・ゲットバック」公開(2021)、ノーカット「ルーフトップ・コンサート」は涙もの。かつて日本のビートルズのコピーバンドが、ビートルズがデビュー前の時代にタイムスリップし、盗作する形でメジャーデビューしてしまうコミック『僕はビートルズ』に似た、ビートルズが消えてしまった世界で、唯一その曲を知る存在となった1人のシンガーソングライターの活躍と苦悩を、ビートルズの楽曲に乗せて描く『イェスタディ』(2019)も楽しめた。最近では、「ビートルズ最後の新曲」『ナウ・アンド・ゼン』リリース(2023)も記憶に新しい。
本書は『プリーズ・プリーズ・ミー』から『レット・イット・ビー』までのアルバム11 枚のジャケット・デザインの「革新性」を20世紀デザイン史に位置付け、「デザインの歴史探偵」松田行正が検証する一冊。そもそもビートルズに関する本に面白くないものはない。したがって内容のレビューより先に本のデザインのレビュー。新書判の変型の大きさで、まるで弁当箱。写真を掲載するためか、丈夫な紙を使っているので、分厚くなってしまうが、細かく何冊かの薄い製本を束ねたもので、無理なく頁を広げられる工夫がされている。表紙にはA1判大のビートルズのアルバムをパロったジャケ・コレクション・ポスター(CD180点以上、書籍34 冊を掲載)も圧巻。「牛若丸」という出版元は、著者が主宰するミニ出版社であるが、たぶん手作り造本で大変だっただろう。本でしか味わえない造本の魅力が満載。分量・大きさ的に、税込3,960円は高い、と感じたが、本そのものもアートなっている書籍としても楽しめる一冊だ。
松田行正氏の著作は初めてではない。『RED ヒトラーのデザイン』(左右社 2017)『独裁者のデザイン』(平凡社 2019)の読書履歴があるが、本のデザインを中心としたグラフィック・デザイナーであり、当然政治プロパガンダのポスターなどのデザインにも詳しいわけだ。「ウイズ・ザ・ビートルズ」では、ヒトラーの大統領選挙ポスターや「ヘルプ!」ではニュルンベルク党大会の「光の大伽藍」が引用されており、検証の幅が広い。また、タイポグラフィーとしてフォントの話もPCのフォント・ドロップダウンに並ぶフォント理解に役立った。
そして本題アルバムジャケット論。11枚のアルバムを時系列で見ていくと、その革新性の進化がわかる仕掛けだ。そして進化の到達点は「アビー・ロード」。4人のメンバーが横断歩道を歩くそのアルバムジャケットは、「どこにでもある横断歩道を歩いているだけ」という日常の光景をアートに変えた。多くの模倣やパロディを生み出すことになった革新性。モダン・アートの言説では小難しい注釈とセットとするところだろうが、このアルバムにはタイトルもバンド名もない。「見ればわかるだろ!」。バンクシーにもつながるストリートアートの走り?この本はカバーがもう薄汚れていると思ったが、白の経年変化そのものをデザインに組み込んだ「ホワイト・アルバム」のコンセプトの実例であった。映画「イェスタディ」では、真っ白なアルバムは、ダイバーシティ(多様性)の観点から問題となる、というプロモーション会議の場面があった。このコンセプトからすると、そのように評価ではなく、むしろ多様性を象徴するものして採用されていただろうに。

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